好きな画家 青木繁 -2020.01.19-
長谷川等伯に続き勢いついでに第二弾。
まずはこの絵を見ていただきたい。
青木繁 「海の幸」
教科書にも載っているので見覚えのある方も多いと思う。
私はこの絵がたまらなく好きだ。
存命中は大きな名声を得ることもなく28歳で早世した青木繁の絵だ。
私が中学か高校の頃、彼の生涯をドラマ化した番組を見た。青木を、まだ若き米倉 斉加年が演じていて米倉のワイルドな顔がドラマの役柄に合っていると思った。
ドラマでは、胸を患っていた青木が、砂浜で血を吐きながら板のような画材に叩きつけるように、この絵を描いていたのが印象的だったが実際には違うようである。
「海の幸」は彼の代表作だが、実は繊細な絵を描く。
青木繁 「わだつみのいろこの宮」
この絵は、今の日展の前身の展覧会に青木が満を持して発表した。が、結果は散々であった。
先のコラムに書いた長谷川等伯と同じく青木繁もかなり野心家で、性格も激しかったようである。ただ青木の場合は生きてる時に結局は世に認められることもなく放浪の旅の途中で世を去った。
青木繁 「朝日」
この絵が最後の絵、絶筆となる。
題名は朝日だが、夕日のように見える、といわれる作品である。
明治中期、西洋画を極めそれで身を興していこうという意思もむなしく早世したが死後にこのように評価を与えられるとは本人にとってどれほど悔しいことか。
だが時をへて光が差してくるこのような作品を残してくれたことに感謝したい。
冒頭の作品の「海の幸」は粗いタッチだが、圧倒的なデッサン力で漁民の力強さが生き生きと表現されている。漁民たちの満足感と足取りの確かさ。いつまでも見ていて飽きない。
補足:「海の幸」中央より少し右側に一人こちらを向いている顔がある。結婚はしなかったが青木の生涯の伴侶といわれる福田タネがモデルだといわれる。青木繁の生涯もまた興味深い。
主な出展:Wikipedia 青木繁
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