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置かれた場所が嫌ならば

2年生の9月、大学に入って初めて自分の殻を破る事ができました。10000mの自己ベストを3分近く縮める走りをし、              
「ようやく大学陸上のスタートラインに立てた」という実感がありました。
喜びのあまり、渡部さんと抱き合ったのを覚えています。

あれから約1年、それより速いペースで21.0975km走りきる事ができました。

こんにちは。渡部さんから襷を受けました3年の司代です。
毎日投稿は終わりましたが、それでも3日に1回ペースでは更新していきたいですね。
印藤くんがなかなか筆を持つ気になれないようです。なので繰り上げスタートにしました。

次は清水くんかもしれません。

予選会反省

箱根駅伝予選会が終わりました。

個人 1時間3分27秒 114位
チーム10時間43分49秒 19位

個人としてもチームとしても、今できる最大限の力を発揮できたのではないでしょうか。
反省はあっても後悔はありません。応援ありがとうございました。
無観客となりましたが、心の中で、サポートしてくださる方々のことを頭に思い浮かべながら走っていました。ハーフマラソンは1時間もかかる勝負ですから、もちろん頭の中はいろいろなことを考えています。


応援してもらってるのに垂れるのは申し訳ないな、とか慶應は今何番なのかな、とか。
麗澤の選手が前からずるずる落ちている。今年も麗澤はダメなのか。 
タツヤ(麗澤の監督)も少しは報われてほしかったな、とか

あとは、「これで少しは見返せたかな」と考えていました。「競走部」に対してです。全体の流れと逸脱した行動を取っていた為、長距離ブロックはこれまで、煙たがれる存在でした。結果も出していませんでしたしね。でも、これでやっと少しは報われました。
それにこれからは、「長距離がどのように結果で部に貢献するか」を本気で考えなければいけません。

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陸の王者の危機

先日、秋開催となった関東インカレで慶應は、惨敗を喫しました。
なんと男子総合1点!!1点ですよ!!!
サッカーでも野球でもありません。
トラックアンドフィールドです。
(女子は21点と素晴らしい結果を残しています。)


「陸の王者」も弱くなったものです。墜ちるところまで堕ちてしまいました。でもこうなることは何となく予想できていました。練習の雰囲気や取り組み方から、感じ取るものがあったからです。
私はこの部活の状況を見て思い当たるエピソードが二つあります。

一つは可哀想な犬の話。
そしてもう一つは私の高校時代の話です。


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可哀想なわんこの話

心理学の授業で面白い実験を勉強しました。
その実験では、2つのグループにイヌを分け、電気ショックを与えるパネルの上にそれぞれ置きます。

A 電気ショックを与えるが、スイッチがあり、それを押せば電気ショックを止められる。
B 電気ショックを与えるが、スイッチはなく、電気ショックを止めることができない。

その後、A、B両方の犬を別の場所に移動させます。



片側は電気ショックゾーン、もう片側は安全ゾーンの2枚のパネルを置いて、その間を仕切ります。
ただし、この仕切りは低めに設定されており、犬が簡単に飛び越えて移動できるようにしてあります。

Aの犬は、当然のように安全ゾーンに移動しましたが
Bの犬は、安全ゾーンには移動しようとせず、電気ショックを受け続けてしまったのです。

『臨床心理king poket』
https://kingpocket-mentalhealth.com/2020/04/27/「何をやってもどうせ無駄」諦めの心理とは?/ からの引用

この実験から得られる教訓はなんでしょうか?
「どうせ無理」と諦めたことで、無気力になってしまい、
頑張れば現状打破できるかもしれなくても、努力や行動を起こさなくなるということです。
これを学習性無力感と言います。

ああ、なんて可哀想なわんこでしょう。電気ショックが止まるまで、わんこはずっと無気力なままです。でも、これは別にイヌ特有でなく、人間にも当てはまります。
今から3、4年前、私はこの学習性無力感を身をもって経験していました。

