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歌とダンスと生演奏で目指すもの。運命的な6.29公演と、私の10年

今までにないものを伝えるのはすごく難しい。でもこれは、どうしても体験してほしい。あと3日後に迫ったコンテンポラリーダンスと生バンド、そして朗読のコラボレーションという初めての公演について書きました。

ダンサー柿崎麻莉子さんとの出会い

実はダンスのこと、まったく詳しくない私。コンテンポラリー・ダンサー柿崎麻莉子さんの存在を知ったのは、友達が教えてくれたからで、しかも踊りではなく、柿崎さんの書いた文章が先だった。常に本質をみているような、聡明で鋭くて、それでいてしなやかな人だなと、文章から感じた。コロナ禍で踊る場が失われ、ダンス、表現ができなかった時間のことについて書いていたその内容に深く共鳴した。それから彼女が出演するMVをみて、その身体が発する揺るぎない意志の力に釘付けになり、見漁った。ダンスについて何にも知らない私でも、鍛え磨き抜かれた身体と精神でなければ、こんな表現はできないとわかる。荒々しさと美しさをもった逞しい生命そのもの、生きる喜びを踊っているように見えた。

Music Video撮影で感動した、身体の発する表現のパワー

とはいえ接点もなく数ヶ月が経った頃。昨年6月リリースのEP「LIFE」収録楽曲「You will never lose me」を先行リリースのするため、Music Videoの相談したYasu Fujinami監督からこんな提案をもらった。「コンテンポラリーダンスをフィーチャーした作品​にするのはどうでしょう?出演してほしいダンサーさんは思い当たりますか?」  すぐに柿崎さんのことが浮かんだ。イスラエルのダンスカンパニーに所属し、世界中で公演していた彼女は、いま日本にいるらしい。思い切ってコンタクト(熱いラブレター)をとると、とても丁寧なお返事と、素敵な言葉をくださった。やっぱり特別な人だと思った。残念ながら出演は都合がつかないけれど、振付という形でなら、と参加してもらえることになった。

当時は遠隔でのやりとりだったけれど、柿崎さんの視点、ダンサーさんの物事の捉え方にかなり刺激をもらった。撮影で主演してくれた素晴らしいダンサー、栗朱音さんの魂のダンスを間近で見て、完全にコンテンポラリーダンスや身体の表現に魅了されてしまった。ライブで是非いつか共演をしてみたいと思った。しかし、舞台のスペースやリハーサルなど、音楽ライブと同じようにはいかないはずで、実現はなかなか難しいだろうなとも思っていた。

COTTON CLUBの新しい試み、奇跡のオファー

そんな折、昨年新譜「LIFE」のリリースライブを行った丸の内COTTON CLUBさんから、"LEADING ACTORS"という新しい企画の連絡を頂いた。音楽ライブが主流のCOTTON CLUBで、演劇、落語、お笑いなど、ジャンルを超えた表現を追求する新しい試み。「慧さん、このシリーズの企画でコンテンポラリーダンスとバンドとの公演をやってみませんか?」というまさかのオファー!神様私のことみてたの?!と、そんな運命的な展開で、COTTON CLUBさんの全面協力のもと、今回の公演が実現しました。

歌とダンス、生演奏のコラボレーション。どんなライブを作れるか?

良い食材をただ並べただけでは美味しい料理が生まれないように、人と人の化学反応もそう簡単には起きない。歌もダンスも、どちらも活かし合うには、どんなものを作れるか。そのヒントを得るために時間をかけてきました。ついに実際に会えた柿崎さんは、前からずっと知っているようで、でも未知の部分をたくさんもっている人だった。柿崎さんと過ごすうちに、世界で活躍してきた天才肌の彼女に新鮮な驚きをたくさんもらいながら、でも、踊り、歌、すべて最初は同じものだったのかもしれないと思うようになった。私たちはみんなこんなにも違っていて、同じじゃないことを恐れたり傷付いたり、遠ざけたりする。だからこそ、重なりあえた瞬間は、かけがえのないもの。そういう瞬間を、この日にみてほしい。

​私はいつも響き合うポイントを探している。声と声、声とピアノ、ベース、ドラム、すべての音、壁、天井、空気とも、響き合うポイントを探す。そういうポイントで重なって調和すると、音はブワッと増幅される。豊かに、威力が増す。自分の中がふわっと光で満たされるのです。

