J3昇格へ

選手たち、本当に頑張ってくれた。
とてつもないプレッシャーだったろう。
よく乗り越えて、たどり着いてくれた。

10年前、東日本大震災が発生して、大勢の人たちが旅立っていった。
知人も行方不明となった。
10年が経って「いわきにJクラブが生まれたよ」って伝えたら、どんな顔で微笑むだろう。4年前に亡くなってしまった先輩は、どんな顔で悔しがるだろう。

昇格を決めて、最前列の太鼓前から後ろを振り返った時、あふれる笑顔、泣き顔、色んな顔が見えた。生きているからこそ、人は様々な感情を持てる。

いわきFCというサッカークラブが誕生し、地域の小さな光になりつつある。あの日旅立っていった人々が見たくても見られなかった光景を見て、生きたくても生きられなかった日々を、自分たちは生きている。今日の光景は心から「一番見せたかった」と思う景色だった。本当に、見せたかった。

あの日旅立っていった仲間たちが心底悔しがるような日常を、いわきFCとともに紡いでいこう。