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Fête des méres “母の日”

日本より、2週間遅れてきた母の日。

【日本の母】

朝ごはんを食べる我が子と、日本に住む私の母。久しぶりにlineでビデオ通話。

2018年5月23日にフランスに来て1年が過ぎた。 携帯の小さな画面を通しても、明らかに大きくなった我が子に、母の顔は緩む。

娘のこども・・・孫と生後2か月目までべったり、毎日一緒に暮らしていた。

離れて1年。すぐに会いに行ける距離ではないが、現代、こうやって、気軽にしかも無料で顔をみて話が出来る。

ありがたすぎる環境だと、改めて思った。

でも、だからこそ、オフライン直接会う、時間を共有することも、大切にしようと思う。

遅くなったけど、久しぶりに写真と手紙を送ろうと思う。

【フランスの母】

朝から畑の苗を買いにスーパーへ。入り口にはずらり、花束が並んでいた。

用事を済ませて、レジに並ぶと買い物と一緒に花束を買う人々。

(photo by SAYURI ANADA)

頭に浮かんだのは、フランスの母。

家から5キロ、隣の村(一応隣)に住む旦那さんの友人家族。

私が初めてフランスに遊びに来てから2年、いつもいつも、ひたすら気にかけてくれる存在。

週に一度は家に寄り、何があってもなくても、話をする。

2週間あくと、『家の場所をわすれたのか?』と、冗談混じりに心配される。

先日の入籍、立会人を1人たてると言われて、頭にすぐに浮かんだあの人。

フランス語、発音にとっても厳しい先生でもある。

彼女に日頃の感謝を込めて、ブーケを渡そう。

そう思って、一度済ませた会計の荷物を車に積み込み、ブーケを選びに再びレジに。

母の日に花束を送る。これは一つのきっかけに過ぎない。その瞬間、会って時間を共有出来た。それが嬉しかった。

今では我が子はわが家に居るように安心して友人宅で遊びくつろぐ。

こんな環境が“ここにある”それだけでとても幸せな事。

【彼の母】
旦那さんのお母さんは2017年に亡くなっている。もう今は会うことは出来ない。

母を見送り、少し経った頃、気分転換と、日常から離れる為に彼はタイに来て、私は出会う事が出来た。

彼の母・・・会った事はないけれど、私の中でとても力強いエネルギーを感じる。

ポルトガルに産まれ、旦那さんと結婚し、5人の男子を育てあげたビッグマザー

2人目を産んでから、家族4人ポルトガルからフランスへ移住してきたらしい。

スペインを挟んで近い国であるとはいえ、文化も環境も、言葉も全く違う。

彼女は移住し、5人のこどもを産み、育てながら慣れないフランスの地で仕事もしていた。

いつも、折に触れ、彼からお母さんの話を聞くと、
私の今の環境がいかに楽で恵まれているかに気づく。

彼女の人生の後半はアルツハイマーだったらしい。

移住、子育て、仕事・・・彼女の力強い人生において、最後にこどもの様に自由に暮らしたかったのかもしれない。と、勝手に思っている。

【日本の母】【フランスの母】【彼の母】沢山の母のお陰で今の私は穏やかに時に忙しく過ごす。

【母になって】

(photo by SAYURI ANADA)

1年2ヶ月、腹の中から数えて2年。

私はたった1人、彼との生活に未だ右往左往する。それが正直なところ。

まだ言葉もはっきりしないが、彼の意志があることは明確。

私が生きている姿を今は全力で観察されているように思う。

日曜日、昼下がり。

パパと一緒に庭に行き、花束を作って帰ってきた。

毎日良く食べ、良く出し、良く遊ぶ。全力の後は電池が切れるように眠りにつく。

母が何か未だに私には分からない。ただ毎日元気に、今は寝食を共にし、楽しめる日々の積み重ねで、また次に見える何かがあるような気がしている。

Fête des méres.

穏やかな、柔らかい1日になりました。
また明日から1週間がはじまりますね。穏やかに、忙しく行きましょう。

Bonnenuit~

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