第三回

 今回も始まりました。役に立たない知識を役に立たないように書く、そんなわたくしのゼミでございます。今回はオタク目線で語るスイーツの話なんてどうだろうと思って、ショートケーキについて語りたいと思います。いや、おしゃれだなと思ったあなた、そんなことはないんです。歴史的にみると結構深くて面白かったりします。じゃあやっていきましょう。

ショートケーキの始まり

 時は1588年、イギリスの料理本で公開されたレシピがショートケーキのルーツといわれています。といっても、当時は今の日本で見られるようなスポンジ生地だけでなく、ビスケット生地も使用していたり、フルーツに関してもイチゴだけでなくいろいろなものを使っていたようです。その後、イギリスの植民地アメリカにわたり、パン生地やクッキー生地も使われるようになったとのこと。そして国ごとで形状が違うのも特徴です。最近のアメリカ式ではムース生地なんかも使われていたり。語義としてはショートニングを使っているからとか、ロールケーキの対義語でもあったりします。

日本式ショートケーキの誕生

 日本式ショートケーキ誕生は諸説ありまして、結構複雑です。名前はアメリカ式のショートケイクからとされているようですが、誰が開発したのかは定かではありません。大正時代に今のスタイルを紹介したのは不二家だとされていますし、一番最初に販売したのも不二家なんですが、コロンバンが開発したなど諸説あり、はっきりとはわかりません。けど日本式ショートケーキが普及するまでにはもうすこし時間がかかります。ただ、不二家創業者・藤井林右衛門は不二家開業後渡米してお菓子研究に励んだと記録されていますので、不二家説が結構強いかなと思いますね。

欧州でのショートケーキ

 実は欧州ではイチゴが載ったショートケーキをショートケーキといいません。イチゴのケーキと呼びます。イチゴが載っていれば、どんな形をしたケーキでもイチゴのケーキと呼びます。ワオ!スイーツの本場フランスでは「フランス風のスポンジケーキのフレジエ」と呼ばれるものが一番日本のショートケーキに近いです。料理名がまさにフランスって感じ。その他ドイツなどは生地がタルト生地だったりと日本風とは結構違いがあります。ケーキひとつとっても国によって全然違ってるんですね。文化~!

日本式ショートケーキの普及

 話は日本式ショートケーキに戻ります。先述の通り、日本式ショートケーキは試行錯誤の末、フランスやアメリカのケーキを日本風にアレンジしたものということになります。特に近いのはフランスのイチゴケーキですね。ただ、ホールサイズでは作られないようなので、そのへんは完全に日本風なのでしょう。というか文化そのものが違うから何ともいえん。
 日本風ショートケーキは1922年に不二家が販売を開始します。ですが、普及に至るまでは1955年まで待たねばなりません。冷蔵庫が各家庭に普及するまでに時間がかかったためですね。今となってはハレの日に、クリスマスにと欠かせない存在になったショートケーキですが、僕たちの前にあるショートケーキはあくまで日本風。いつか本場のイチゴケーキを食べてみたいものですね。


 はい、ということで今回はここまで。
 どうだ、役に立たないだろう?
 それでいいんだよ。明日から自慢げにこんな話するなよ?絶対ドン引きされるから。
 それではまた来週~!


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