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「ブラック企業」を生み出しているのは私たちかもしれない

読書ノート「投資家が「お金」よりも大切にしていること」藤野英人さん

ステキなお金の使い方とは?、良い会社とは?、投資とは?、を考えるきっかけになった。以下、気づきと、今後の行動指針にしようと思った点をメモ。

【気づき】

▶経済は互恵関係

・「自他不二(大乗仏教)」=自分と他人を二つに分けて考えることはできない。生産活動や消費活動を通して、誰かを支え、誰かに支えられていて、全てはつながっている。部分最適は長く続かない。
・自分の喜びは他人の喜びにつながり、他人の幸福は自分の幸福につながる。
・反対に醜悪な考え方は、「自他分離」(=自分の家族や会社さえよければ他人のことは関係ない)、というもの。

▶誰がブラック企業を生み出しているのか?

・日本は構造的なデフレ。デフレが続く限り、消費者の平均年収は下がり続ける。
・消費者はより安い物を望んでおり、企業はそれに応えるため、以下のような値下げのための経営努力を行っている。
  (1)ビジネスモデルを工夫する → ◯
  (2)原価を下げる → △
  (3)従業員へ長時間労働をお願いする → ✕
  (4)従業員の賃金を引き下げる → ✕
  (5)従業員の数を減らす → ✕
・私たちが求めるからこそ、企業はそれに応えようと頑張るのであり、その逆はない。
・従業員に過重労働を強いる「ブラック企業」を生み出しているのは、実は私たち消費者ではないか。

▶みんなの幸せに貢献するには?

・「良い消費者」になること。
・消費者からも積極的に「ありがとう」と言おう!
・経済という観点では、生産者も消費者も対等な立場なはずだが、一部の消費者が王様のように威張ってモンスター化している。
・店員に対して威圧的な態度をとる人は、同僚や恋人や友人に対しても威圧的な態度をとる。人に上下関係を持ち出す人は、すべての人間関係を上下で考えている可能性が高い。
・「ありがとう」と言えば「ありがとう」で返ってくる、怒りは怒りで返ってくる、それを止めるのも広めるのも私たち次第。

▶ステキなお金の使い方とは?

・自分がステキだと思ったこと(もの)にお金を使う行為は、そのステキな商品やサービスを提供してくれている会社やそこの従業員たちを応援する行為。
・世の中は、みんなが使ったお金で成り立っている。消費をすることは、大げさではなく、社会を「創造すること」でもある。
・イタリア人はコーヒーを良く飲むが、イタリアは独自のバール文化が根付いているので、スタバが1つもない。(2018年に1店進出。)
・最もステキじゃないお金の使い方は、孤独を埋めるための商品やサービスにお金を使ってしまうこと。
・孤独を埋めるための商品やサービスが売れるからといって、孤独を煽ってしまえば、結果としてみんなの孤独感が増幅していき、孤独な人がさらに増えていく。

▶真面目な会社とは?

・真面目の語源・・・「柳は緑、花は紅、真面目(しんめんもく)」
  →柳には緑、花には花の色があり、それぞれ個性を発揮している
  →真面目=それぞれ個性を発揮している
・会社Company・・・「仲間」。株式Share・・・「分け与える」
  協力することでCompanyになり、今持っている資源を他者とShareすることは、動物には絶対できない人間独自のもの。
・会社は多様な人間の集合体で、それぞれが人間らしさを発揮できる場所であるべき。
・株主総会で話し合うべきことは「会社はどうあるべきか」「お客さんとどう向き合うべきか」「従業員とどういう関係を築くべきか」ということ。年間の経常利益や来年度の事業計画の話などに終始して、本質的なことについて何も触れないのは、真面目な態度ではない。
・「私たちの会社とはどういうものか」を考えずに、利益だけを追求しようとしている経営者や従業員が増えている。「会社はどうあるべきか」を議論することをカッコ悪いことだと思う風潮があるのではないか。

▶ミッション・オリエンテッド(使命志向)の経営が長期的には成長する

・筆者が見たビル・ゲイツは、プレゼンで未来の話しかしなかった。
  10年後の社会はこうなっている、たとえば、・・・、マイクロソフトはそういう豊かな社会の実現のために存在している。
・会社の商品やサービスは、ミッションやビジョンを実現するためのもの。
・プロダクトがいかに優れているかではなく、どのように「あるべき未来」を実現していくかが重要。
・自分のことではなく、お客さんと従業員のことを真剣に考える、真面目な会社や経営者が増えてほしい。

▶投資とは?

・筆者の投資の定義:「いまこの瞬間にエネルギーを投下して、未来からのお返しをいただくこと」
 やり取りするのは、エネルギーとお返しであって、お金はその中の一部。
・筆者の投資の目的:「世の中を良くして、明るい未来をつくること」
 未来が明るくなれば、自分自身もよりよい人生を送れるようになる。
 消費をすることや選挙で一票を投じるのも、広い意味で投資と言える。

◆エネルギー=(1)情熱×(2)行動×(3)時間×(4)回数×(5)智恵×(6)体力×(7)お金×(8)運

 「(8)運」・・・運が理解できると、勝っても傲慢にならず、負けても腐らないマインドが持てるようになる。
 逆に運に対する考えがないと、努力して失敗したときに大きな失望感を抱いたり、自分が成功して他者が失敗したときに「努力が足りないからだ」と短絡的に断定したりする。

◆お返し=(1)プロダクト(モノやサービス)×(2)感謝×(3)成長×(4)経験×(5)お金

【行動指針】

▶良い消費者になる!

 (1)積極的に「ありがとう」と言う。

 (2)自分がステキだと思ったことにお金を使う。

 (3)孤独を埋めるための商品・サービスを選ばない。

▶ひふみ投信に積み立て口座を開設する!


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