見出し画像

中国のライブコマース事情を知ろう

ライブコマースとは、LIVE配信+ECコマースのことで、2012年前後から中国で利用されはじめました。現在、5Gの普及と共に、ショート動画APPの配信クオリティーと仕組みが一層向上したこともライブコマースが注目されている理由の一つです。

2020年、天猫618(淘宝網6月1日〜20日までの販促イベント)では、ライブコマースの売り上げが6,982億元(約11兆円)となり、単なる販促イベントではなく、11.11/12.12と共に、中国国民のオンラインフェスティバルになっています。

では、確かな実績を残し、また確実な市場となった中国のライブコマース最新事情を皆様にご紹介できればと思います。

1.ライブコマース=テレビショッピング?

一般的なネットショッピング、テレビショッピングと異なり、タイムリーにコミュニケーションをとれるのがポイントです。その場で疑問を解消でき、視聴者の試食、試着要求に素早く対応できることから商品の認知向上と販促に適しています。

2.ライブコマースは淘宝(タオバオ)だけ?

冒頭で紹介させて頂いたように、2020年の中国大手ECサイト「淘宝(タオバオ)」でのライブコマースでは売り上げが11兆円超で、まさに中国ライブコマース市場の筆頭です。しかし、ライブコマースは決してタオバオだけではありません。

今では「京東(JD.com)」、「拼多多(Pinduoduo)」等の大手ECサイトから「TikTok(抖音)」、「快手(Kwai)」などのショート動画APPまで「ライブコマース」の連携に取り込み始めています。

3.ライブコマースはインフルエンサーだけのもの?

ライブコマースではある程度知名度が高く、影響力のあるインフルエンサーがライブを進行するイメージがあると思いますが、現在では大きく4つのタイプに分かれます。

一つはインフルエンサー(KOL)中心のライブコマース。
インフルエンサーは自分の認知度を活かし、ライブコマース上で自然なビューを獲得でき、商品のPRと販促に最も役立ちます。

もう一つは、有名人(俳優、女優など)で行うライブコマース。
中国では、ライブコマースはインフルエンサーだけのものでなくなり、有名人ライブコマースもトレンドになってます。昔インターネットやテレビでしか見られなかった有名人が手元の淘宝APPに現れることで億単位のビューが集まります。例えば人気MC「李湘」が商品の利点を老若男女にわかりやすく説明しているものや、女優「刘涛」が自分の好感度を武器に商品を宣伝をすることで商品自体の信頼性が高まったりします。

画像1

他にも放送主(店舗自身)本人によるライブコマースがあります。
つまり、ライブコマース上で活躍する一般人と言えます。店舗の従業員によるライブ配信を行い、タオバオライブコマースの流通総額の7割を占めると言われています。通常、インフルエンサーに依託する際、放送時間、商品、PR文言と価格等の制限が厳しい為、商品の利点を「自由」に紹介したい、という目的を持つ企業は自社ライブコマースを積極的に活用しています。

最後はCEOライブコマースです。
2020年から、ライブコマース上にこれまでと全く違う風景が登場しました。それは著名企業のCEO自身がライブコマースに出演し、消費者と直接コミュニケーションする、というものです。家電メーカー「GREE格力」CEO董明珠が5回放送に出演し売り上げ178億元を、「NETEASY網易」 CEO丁磊も「快手(Kwai)」に出演し、売り上げ7,000万元を達成しています。

画像2

企業と商品を最も知り尽くしてるCEO自身が商品を紹介することで、消費者の期待感と好奇心が増進し、自然とライブコマースのPVや売り上げに貢献しています。CEO自身から発信される圧倒的信頼感とキャンペーンの自由度もCEOライブコマースが成功している要因です。

4.中国で注目されてるライブコマースインフルエンサー?

2019年の統計データによると、中国消費者のライブコマース閲覧回数は週に4.3回、閲覧理由としては「好きなインフルエンサーが出演」が46%となっています。中国人にとってインフルエンサーのライブコマースを見るのはもはや習慣化しているとも言えます。以下で影響力の高いTOPインフルエンサーを2名紹介させていただきます。

画像3

李佳琦(リージァチー) 29歳

別名「口紅第一人者」。中国で有名なインフルエンサーで、淘宝フォロワー数が約2,860万人(2020年7月23日までのデータ)です。元々メイクに興味あり、過去にはビューティーアドバイザーとしての経歴を持つ彼は2016年のライブコマース大会で一位を獲得し、ライブコマースの仕事を正式に開始しました。

2020年の618イベントで、李佳琦がトータル15回の放送で、PV数2,000万、毎回の平均売り上げ1億元という結果を達成しました。一般ライブコマースを実施したと同時に、中国国家放送局(CCTV)とコラボし、「武漢経済再起」企画にも参加。人気、実績、信憑性においてはNO1と言っても過言ではないTOPランクのインフルエンサーです。

画像4

薇娅(ウェイヤー)35歳

薇娅は元ヒップホップグループT.H.Pに所属し、メインボーカルを担当。タレントだが、2016から淘宝と契約し、淘宝放送主として4ヶ月後売り上げ1億元を達成。

2018から薇娅がCSRライブコマースに尽力し、経済低迷地域の農産品を紹介した結果、トータル売り上げが3億元を超えました。2019年薇娅が故郷安徽のEC大会に参加し、故郷の経済にも助力しました。2020年618の期間、薇娅がトータルで20回放送し、売り上げは17億元に達しました。

この二人のライブコマースは販促PRだけにとどまらず、社会にも大きな貢献を果たしています。

5.まとめ

2012から現在に至るまで、ライブコマースの形式とプラットフォームが多様化し、出演者と視聴者の価値観や使用習慣も共に進化し続けています。EC市場の拡大によって、ライブコマースは既に日本企業の皆様にも必須なマーケティング施策となっています。

ライブコマースを通じて、出演者と視聴者の間に、信頼関係を築くことができれば、ブランディングや商品訴求もスムーズにでき、購買にも繋げやすくなります。

弊社KEMBOの経験値からライブコマースを試してみたい、という企業様には、「放送主(企業店舗)によるライブコマース」を推奨します。放送内容と予算のコントロールによって、ライブコマースの可能性を探るには一番の選択肢になるではないかと考えております。その他、ご要望等あれば弊社HPよりいつでもお問い合わせくださいませ。

ライター:靳鴻雁(ジン・ホンヤェン)
お問い合わせ:info@kembo-net.com

KEMBOでは中国におけるWEBプロモーション、WEBサイト制作、
デジタル広告運営、SNS運用まで幅広くサービス展開しております。
詳細は以下よりご覧ください!

■KEMBO 成果をもたらすデジタルマーケティング
http://blog.kembo-jp.com/wp-content/KEMBO_DM.pdf

■KEMBOホームページ
http://kembo-net.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?