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「宿題しなくていいよ。」と小4で先生に言われた僕が本田選手の発言に思うこと。

「分からないならちゃんと言うこと聞いて!でも言われたことだけはしないで。」

この言葉を聞いたときのことを今でも覚えている。いまは東京ヴェルディのコーチを努めている吉武博文さんの言葉だ。

吉武さんは元々中学校の先生をやっていたことや教員として海外赴任の経験もあり、サッカー界の指導者の中では少し変わった経歴を持っている人だ。お話し好きで、難しいものごとを簡単にそして熱心に教えてくれる人だ。よくみんなで食事を囲みながら、サッカーのことをよくわかっていない僕にもたくさんのことを教えてくれた。そんな彼がよくピッチ上で言っていた言葉だった。

その言葉を最初に聞いたとき、正直意味が分からなかったので僕はあるときそのまま聞き返した。「どう言う意味ですか?」と。するとこう返ってきた。「そのままの意味だよ。分からないならちゃんと言うことは聞いて。でも言われたことだけはやらないで。」なぞなぞみたいだったが、とても大切な問いかけのように感じた。それからたくさんの人とのつながりや仕事を通じて、そのなぞなぞを解き明かすヒントに出会った。いまならその言葉の意味が少し分かった気がしている。

さて、最近、本田選手のこの発言をどこかで見かけた方は多いのではないかと思う。このマガジンを読んだくださっている方は特に。また、その発言に対する武藤選手のこのコメントも同じくではないだろうか。

学校の宿題は嫌ならやらんでいいと思う。あのやってない奴があかんみたいな空気が辛すぎる。」(本田さんのTwitterより)
圭佑くんの的を得た極端な意見は好きですよ。けど子供は物事の必要性だったり自己なんてのは、色んな事を経験しながら確立させていくもので、最初から嫌なものしなくていいという考えを植え付けるのは危険だと感じました。まず、大人でも理解できない人生の宿題とやらと子供が向き合うのは厳しいかと。」(武藤さんのTwitterより)

その後も数度のやりとりがあり、最終的には本田選手がこのような発言をしていた。(これは武藤さんのコメントに対して直接リプライしたわけではないことは留意したい)

「ツイッターやり始めて3年経つけど、初めて反対される意見に感情的になったかも。全然あかんね。修業します。でも理由は教育が好きなのと、日本が好きなんかなって。」(本田さんのTwitterより)

これらのコメントを最初に見たとき、二人ともとても素晴らしい大人だなあと思った。また、きっと互いに敬意を評している関係があるのだろうと。しかしふと次の瞬間、僕の頭に小学校4年生で経験したことが浮かんだ。

「宿題しなくていいよ。」

新しい学年になった最初の登校日。担任の先生が教室に入ってきて自己紹介をみんなの前でしていた。自己紹介の最後に確かにそう言ったのだ。宿題やらなくていいと。

今日はその経験を通じて僕が学んだこと、そして本田さんと武藤さんの発言に何を思ったかを書こうと思う。

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