見出し画像

ずっと昔、意味もなく好きだったことは、どれだけ時が経ったとしてもやっぱり好きなのだ。

人生を振り返ると、誰にでも大なり小なりあるのではないだろうか?

役に立つか、立たないかは別として、
上手か、下手かは別として、

-ついつい時間を忘れて没頭してしまうこと-


昨年、日本に一時帰国した時に、実家を大掃除。出てくる出てくる、わたくしの若かりし頃の暇つぶしの数々。

まだ私が可愛らしかった中学生時代。いかに授業を聞いていない生徒だったのかを今更ながら思い知る。

授業中に没頭した”切り絵”。

画像1

画像2

画像3

[授業中に生み出された作品たち]


これ、全て “あぶらとり紙”をカッターで切ったもの。

私が通っていたのは女子校だったこともあり、中学生にして早々とお化粧なんかに興味を持ち始めた。そんなアタシタチの必需品、あぶらとり紙。いつだってポーチの中にスタンバイしていた。

とにかく授業がつまらなかったので、世界史やら化学などの分厚い教科書たちは、この薄いあぶらとり紙を切り刻むのに最適な下敷きと化した。

教科書はもちろんカッターによりズッタズタとなり見る影もありませんでしたが、作品はなかなか美しくできています。

不思議なことに、授業中にしか制作意欲がわかなかったので、制作は学校のみ。
全く授業は聞いてなかったんだろうな。(そのあたりは、どうだったのか全く覚えていませんが、無理だろうと想像できる)

よく卒業できたな。
今なら、いろんな意味で怖くてできません。
でも、いつも皆から褒められたので、嬉しかった良い思い出。



更に、高校生、大学生の頃になると、テストの裏にはお花畑やら、模様のオンパレード。

テストの表に書かなかっだけ、偉い。

画像5

[テスト中に描いた模様。後でつなげたら、素敵な壁紙のような模様となりました]


こんな具合だったので、大学卒業後は、カーテンや壁紙の会社への就職も思いつかなくはなかった。
が、、社会は甘くない。
希望した会社は筆記試験で全て落ちてしまった。

合格したのは、漢方系の製薬会社。
はて。人生は思いもよらないところへゆくものだ。

画像5

[落書きの数々]



勤務先は関西。一人暮らしとなった。
実家でぬくぬくと生きてきた私に、いきなり一人暮らしに会社勤め。営業まわりの日々。
なかなかのストレス。
そんなストレスを発散するために、”落書き”が再発。

しかし、書き出したら時間を忘れて没頭するので、気がついたら朝になっていたりする。余計に疲れる悪循環となってしまった。

画像6

[サボテンからイメージした落書き]


ストレス発散になっているのかいないのか、よく分からないのに加えて、気まぐれすぎる私の脳内。
時間がかかりすぎると飽きてしまうので、一つの作品として完成しているものが少ない。



その後、2度の転職、タンゴを踊り始めると、みるみるタンゴに溺れ、仕事以外はタンゴ一色の生活。
落書きは再び忘却の淵へと沈んでいった。


そして、現在。

アルゼンチンはロックダウン。



ロックダウン前までは、それこそ24時間、平和にタンゴに没頭。

落書きが大好きだった過去など、無かったかのよう。

しかし、
タンゴがほとんど踊れない、友人ともほとんど会うことができないこの状況の中、

ついに、思い出してしまいました。


あ、落書き、好きだった…

画像8

[頭の中のイメージを ざっと書き出す]


書き出してみたら、やっぱり止まらなくなった。


ブエノスは真冬。

ドアや窓の隙間は当たり前、床や壁も断熱効果の全くない南米のアパートは、じっとしていると、体の芯から冷える。

画像7

[身体が凍えてきてるのはわかっていても、手が止まらない]

寒すぎて指が動かなくなったら、終了の合図。
熱いシャワーを浴びて、寝ます。


ずっと長いこと忘れていたなあ。


きっと誰にでもある、
小さな頃から、意味もなく好きで没頭できちゃう些細なこと。



特にこれと言って役に立ったことはないけれど、
ずっと私の人生の隙間にいた ”落書き”


タンゴとはまた違った、
純粋に楽しい時間。


こんな時期だからこそ、
いや、こんな時期でなくても、

たのしい!って思えることは、大切な心の栄養だ。


この記事が参加している募集

読んで下さり、ありがとうございます。 サポート、とても嬉しいです。ありがとうございます。