003_習慣にモチベーションはいらない

習慣をモチベーションだけに頼らない

 私はリンクアンドモチベーショングループで創業期から働いています。リンクアンドモチベーションとは、モチベーションというテーマで組織や個人をより良くするお手伝いをしようという会社です。表題のような事をいうと、社内検閲にかかってしまうかもしれませんが、、、大切なので皆さんにお伝えしたいと思います。


 小学生の頃、通信教育を始めたことがあります。私のリサーチによると日本中の相当数の子供がその教材を使ったと思います。マンガのダイレクトメールが定期的に家に届きます。そのマンガの中身は、スポーツも出来ない、勉強もできない、ダメダメな男の子が、その通信教育に取り組んだら、勉強ができて、スポーツも自信がわいて、友達も増えたというストーリーです。

 覚えがある人も多いと思います。小学生心に火がつき、これを始めたい!と親におねだりをしました。勉強したいと言って拒否する親は少ないものです。その教材が届いた日は、眼の色を変えて取り組みます。1日に取り組む分量は決まっているのですが、一気に取り掛かり、あっという間に終えてしまったのを覚えています。しかし、それが続くのは、3回目まで。それ以降は、中に入っている付録のグッズで遊ぶようになり、しまいには教材の箱を開けることもなく積みあがっていくだけでした。親からの指摘を受け、解約に至り、ちょっとホッとしたのを覚えています。中学生になり、同じ会社からマンガのDMが届きました。今度はモテない男の子が、モテるようになっていました。そして、中学生心に火がつき、ねだり、取り組み、解約する。という同じプロセスをたどりました。

 当然「やる気あるの!?」と怒られます。「やる気」。モチベーションです。何か成し遂げたいと思う気持ちです。そう言われる度に思う事がありました。「やる気はあるのです。でも続かないのです。。」その時の私は分かっていなかったのです。モチベーションは消費されるものであるという事を。学びと言うのはマラソンのようなもので、地道にこつこつやっていかないとすぐに息切れしてしまいます。しかし、当時の私は、芸能人マラソンで良く見るような、いきなりスタートダッシュをきって目立とうとする初心者ランナーだったのです。結果として息切れして歩けなくなってしまったのです。モチベーションが消費されてしまったのです。
 

 「やる気」は大切です。でも習慣とは若干相性が悪いのです。先ほどの例でいうならば、1日1章、いや1日1問解くだけでよかったのです。一気にやらない。そうすれば、さほど「やる気」=モチベーションは使わないので続きます。いわゆる「小さな習慣」です。小さな習慣のメリットは、やる気を使わずに開始できる事です。さらに、ひとたび開始すると、なぜか、1問で終わらないのです。せっかく始めたのだから、もうちょっとやろう。という「やる気」が沸いてきます。モチベーションが後から付いてくるのです。モチベーションのみに頼る習慣は、挫折します。逆に習慣はモチベーションに頼られる存在なのです。

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