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就職氷河期における転職活動②

前回からのつづきです。

新宿の京王プラザホテルのラウンジにて
先生と会いました。

お願い事をするのに手ぶらというわけには
いかないので菓子折りを用意。

簡単な挨拶を済ませて、
早速話の本題に移ります。

先生は現在、大学で非常勤講師をしている
とのことでした。

「大学生も就職活動に苦労している」
と釘を刺されます。

そこで希望している事務系ではないが
SE(システムエンジニア)の仕事はどうかと
持ち掛けられます。

紹介先は、先生の教え子が起業した
会社ということでした。

ちょうど『IT』という言葉をよく耳にした
時期であることから興味を惹きます。

しかし、それと同時に不安もありました。

プログラミングなんていわれても
全くわからないズブの素人。

いくら研修制度を設けているといっても、
中小・零細企業の場合、ガッツリと研修を
やるというわけではなく、即実践で
やりながら覚えていくというのが
ほとんどです。

かつて、未経験の状態から仕事に就いて
自分の能力や専門知識とはかけ離れた職場で
結果を出すことが出来ず解雇に追い込まれた
苦い経験があります。

この場で決断するのは難しいことから
検討するということで、一旦回答を
保留にします。

家に帰って、もう一度頭を整理して考えます。

先生の話し振りだと、SEの仕事を詳しく把握
していない状況でした。

なので、先生の話を鵜呑みにしてしまうと、
また3か月かそこらで会社を辞める羽目に
なってしまうという恐れがありました。

それだけはどうしても避けたかった。

翌日、丁重に断りの電話を入れます。

これで、当てにしていた就職先も
なくなりました。

ここで「頭を下げて会社に戻ろうか」
という思いが頭をかすめます。

受け入れてくれるとは思いますが
戻ったら最後、会社と心中する
覚悟でないと難しいと我に返ります。

この時点ですでに3か月が過ぎていました。

かつての職場の人達と集まる機会があり
誰もが苦戦を強いられている中、
新たな職場が見つかり働きだす人もいて
気持ちも焦ってきます。

事務系の仕事を探し続けても、
一向に出口が見えない状況。

このまま続けてもらちが明かないので、
職種の幅を広げることにします。

前職の仕事でも携わっていた商品管理と
車の運転には自信があったので、
配送も視野に入れて探すことにします。

              (つづく)


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