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念願の経理職に就く

前回からのつづきです。

就職先は熱絶縁工事を主とした
会社の経理職になります。

熱絶縁工事とは、
ビルやマンションなどの冷暖房設備における
保温・保冷工事のことをいいます。

空調、衛生設備における配管、ダクト、
タンク等に断熱材と板金などの
外装材で囲み熱放散を防ぎます。

技術力が高いことから、引き合いが多く
順調に売上を上げている会社でした。

私は経理未経験でしたので、
小口現金の担当になります。

小口現金を担当することによって、
経費の精算・銀行の入手金の管理といった
経理の基礎を学べるからです。

小口現金とは、少額の支払いに備えて
現金を手元に置いておくことをいいます。

一週間の期間を設け、
その期間の最終日に経費の精算を従業員から
報告を受け領収書をみながら、
勘定科目に振り分けて仕訳し
「小口現金出納帳」に記帳。

その後支払いをして、
支出額と同じ資金を補充することをしました。

前の会社で交通費の精算を
融通してもらっていましたが、
実際に自分が担当してみて、
如何に自分中心に物事を考えていたことに
気づいた次第です。

小口現金と並行して、
売上・仕入の管理を行いました。

売上の計上は、請求書を発行したと同時に
振替伝票にて仕訳をします。

請求書を発行していない場合は、
現金が入金された時点で売り上げとして計上。

仕入は、取引先からの請求書をもとに、
仕訳をします。

それから、月の支払いを算出するための
表を作成します。

今であれば、パソコン会計が支流なので、
クリックひとつで簡単に集計ができますが
当時は、すべて手書きでしたので、
この作業に時間が掛かっていました。

仕事はこれだけをやっているわけでは
ありませので、どうしても時間内に仕事が
終わらず残業になってしまいます。

残業代は支給されましたが、
度々続くと自己管理ができないと判断され
「パートでも事足りる仕事がおぼつかない
ようでは話にならない。わざわざ男性社員を
採用した意味がない」と上司に言われます。

この上司は面接をした方なのですが、
年配のため私を後継者として考えていました。

基本的な経理の流れを掴んで、
銀行から融資の交渉といった
資金繰りを担当し、社長の懐刀として活躍を
期待していました。

しかし実際には、その期待とは
裏腹な状況のため、上司からすれば、
簿記2級を持っていれば未経験でもすぐに
即戦力となって会社に貢献できると考えて
いたのだと思います。

ここで、双方の思いが噛み合わなくなります。

私の考えが甘いのですが、未経験を考慮して
長い目で育てていくのだと思っていました。

しばらくして、その上司から遠回しに
自己退職するよう勧められてきました。

ようやく仕事が覚えてきたところだったので
くやしかったのですが、相性の悪い上司と
仕事を続けていても仕方がないと判断し
退職をします。
               (つづく)

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