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事例サイト「Oh! OOH!!」

 第4回目のnoteでは、私の運営しているWebサイトOh! OOH!!」について紹介したいと思います。
 noteを始めてから媒体社や事業社などOOHに関わるの様々な方からご連絡をいただくことが増えてきました。直接お会いしてOOHに関する意見交換などさせていただくこともあります。その際、大変有難いことに初対面の方から「昔からOh! OOH!!をよく見ている」と言ってくださることがよくあります。会話の中で、Oh! OOH!!を始めた理由を聞かれることも多いため、今回、自分自身の整理も兼ねて、改めて以下のようなことをまとめてみました。

Oh! OOH!!とは?

 Oh! OOH!!(オー・オーオーエイチ)は、2010年頃から平井個人が運営管理しているOOH(交通広告、屋外広告)の事例サイトです。私個人が気になったOOHの事例を写真や説明文とともにブログ形式で紹介しています。名前の通り「Oh!」と思ったOOHを紹介しているので「Oh! OOH!!」です。特に広告効果やSNSでの話題拡散に成功したと思われる事例や、OOHメディアの新しい使い方をしている新規性や独自性の高い事例を中心に掲載しています。2021年3月30日時点での掲載事例数は約400で、月間のアクセス数は1.0~1.5万PV程になります。OOHの事例紹介に特化していることもあり、万人向けの内容ではありませんが、広告代理店関係者や企業のマーケティング関係者、特にデザインやクリエイティブに関わる方々に見ていただいている印象です。肌感覚では、広告業界を目指す学生の閲覧も多いように感じられます。またOOH広告の掲出をPRしたい担当者の方から、事例掲出依頼の連絡をいただくこともしばしばあります。

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Oh! OOH!!のトップ画面

上記Webサイト以外には、FacebookTwitterでアカウントを運営しています。SNSでは、OOHもしくは、将来的にOOHと関連しそうな周辺領域に関するニュースを中心に紹介しています。

なぜ始めたのか?

 Oh! OOH!!は、もともと営業だった私がクライアント向けに勝手に作り始めた広告の事例集が元になっています。
 2009年に新卒で入社した広告代理店では、最初に配属された部署が営業部でした。そこでは、交通広告の媒体を販売することが主なミッションになります。元々クリエイティブ志望だったこともあり、正直営業の仕事が自分に務まるとは思っていませんでした。人と話すのが苦手で、新規で訪問したお客さんに対して、アイスブレイクを行ないながら自社の媒体に興味を持ってもらえるトークができる自信もありませんでした。そこで少しでも話を聞いてもらうために、パワポでまとめた10ページくらいのレポートを毎週提出することを始めました。主に仕事終わりや休日などを使って、様々な路線や駅に足を運び、気になった広告の事例を集めていました。「人を動かしたOOHの事例」と題したこのレポートはクライアントに好評で、なかなか出稿をいただかなくても「毎回レポートを楽しみにしている」と言って下さる方が多くいました。少し話が反れますが、「人を動かしたOOHの事例」以外にも、新規でアタックしているクライアントに対して、競合他社がどのような媒体・クリエイティブで広告を出稿しているかをまとめたり、勝手にクライアント向けのOOH活用企画を考えて提案したりなど行なってきました。雑談や気の利いた話のできない自分が、人並みに新規獲得ができた要因としては、これらの資料や提案で信頼を頂けた部分が大きいのではと思います。

人を動かしたOOHの事例

人を動かしたOOHの事例

 一方で、ほとんど趣味で様々なOOH事例を収集してきた中で、「これらの事例をわかりやすく整理分類し、活用しやすくしたい」という欲求に駆られてきました。上記のレポートは基本的にパワポで作成した紙ベースの資料ですので、クライアントの業種や媒体種別ごとに整理するには適したフォーマットではありません。様々なデータを集めて、自分なりの視点で整理することが好きだったこともあり、OOH事例を整理するためにブログサイトを使うことにしました。ブログであれば、記事ごとに「カテゴリー」や「タグ」を設定し、閲覧したい目的に合わせて表示を自由に変更することができます。
 そんなこんなで2010年に作ったサイトがOh! OOH!!です。幸い、こうした活動の中で自分自身にOOH事例のストックがかなり溜まってきました。営業でありながらプランニングや制作進行管理をする機会も多くいただけるようになりました。提案して実現に至った企画の中には、広告賞をいただいたものもありました。
 2014年からは新規事業開発の部署へ配属となり、一旦OOHの仕事からは少し距離を置くことになりました。それからは、ほぼ100%個人の活動としてOOHの事例収集を続けています。コンテンツの更新頻度にムラがあるのはそのためです。