ダンスともそれが出来る。
人と人とで、それができると思いました。

​運命の踊り手を探す旅の物語

​​そのポイントに演者も観客の皆さんも一緒に辿り着くために、今回はストーリーライン(物語)のある構成にしました。物語のために曲を作り、選び、ダンスを作り、お芝居や映画のようになっています。けど、柿崎さんの言葉を借りると、そこで起きることは、全部生身の、息をぜえぜえ切らしながら、今、目の前で起こる本当のこと。私達が出会って、何が生まれるのか。それをみてほしい。もしかしたら観てくれるあなたのなかにも、なにかがうまれるかもしれない。そんなことが起きたら何よりも嬉しいです。

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音楽×コンテンポラリーダンス
歌と踊り、生演奏と朗読で甦る、記憶の中の映画のような一夜。

​コロナ禍の2年間を経て、生身の身体をもって、同じ瞬間、同じ鼓動を共有する喜びを表現したい。
踊りによって、歌の聴こえ方が変わる。生の音楽によって、踊りが新たな感情をもっていく。初めてダンスを観る人も、初めて生の歌、生のバンドの演奏をみるひとも、両方すでに知っているひともみんなこの迫力を楽しんでもらえるはず!
踊りの化身のように私の心を自由にしてくれる(そしてドキドキさせてくれる)ダンサー柿崎麻莉子さんと、バンドマスター宮川純くんをはじめ誰よりも信頼している最強ミュージシャン達。これもまた運命的に参加してくださることになったスペシャルゲスト・ダンサー 笹本龍史さん。さらに、盟友で作家の安達茉莉子さんがこの公演のために朗読の詩を書き下ろしてくれました。COTTON CLUBという最高の会場で​、この日に生まれるもの、​この特別な夜を一緒に目撃してください。

10年めの挑戦

人と人が出会って共にいるって、本来、凄いことだと思う。ここからはさらに個人的な話です。
今年でシンガーソングライターとして活動10年めになります。その前もずっと音楽ばかりやってましたが、悔しい思いもたくさんして、それでも、自分だけは自分を信じようと、信じられるものを作るんだと決意をして、8年やったバンドをやめて一人になって、2012年に最初のミニアルバム「5 pieces 」を作ったのでした。
そこからの10年は簡単じゃないけど、続けてきたおかげでそれまでの何1000倍も楽しい幸せな体験ができました。大事なひと、大事な場所がたくさん増えました。続けさせてくれる皆さんのおかげです。
このタイミングで、この企画を私にやらせてもらえるのは運命的だと思いました。大事なバンドメンバー、アーティスト達、手伝ってくれる仲間たち、全面協力してくださるコットンクラブさんも、私が追いかけてきたことが星座のようにつながって出逢えた気がします。10年かけて辿り着いた人達です。この10年の間、音楽のおかげで出会うことができた美しい瞬間を、苦い部分も含めて全部、この公演に注いでいます。実はダンスや朗読と交わることで、私のなかにある、音楽だけではこれまで表現しきれなかった部分も表現できると感じています。私の全部を使ってる感覚。
歌とダンス、生演奏のコラボレーションと、朗読。今までやったことない未知のライブ。この日を10年めの挑戦にしたいと思って作ってきました。挑戦することで、私の感謝を表現したいです。  

長くなりましたが、心の底から観に来てほしい公演です。間違いなく凄い日になります。これみないでどうするの!?見逃さないでください!
3日後、COTTON CLUBでお待ちしています!!!

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2022.6.29 wed 丸の内COTTON CLUB
大和田慧 × 柿崎麻莉子
Joy of Life - You will never lose me

歌と踊りで綴られる、幻の踊り手を探す旅の物語。
国内外で活躍するシンガーソングライター×ダンサーの共演
シーン最前線のアーティストが集う必見のステージ!

▼ご予約はこちらから!TEL:03-3215-1555
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/kei-owada-mariko-kakizaki/

2022 6.29 wed.
[1st.show] open 5:00pm / start 6:00pm
[2nd.show] open 7:45pm / start 8:30pm

MEMBER
大和田慧 (vo,acoustic g)
柿崎麻莉子 (dancer)
宮川純 (key,music director)
吉田サトシ (g)
Zak Croxall (b)
伊吹文裕 (ds)

【Special Guest】
笹本龍史 (dancer)
【Guest Writer】
安達茉莉子 (words)

ヘアメイク: Riiina
Styling協力: Shinya Watanabe
Special Thanks to  DANCE BASE YOKOHAMA

公演に向け、大和田慧・柿崎麻莉子のふたりにインタビュー映像公開中!

[Interview] KEI OWADA × MARIKO KAKIZAKI



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