接待を覚えた高校生


希望ケ丘高校陸上部は、基本的にメニューは生徒たちが話し合って決めます。
そうして決めたメニューを先生に伝え、承諾をもらってから練習が始まります。
しかし、この承諾のフェーズが問題です。
顧問の先生は、ちょっと今風に言うなら「スピード練しか勝たん」みたいな考えをお持ちの方でした。ペーランとか、ジョグといった長距離っぽい練習は、一切承諾されないのです。
だから結局、私たちが決めているように見えて、先生の意中のままでした。
諦めた私たちは、1000*5とか2000*3だとか60秒走といったメニューを回していました。特に先生は60秒走がお好きで、承諾されなかったことがありません。私たちはそれを「接待メニュー」なんて揶揄していました。そういった練習を週に4回。
でもそんなメニューで強くなれるはずがありません。5000mどころか、1500m、800mですらジョグは大事です。そんなこと分かっています。でも、いくら長距離の練習を提示しても突き返されるだけでした。
だから、結局私たちは、ずっとそのメニューをやっていました。まるで、電気ショックパネルの上にいるわんこのように。電気ショックが止まる時間、つまり引退まで無気力に耐え続けました。

あの時、長距離ブロック長として何もできなかった悔しさ、能力のある同期や後輩を潰してしまった責任は、今の自分の原動力となっています。

※ちなみに今は顧問の先生は替わっています。
若くてイケメンな現代文の先生と、
若くてイケメンな体育の先生の2人体制です。

置かれた場所で咲きなさい?

この2つのエピソードと同様のことが、今の慶應に当てはまると思っています。
弱い選手は、実績を残している「強い選手」が常にトップであることを受け入れ、とりあえずPBを出せればいいや、という考えになっています。
一方強い選手はどうでしょう。周りがそんな状況ですから、「下から追い上げられる恐怖」を感じるはずがありません。層が薄いので、充実した練習が積めずとも、公式戦に出れてしまいます。
この結果、各々が内心に限界を決め、それが足枷となって成長を妨げているのです。そんな足枷がなければ軽々と飛び越えていける壁なのにです。

悪く言えば、「無気力」
良く言えば、「置かれた場所で咲きなさい」です。

「置かれた場所で咲きなさい」

確かに良い言葉です。でも、置かれた場所が嫌だったらどうすれば良いのでしょう?

場所を変えれば(例えば、主務系になる/退部する/種目を変える)いいし、
同じ場所でもっと美しく咲きたい(選手として大成し、上のレベルに行きたい)なら、自分に限界を定めず、無我夢中で努力するべきです。


でも何も変わっていませんでした。そうした雰囲気が今回、結果として表れたのではないでしょうか?

前主将の藤村さんは、1年時の関東インカレで小池祐貴さんの走りを見て、
「俺の方が速く走れる」と思ったそうです。
そんなことを本気で言える人は何人いるでしょうか?

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これから

残念ながら、これまで長距離は関東インカレで貢献することはできませんでした。早慶戦にも長距離種目はありませんでしたし、公式戦では女子と長距離はいつも蚊帳の外でした。
ですが、その時代はもう終わったようです。今、競走部は変化が求められています。

では、この時代の変化に長距離ブロックはどのように関わっていけばいいでしょうか?
その答えは清水くんが知っているはずです。次のブログにご期待ください。
少々キラーパスですが、僕はもう充分偉そうにベラベラと喋っているので、ここらへんでやめておきます。
それに、実力主義についてみんなが議論していたのを見て
「一つのテーマについて、自分の意見を表明し合える」
のはリレーブログの魅力だと感じました。


ということで、清水くんには
「競走部の復活のために、長距離ブロックができること」というテーマについて触れてもらいたいです。
僕は競走部の復活を「関東インカレ一部残留」と認識していますが、そこら辺の解釈は清水くんの自由です。きっと良いこと書いてくれるよね。

ご覧いただきありがとうございました!!

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