今後の予定

 Oh! OOH!!は、話題になった事例や新しい事例(主に特殊広告)を一つずつ紹介しながら、「媒体」や「エリア」「表現手法」「広告主」などのカテゴリーで分類しています。現在はOOH事例のデータベースとして運営している状態です。これからも、データベースとしての機能を第一に、広告主や代理店など、主にOOHメディアを使いたいたい方向けに、ケーススタディを提供していきたいと考えています。特に交通機関や屋外に掲出されるOOHは、不特定多数の人の目に触れるという公共性の高さから、審査が比較的厳しい特徴があります。センシティブな広告表現はすぐNGになってしまいますし、特殊な使い方には安全性が強く求められます。公共空間で「何かをやりたい」を叶えるためには、各ステークホルダーへの申請や説明が必要不可欠です。そんな申請の場面において、過去に前例があることを示せれば、あとはそれらの組み合わせや応用ということで、申請の通る可能性がぐんと向上します。ですので、OOHで新しい表現をしたい人がOh! OOH!!を先行事例のデータベースとして使ってもらうことで、やりたいことの確度を上げる一役を担えればと考えています。もちろん、新しい企画を考える際の参考資料やプレゼン時の補足資料として活用いただいてもよいと思います。

 今後は、さらに一歩進めて「公共空間で表現を行ないたいときのプラットフォーム」として機能すればよいなと考えています。体系化された様々なOOH事例は、広告用途に留まらず様々な表現に役立てられると考えています。例えば、私は趣味で3DやVR作品の制作を行なっています。これも、公共空間の表現の可能性を模索したいという活動の一環なのですが、3年ほど前に実験的に東京メトロ新宿駅プロムナードの3Dデータを作ってみました。2回目のnoteでも書いた通り、OOHは立体的な表現が必要となる媒体です。プランニングの際にも立体的にクリエイティブやオブジェクトを配置して、その見え方を検証することが必要だと考えています。そうした企画段階において、実際に掲出される空間の”デジタルツイン”があると、クリエイティブやプレゼンテーションの幅が広がるのではないかと考えました。3Dデータは基本的に1人で作っていますので、すべてのOOHメディアのデジタルツインを作ることは不可能ですが、こうした取り組みを増やすきっかけになればと思い、交通広告でも代表的なメディアである「新宿スーパープレミアムセット」の設置されている新宿駅メトロプロムナードの3Dモデルを制作しました。その他にも、駅ホームに設置されたベンチ広告(通称SW)や、オープンデータを利用して渋谷駅前スクランブル交差点も作っています。

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新宿駅メトロプロムナードの3Dモデル

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駅のホームに設置されたベンチ広告の3Dモデル

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渋谷スクランブル交差点のデジタルツインデータ(参照:3dcel

ちなみに、新宿駅メトロプロムナード(新宿スーパープレミアムセット)の3Dデータは、こちらからダウンロードすることも可能です。

 世界のOOH市場で活躍されている現王園さんのnoteでも、「海外の媒体社の多くはモック作成用のテンプレートを公開し、誰もが自由にアイディアを創出できるようにしている」と書かれています。こうした、公共空間を使うアイデア創出の機会を増やす試みは、日本でもどんどん増えていくとよいなと思います。

さいごに

 以上、Oh! OOH!!を作ったいきさつや思いを述べてきました。私としては、「公共空間におけるデータとクリエイティブの活用」は公私を超えたテーマとしてしばらく向き合っていくことになりそうです。Oh! OOH!!に関しても、上記で述べたような役割や方向性を元に続けていくつもりです。しかしながら一個人で進めていくには様々な限界を感じているのも正直なところです。そこで以下のような形で、Oh! OOH!!を一緒に盛り上げていただけるメンバーや企業様を募集しています。

事例掲載ご希望の方
Oh! OOH!!へ掲載したいという広告事例を随時募集しています。すべてのご依頼に応えられるかわかりませんが、広告主様や広告代理店の広報ご担当の方は是非ご一報ください。

編集および執筆メンバー
趣味がOOHという方。面白い&新しいOOHの事例探しを一緒にやりませんか?Oh! OOH!!のコンテンツを共に作っていただけるメンバーも随時募集中です。

コラボレーションいただける企業様
Oh! OOH!!と連携したいという広告代理店様や媒体社様、その他事業社様も募集中です。

 この分野で12年近く関わってきた中で、微力ながらOOHの発展に貢献していきたいと思っています。この記事をご覧いただいて「Oh!」と思った方は以下より気軽にご連絡いただけますと幸いです。



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