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# 201_トランスレーションズ展にお越しくださったみなさまへ

出典:いよいよ開幕「トランスレーションズ展 −『わかりあえなさ』をわかりあおう」

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2020年10月16日から、21_21 DESIGN SIGHTで開催されている「トランスレーションズ展」に、我々も出展作家として参加しています。下記のテキストは、展覧会会場で、私たちの作品の横に置かれるハンドアウトの文章です。

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「トランスレーションズ展 −『わかりあえなさ』をわかりあおう」に、いらしたみなさま、この度は会場にお越しくださりありがとうございます。みなさまの目の前にあります〈FabBiotope〉という作品の作者であります、島影と申します。簡単に本作について解説をさせてください。私たちは文字を代わりに読み上げるメガネ〈OTON GLASS〉を、主に弱視者の方と協働して開発してまいりました。天吊りされております三つのメガネが、歴代の〈OTON GLASS〉であります。左からバージョン1、3、5となっています。まず、バージョン1は私の父の失読症をきっかけに誕生致しました。父が脳梗塞の後遺症で文字を読むことができなくなる失読症になり、それをきっかけに仲間と共に開発したのが、このモデルです。次に、バージョン3は金沢21世紀美術館で展示をしたモデルです。幸いにも父はリハビリの末ほぼ回復し、文字を読むことができるようになったのですが、このモデルを美術館で展示することを通じて、弱視者の方やその周りの眼科医療福祉従事者の方々と出会うきっかけとなりました。最後に、バージョン5は今まで出会った弱視者の方の中でも「つくり手である弱視者」の方々にお声がけし、彼らと協働するツールキットとして機能したモデルになります。私たちはこのバージョン5から、弱視者とエンジニアが協働して発明を実践し、生まれた知を流通させるプロジェクト〈FabBiotope〉の実践を始めます。昨年〈FabBiotope1.0〉と位置付け、弱視の建築家や全盲のプログラマーとエンジニアが協働して〈OTON GLASS〉を再発明するという試みを行いました。それを東京都美術館で発表すると共に、その会場でプロジェクトの参加者や関係者をゲストとして招き、トークを行いました。目の前で展示されております映像は、そのときの記録映像を短くまとめたものになっています。現在、本展示と連動する形でウェブ上での連載を行っています。具体的には、昨年実施したトークを全10話の映像群に編集し、それらを段階的に公開しています。また、本プロジェクトを紹介するQ&Aの文章も段階的に公開しています。それら連載を通じてプロジェクトを紹介すると共に、これから始まる〈FabBiotope2.0〉の参加者を募っていきます。ぜひご興味を持っていただけた方は、本紙にありますQRコードからウェブ上の連載に飛んでいただければと思います。それでは引き続きトランスレーションズ展をお楽しみください。

島影圭佑(代表)、岩永賢治(映像)、小林空(什器)、森屋充正(グラフィックデザイン)、〈FabBiotope1.0〉の参加者及び関係者の皆様(出演)

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Keisuke Shimakage

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