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【岡田啓佑のNY日記/12日目】2019/10/05(土)

朝3時ごろ寝て、10時ごろ起きる。
とうとう、イーストビレッジから離れる時が来た。さみしい。

ネットで見つけた1泊25ドルの格安宿に宿泊希望の連絡をした。

明日明後日はそこに泊まり、月曜から3日間泊めてくれるという親切極まりない方のところへ流れる予定だ。

そして水曜日以降は、ノープラン。
しかし水曜日以降ならずっと格安宿に泊まっても、なんとかお金が足りそうだ。surviveできそうだ。

シャワーを浴び、11時にでかける。

11時半からthe bitter endに、オープンマイクのサインアップのため並ぶ。

kavinも来た。よく会う。

並びながら、帰国したら"made in new york"というアルバムを作ろうかと考える。

今、数えてみると、NYにきてから12日で7曲作った。

帰るころにはもっとできてるだろう。

NYでレコーディングするには、今のところ機材もエンジニアのツテもないので厳しいが、ここで作った曲を日本でレコーディングしてアルバムにするというのはアリかも。

本日の会場は、the bitter end。
NYCでの12回目のパフォーマンス。

本日は2曲。

1 エノケンの紺屋高尾
2 太陽

はじめて、ニューヨークで「エノケンの紺屋高尾」をフルコーラスで演奏した。

反応はまずまずといったところ。
昨日よりは微妙な反応だったが、グランドピアノを弾けたので、よかった!

友人、ニールのパフォーマンスを観て、会場をあとにする。

帰り道に見つけたギャラリーには村上隆の作品が。

Sam Francisを教えてもらう。
余白のある絵。しかし情熱的。

「妖怪」というモチーフはいい。日本にしかない。

キースへリングの墨絵をみる。導かれたようだ。

ジャズやそのほかの音楽と同じで、歴史を体系化して知れば、自ずと自分が何をすべきか、見えてくるはず。

頭から木が生えている老人や妖怪や動物のモチーフ。落語の「頭山」を連想。そこから山村浩二を連想。

「日本的」って何なんだろう?

私は今日、着物を着て、「エノケンの紺屋高尾」を演奏した。

この曲には、ジャズと、落語と、浪曲と、キネマと、プログレの要素が詰まっている。

その中で、落語と浪曲が日本的な部分だ。

NY在住落語家の柳家東三楼さんに「エノケンの紺屋高尾」のような曲をほかに知っているか尋ねてみると、「落語家より活弁士の方が詳しいかもしれない」とのこと。

最初の語りの部分には、浪曲の要素があるとのこと。

たしかに、エノケンはあくまで浪曲師ではなく、舞台俳優であり、映画俳優だ。

舞台、すなわちレビューや、映画を進行させるための1要素として浪曲を取り入れていると捉えた方がいいのかも。

ギャラリーの名は、martin lawrence gallerieだった。

ピカソの小さな絵、ウォーホル、リキテンスタイン、Sam Francis、deyber、ダリ、キースへリング、村上隆の作品を観ることができた。

momaが休館中なのを知らずに来てしまったのだが、ここで現代アート体験ができたので良かった!

次にふらっと入ったFranklin Bowles galleries には以下の作者の作品。

pierre marie brisson でかい
Leroy neiman スケベそうなおじさん
Joan Miro かわいい
Alexander Calder かわいい
Miguel gelabert 抽象画 カクカクしてる
Eduardo arranz bravo でかい
Agusti puig ムニッと盛り上がってる
gottfried salzmann ニューヨークの街を描くひと
Larry Horowitz 油絵、風景
Pierre boncompain 油絵

次は"stricoff fine art”

Jacob dhein はだか
Paul beliveau ウォーホルのフォロワー
David kassler 写真
Micheal madigan パステル風
Laura wait モノトーン縦長
Rimi yang オリエンタル、でかい
Andrzej Michael karwacki コラージュ
Max Steven grossman 本棚の写真

shi hai chen 犬

ギャラリーをあとにし、帰る道すがら、路上の絵描きに会う。

「でかい絵を描くから、でかいキャンバスを買わなきゃいけないんだ」と私が言うと、

「そんなの買わなくていい!」と、地下鉄の地図をくれた。

たたむと、ポケットに入るくらい小さいのだが、広げると、かなり大きくなる。

彼はそれに絵を描いている。

なにやら、タダでキャンバスが手に入った。同じものを地下鉄でもうひとつもらい、2つキャンバスを入手。

夕方に帰宅し、荷造りをする。
ホストのジョージとルームメイトに礼を言い、アパートをあとにする。

行くあてがない。
ホームレスになる。

お金を使って普通の体験をするより、
お金を使わずに特別な体験をすることをとる。その方がお得。

信号と信号の間の踊り場みたいなところのベンチに座り、ピアノを設置して作曲と練習をする。青空ピアニスト。

となりのベンチにベテランのホームレス、ショーンが現れたので、ジャズスタンダードの「memories of you」とオリジナル曲「太陽」を演奏したら、彼は喜んでくれた。

「安全で暖かい場所に連れて行ってあげる」といわれ、ついていくと地下鉄のホームだった。

たしかに外よりだいぶあたたかいし、職員みたいな人が常にいるから安全だ。

地下鉄のホームでボンヤリしていたら、ホームレスを支援している方にごちそうをふるまわれて、それがニューヨークにきてから1番豪華な食事だった。神様かと思った。神様なのかもしれない。
神のご加護としか思えない。

ホームでは、若者たちがスピーカーから音楽を流して、サイファーしたり歌ったり踊ったりしている。

その場にたまたま居合わせた人たちも一緒に踊ったり、いい踊りをした人には拍手と歓声を送ったりしている。

そのエネルギーにつられて、私もストリートでもらった地下鉄の地図を広げ、そこに絵を描いた。

後日、これを例のギャラリーに持っていこう。

地下鉄のホームをマイホームにして、夜を明かす。

we are homeless but not hopeless.

#日記 #地下鉄 #ホームレス #ニューヨーク #アート

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