見出し画像

蜘蛛とわたし。

久々に39度の発熱があり、
ついにコロナに感染してしまった。
原因は心当たりがあり、小学生と関わる仕事をしていた時に体調が悪い子と接触したので、やっぱりかと。
ただの風邪ではなかった。
喉の痛みから始まり、全身にぞくぞくと悪寒が走った。深夜に頭痛も酷くなり、39.2度になった所で耐えきれず、手持ちの頓服を服薬した。

こういう時、身の危険が迫った時に一人暮らしの心細さを感じる。でもこういうことを言うと母が結婚について色々言ってくるので、意地でも実家には帰らなかった(食料だけは甘えさせてもらった)。
あと普段からしつこい父も、病気の時に近くにいるとイライラして病状が悪化しそうになるので、
心細さはあるが、やはりこの静けさは有り難い。
家族と距離を保てて、干渉されないのは、この一人暮らしのいい面でもある。

部屋にいるのは、先週から滞在している蜘蛛一匹とわたしだけである。
この蜘蛛は、窓を開けてやっても中々部屋から出て行かず、
ある日には、早朝私が仕事に出る時、電気のスイッチを引こうと上を見たら、
すーーーっと天井から糸を垂らして、ぶら下がっておいでだった。
可愛くて思わず笑ってしまったが、蜘蛛が嫌いな人が見たら叫んでしまうと思う。

仕事から帰宅すると、もう天井にはその姿はなく、正に神出鬼没である。
やっとコロナが治りかけ、自宅待機でしばらく外に出ないから退屈に感じていると、
あの蜘蛛がテーブルの周りでピョンピョン元気に跳ねていた。元気でいいねお前は、と思いつつ、この塞いだ気持ちをどーにかしたいと、禁断のウーバーイーツを注文してしまった。

秋の気配がして、急に空気がひんやりして、そこにコロナで弱った私と、コロナだけじゃないこの鬱屈とした気持ち(この季節に亡くした人の事とか、もう戻ってこない人の事とか)を考えて、
どうにもならない事ばかり考えて…。

貧乏生活には禁忌のウーバーで頼んだ、スタバのシトラスティーをちびちび飲んだ(こういう時位ゆるしてほしい)。

とても美味しかった。
この味は昔、祖母が甘夏を収穫して作ってくれた、ジャムティー(ロシアンティー?)にそっくりだった。

勝手に滞在蜘蛛をスパイダーマンと思っていたが、
スパイダーグランマだったのかと
また止まらない妄想がはじまる、秋の夕べであった。


※写真は十五夜の満月に伸びる、ベランダのきゅうりちゃんです😹


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?