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社会主義国キューバ

いろんな国を旅してきて、いろいろと考えさせられた国が3つあります。

インド、イスラエル、キューバです。

そのうちの1つ、キューバについて。

ご存知の通り、キューバは社会主義を貫く数少ない国の1つです。

多くの旅人が「キューバはいいよ」とおすすめしてくれましたが、やっぱり行ってみるまでどんな国なのか想像できませんでした。

私がキューバに行った期間は10日間で、表面的な部分しか見えていないかもしれないけど、私が感じたキューバについて書きたいと思います。

社会主義というととても閉鎖的なイメージですが、観光客を積極的に受け入れているキューバではあまり閉鎖的な感じはしませんでした。

ハバナの首都でも町を観光すると建物はボロボロ、

車も古くこちらもオンボロ。

そしてお店には、びっくりするほど品数が少ない。

(実際、私も生理ナプキンを手に入れるのに本当に苦労しました。みんなどこで買ってるんだ?これも配給?)

商品の少ないお店に、配給手帳を持って並び、お米やパンなどの商品を受け取る姿を見て、ここは社会主義の国なんだなと実感しました。

ところが実際町を歩いてみるとキューバ人の表情が明るいことにビックリ。

ラテン系のノリということもあるけど、そういうことじゃなくなんか明るい。

貧しいことは貧しいのだろうけど困っている感じじゃないんです。

印象的なのは、貧しい国であるはずなのに、他の途上国ではよく見かける物乞いみたいな人はいないんです。

とっても気さくに話しかけてきて、

「Welcome to キューバ!あなたどこから来たの?日本?じゃあ、何かちょうだい!例えば、キャンディとか、キャラメルとか。日本のお菓子っておいしいのよね!」

と。私も驚いて「何も持ってないけど…」

と言うと、「そうなんだ!じゃ、キューバ楽しんでね!」と言って去って行きました…

なんだかビックリしたけど、こんな風に声をかけられることは何度かありました。

他にもお土産など見てて、「⚫︎CUCでどう?」というので、私が「いらないよ!」と言うと、

「じゃあ、あなたの持っているサングラスか帽子と交換しましょ?いいじゃない!私たちはこの国を出られないから、これを買うことができないのよ!」と言われて、

「そうか。お金って買うものがあるからこそ価値があるんだな」と思ったり。

キューバ人の海外渡航は原則認められてはいますが、実際にはかなり難しいようです。

出会ったキューバ人の何人かに「私はキューバから出ることができないのよ」と言われました。

キューバは食料の配給はあるし、医療費や教育は無料で受けられるので、最低限の生活の保障はされており貧困者というのは少ないと思います。

また他の途上国に比べてほとんどの人が字の読み書きなどもできるようです。

でも、教育ってなんのためにあるんだろう。

いろんな知識や、考える力を身につけて、人生を切り開いていくため、可能性を広げるためにあると思うのです。

キューバの子供達が夢を持っていないというわけではないけど、夢や向上心を持ちづらい環境にある子供たちに行う教育ってどうなんだろう。

キューバ人の平均月収は20ドルと聞いていたけど、実際には観光業に携わってる人たちはもっともっと稼いでいるだろうという印象を受けました。

すでにけっこうな貧富の差があるのかもしれません。

また一部ではありますが、アメリカンポップスが流れていたり、コカコーラや、ファンタを売っているお店もありました。

インターネットなどは使えず、国によって外からの情報がコントロール、遮断されている一方で、

たくさんの外国人観光客によって、もたらされる様々な情報。

私たち観光客が、携帯電話やカメラなどの電子機器を持ち、外国の物を見にまとい、キューバという異国へ旅行に来る姿を見て、

一般的には外国に行くことができないキューバ人は何を思うのでしょう。

そろそろキューバが社会主義を貫くことは限界なのでは?と感じました。

そして、私たち日本人がたくさんの選択肢を持つことができることも当たり前ではないんです。

自由ってなんだろうと考えさせられます。

ご存知の通り、今年に入ってアメリカとキューバは国交正常化交渉が始まり、これからキューバは急速に変わっていくんだろうなと思います。

もし、資本主義になれば、たちまち格差などが広がるだろうし、一概にいいとは言えないけど、キューバの子供たちが夢を持てる日は近いのかもしれません。

10年後、この国がどのように変わっているか自分の目で確かめに行きたいです。


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