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外国人選手との絆①

 前回、外国人とのコミュニケーションについて書きましたが、外国人選手とのエピソードをもっと聞かせてほしいというリクエストがありました。

数回に渡り、一緒に過ごした外国人選手のうち何人かを紹介します。同時に面白いエピソードがあればご紹介できたらと考えています。

C・マーチン選手(通称:ドク)

 前回ご紹介した通り、M下電器の黄金時代を築いた選手です。

普段は温厚で、とってもいい人。
私の車を洗ってくれたり、アメリカのお菓子をくれたりしました。

 当時は、外国人選手も一般社員として雇用されていました。一通り日本語研修を受け、日本人選手と同じ様に、それぞれ職場に配属されていたんです。

特に彼は、社歌も歌えるほどで、会社でも人気者でした。

同じプールで泳ぐ意味

彼との思い出深いエピソードは、2つあります。

1つは、ある夏の日の思い出です。
リフレッシュを兼ねて、プールで水球をしていました。しかし、ドクだけ泳がず立ち尽くしているのです。

私は、「ドク!一緒にやろう!」と、声をかけました。彼は、
アメリカではプールに入ったことがない。ましてや、黒人以外と同じプールに入ったのは、日本に来てからだよ。」と笑ったんです。

〝しまった〟と思いました。
彼はアメリカ南部の田舎町出身です。アメリカでは、多少なりとも人種差別にあっていたんだろうと想像できました。

その日から、少し「人種差別」について意識、配慮するようになりました。

バスケットボールの音

2つ目は、北海道合宿での一コマです。

ドクが、ひざの痛みがあると言うので、別メニューとして、トレーニング室でバイクを漕いでいた時のことです。

部屋には2人しかいませんでした。

ドクが、「目をつぶってみて」と言いだしました。目をつぶると、彼は、静かに喋り出しました。
あのバッシュの〝キュキュ〟って言う音、ドリブルの音、あのバスケットボールの音、バスケットボールの匂いが大好きなんだ。」

「ドクは心からバスケットボールが好きなんだなぁ。」「日本の温泉も好きだヨ」
そんな会話だったと思います。

 何か、映画のワンシーンのようなジーンとくる瞬間でした。

心からバスケットボールを愛する

 心からバスケットボールを愛し、いつも全力でプレーする姿勢。まさにMVPにふさわしい選手だったと思います。

彼との出会いに本当に感謝しています。

 次回は、同期入社のG•プウオウ氏です。
彼は入社した当時は、「最も無名の助っ人」「最も安い外国人選手」と言われていました。

しかし、そんな評判を跳ね飛ばし、優勝の立役者にまで成長した選手です。

次回もお楽しみに!

#社歌も歌える外国人選手 #バスケットの音 #バスケットの匂い #日本リーグMVP


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