「充電させてください」と家を訪ねてきた高1の女の子を保護した話
こんにちは!
株式会社ホロックスの社長、鷲尾です。
note初投稿になるのですが、起業やビジネスとは全く関係のない話をします。
実は昨日、高校1年の家で少女を家で保護しました。
始まりは一つのチャイムから
今一人暮らししてる埼玉の家で、WBSを見ている時でした。
「ピンポン」と家のチャイムが鳴りました。
はい!と答えても応答がなく、外人の宅配員か何かだと思いドアを開けました。
すると、そこには寒さで震えながら俯いている少女が立ってました。
事実を聞くと、どうやら家出して携帯の充電が切れてしまい、充電させて欲しいと言って来たので、外は結構な雨でしかも寒いこともあり、とりあえ家に入れました。
事実を聞くと、どうやら児童養護施設が嫌でそこから逃げてきたようでした。
「これからどうするつもりだ?」と尋ねると、ネットで知り合った男の人のところに行くと言っていて、それはまずいと思い、とりあえず話を聞いてみることにしました。
とりあえず事実を聞いていくと、自殺をほのめかすような発言がちらほらあったので、このままではまずいと思い、高校の頃の担任の先生に電話しました。
なぜ高校の頃の担任かというと、餅は餅屋にというように、高校生相手のメンタルケアに慣れてると思ったからです。
そこで、その家出少女と高校時代の担任とを電話で繋げ、メンタルケアしてもらいました。
話が進む中で見えてきた壮絶な過去
その家出少女と高校の担任との会話を聞く中で、その子が背負っている壮絶な過去の実像が明らかになってきました。
どうやらその子は幼い頃から母親と母親の愛人から、虐待をうせていたらしい。
児童養護施設の担当者から言葉によるいじめを受けて、一度逃げ出した経験がある。
その経験から、今警察や児童養護施設に捕まったら、鑑別所に送られると思っている。
などと言った、今までぬくぬくと育ってきた私では想像もできないような思い過去を抱えていました。
「私なんか生きてても意味ない。もう死んでもいい」
そう簡単に言い放ってしまう姿が、とても印象に残っています。
養護教諭を目指している友達によるメンタルケア
その高校時代の担任の先生は、「こっちでも対応を探る」とおっしゃって、一度電話を切りました。
その後、どうしようかと迷いましたが、とりあえず、その子の気持ちを晴れさせたいという思いから、大学でメンタルケアを学んでいる友達と電話で繋げました。
そこでさらなる詳細な過去が明らかになって来ます。
その子はどうやら全く大人という存在自体を信じることができなくなってるしまっているようでした。
まず、どうやら幼い頃より母親と、その母親の愛人からありとあらゆる虐待を受けていたようです。
愛人もどうやら1人ではなく、男の出入りの激しい家だったと言っていました。
4大虐待(身体的虐待・性的虐待・ネグレスト・心理的虐待)の全てを幼い頃から経験しているらしく、その経験を淡々と語る彼女の顔に感情はありませんでした。
また、母親は彼女をどうやら捨てたらしく、区役所の前にいきなり車で連れて行かれて、そこで降ろされてそのまま母親は去っていったそうです。
その後預けられた施設においても、言葉による虐待を受けていたようで、「お前は普通じゃない」とか、「私があなたの世話をするのは仕事だから」といった、心ない言葉を浴びせてくる職員がいたようです。
そう言ったバックグラウンドをどんどん聞いていくうちに、彼女がなんで施設から逃げたのかが見えてきました。
まず、彼女は全く大人のことを信用できていません。
それはおそらく、今まで彼女は何人かの大人から虐待を受けていたからだと思います。
また、裏切られるのが怖くて全く心を開けていません。
中学か小学校の頃にいじめを受けていたらしく、その経験のせいで、児童養護施設でも裏切りを恐れるあまり友達を作ることができていないようです。
ただ、今通っている高校に、1人だけ似たような境遇の子がおり、その子に対してだけは心を開けているようで、少し安心しました。
おそらくそう言った経験から、自分自身が社会から追い出されている存在だと、社会的に要らない存在だと勘違いしてしまい、児童養護施設から逃げ出したというよりは社会から逃げ出したと言った方が正しいのだと私は思います。
事実、彼女は今の施設の環境は自分なんかには勿体ないと言っていました。
また、自分なんか生きてても何もいいことはない、明るい未来なんてないと諦めきっていました。
ついに警察に通報。その結果とても後悔することに
その後、もう夜遅かったので一度電話を切り、その子を寝かせました。
実際ずっと警察に通報しようと思ってたのですが、今まで警察に通報しなかったのには理由があります。
それは、彼女が警察を極端に嫌がっていたからです。
それでも普通は通報するべきですが、通報した場合、もしかしたら鑑別所に入れられて辛い生活を歩むことになる可能性があると思うと、その場ですぐに通報する気にはなれませんでした。
しかし、埼玉県の虐待相談ダイヤルに電話して相談した結果、誘拐の罪に私が問われる可能性があると言われて、彼女が寝ている間に最寄りの交番に行って事実を話しました。
私はこの時忘れていたのですが、実は最初彼女にこんなことを言ってしまっていました。
「警察には通報するかもしれない。でも、通報するときは事前に絶対あなたを説得する」
しかしこの時は、彼女が寝ていたことや相談ダイヤルの人に、「一刻も早く通報しないとあなたに嫌疑がかかる」と言われたこともあり、彼女に何も言わず交番に行ってしまいました。
その結果、彼女にこんなことを言われました。
「通報するのはいい。でもなんで通報する前に一言言ってくれなかったのか?」
そのセリフを言われた習慣、とてつもなくやってしまったという感情が湧き上がってきました。
彼女は今まで大人から虐げられ、友達から裏切られ続けて来た。
だから、誰も信用できなくなり社会から逃げ出し社会を恨む羽目になってしまった。
そんな彼女をいくらまだ20歳とはいえ、大人である私がまた裏切ってしまった。
こんな感情がひしひしと身に染みてきました。
その子は、優しい婦警の方に付き添われながら、浦和警察署の方に連行されて行きました。
彼女の足取りは重く、なにかを完全に諦めてしまった目をしていました。
なぜ、一言「やっぱり警察に言った方がいい。絶対悪いようにはならないから。」と事前に言うことができなかったのか、今でも後悔しています。
さいごに
彼女のように、本当に環境のせいで、どうにもならなくなっている人はおそらく世の中にたくさんいます。
私は自分がいかに恵まれた環境の中で、起業家という夢を追えているか、改めて実感しました。
おそらく私の身の回りにいる人の大部分は、行動できる環境にあると思います。
そのくせ、行動せず、結果を出さずに偉そうに価値観やビジョンを語る意識だけ高い系も、私の周りにはたくさんいます。
そういう奴らに限って、他人に偉そうに自分の価値観やビジョンを押し付けるものです。
私もまだ何も結果を残せてません。
だから私も偉そうな意識だけ高い系です。
早く結果を残して、偉そうな意識だけ高い系の括りから抜け出したいと思いました。
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