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店のたたずまいが、自分を呼んでいるかどうか。まとめ④レストラン/エミリア・ロマーニャ編

一食たりとも、変なものを食べたくない。というのは、もうほとんど執念である。
別に高級なものを食べたいわけではないが、外したくない。
基本は、その土地の、普通の人が食べているようなレストランに行き、普通に食べられればいいだけだが、できれば、郷土料理っぽいものが食べたい。
そしてやっぱり、ゆったりしたい。ワインも飲みたいし。

今回イタリアに来て驚いたのは、ピザ&ケバブ&バーガーの店があちこちにあること。これは10数年前にはまったくなかった。
トルコ出身の方がやっているのだろうが、トルコには包みピザのようなものがあるし、肉を焼いてパンに挟むという意味では、ケバブもハンバーガーも似たようなものだし、なんだかとても理に叶っているような気はする。
テイクアウトメインの、ファストフード的なものとして認知されているようだが、こういう店も、でも、通し営業ではない。
昼を食べ損ねたとき、期待を持って行ってみたが、やっぱりダメだった。

Al Ducca di Russo Canio  ピアチェンツァ/イタリア 128ユーロ    2024/05/15

ツーリング初日、距離は大したことはないのだが、かなりの土砂降りで、もちろんランチをする余裕はなく、ヨレヨレになって宿に着く。
流石に空腹だけど半端な時間で、やっていそうな店はない。
基本、イタリアのレストランは、14時半で閉まり、再開は19時半。
なんとか早くからやっている店はないかと一応検索して、18時半オープンの店を見つける。
ここをチェックしがてら、他の店も探すか。

街の中心まで、歩いて15分くらい。途中に、しゃれた感じのワインバーやカフェなどもあるが、まあ、これではない。
チェックしていた店は中心地の広場にあり、なかなかいい感じ。ウキウキと扉を開けると19時から営業とのこと……。一応、席を予約して出直す。

「なかなかいい感じ」というのは直感で、説明は難しいが、対応に出てくれた方が、既にきちんとサービスの服になっているのが好感度大。

メニューは英語併記で助かる。見るとトップページのアンティパスティに、ハム類がずらり。じゃあ、これで行くしかないね。一番値段の高いD.O.Pの生ハムを頼んだが、これが正解。
フワッフワで、結局、全行程でいちばんおいしかったかも。他のテーブルの皆さんも、生ハムやサラミ系を最初に食べている。
あと、名物だという、ニョッキのフリット。真ん中が膨らんで空洞になっている。これも、その後、一度も見なかった。

プリモは11種類も。一番怪しそうな、よくわからないメニュー、「pisareri e faso」というものを頼む。英語表記では、「小さいニョッキ、トマトと豆のソース」。これがよかった。

テラス席もあったけれど、寒くてちょっと無理。
メニューのトップページにあった2品。これは頼むよね。18ユーロと5ユーロ。
めちゃくくちゃおいしかった。小さいニョッキの、ほぼスープ。12ユーロ。
ポルチーニとリコッタチーズ入りトルテッリ。13ユーロ。
そっけなさすぎるというか、これで出すか!?  というくらいだが、うまい。仔牛のコトレッタ。15ユーロ。

Ristrante Vecchia Fucina  トラヴェルセートロ/イタリア 50ユーロ 2024/05/16

ランチで立ち寄り。大きい駐車場があったのが決め手だった。
目的地方面は14時から雨、と予報は出ていたので先を急ぐべきだが、この誘惑には勝てない。なんともおいしそうな雰囲気なのだ(案の定、その後、雨には降られたが)。

入ってすぐはちょっとしたスペースになっていて、軽食やエスプレッソだけ座って食べられるよう。まさに、ドライバーのための店?
奥はとても広く、客層もいろいろ。

メニューがなかなか来ないので、不思議に思っていたら、QRコードで読み取る仕組みだった。なるほどね。
確かに、英語やドイツ語メニューなんか、いちいち作っている場合じゃないし、これなら自分で読み込んで、google翻訳すればいいだけ。
こういうシステムの店には、その後、出合わなかったけれど。

入ってくるときに、キノコの置物がいくつかあったので、ここはキノコかなあと思いつつ、その系統のメニューを頼む。昼だから、パスタ系一品ずつで。おいしいなあ。

 2人席がたくさんあり、ひとりのお客さん
も。
エントランスからダイニングスペースまでの間に、ハム切り刃物コーナーが!
キノコがめちゃくちゃジューシーで、かなりおいしかった。12ユーロ。
オススメ料理、3種のトルテリーニ。13ユーロ。
ミートソースのニョッキ。10ユーロ。
サイドディッシュのミックスサラダ。必ず頼む。添え物なので、5ユーロ。味付けは自分からで。

Ristorante Pizzeria   マラネッロ/イタリア 78ユーロ2024/05/16

町でもなんでもない、幹線道路の交差点付近がこの日の宿。さて、食べられる店はあるのかな。
とにかく、どこに着いてもロケハン。

交差点の斜向かいにシッピングセンターがあり、その名も「Roadhouse」というアメリカンな感じのチェーン系レストランが入っていた。
サラダも、パスタも、ステーキもあるし、まあ、一応押さえはできたか。でもなんかちょっと違うよね。

というわけで、一応検索してみたら、歩ける範囲に何軒か店はあったので、再びロケハン。
ずんずん歩くと、最初の店はなんだか微妙(テイクアウト専門?)、次の店も微妙(やっているのか?)、3軒目でなんとなくレストランっぽいところに来た。
徒歩約10分。これならいいか。歩いて行ける範囲、というのも、店選びの鉄則。

この間、夫と息子はフェラーリ・ミュージアムに行っていて不在。別行動を取るのは、違う用が足せて、とても効率がいい。

戻ってきたふたりに、ちょっと歩くけど、まあまあな店見をつけたから、と言って出かける。ロケハンのときはアイドルタイムだったが、行ってみたら、店に灯がともり、いい感じに。

入ってみたら、とても広い。入口付近はバルになっていて、エスプレッソなど立ち飲みできる感じ。奥のホールは、ひとり客のおじさんたちが複数、テレビを見ながら、店長らしき人と談笑中。
いいな、町中華か。

さて私たちは、そことは別の隣のホールに案内される。そりゃそうだよね。和まないよね。変なアジア人いたら。
オーセンティックな料理がメニューにいろいろ並ぶが、イタリア語しかないので、googleくんに助けてもらいながらオーダー。
お店の方もカタコトの英語なのだけど、これだけじゃ足りないかもしれないから、この辺りもどう? などアドバイスしてくれ、いい感じのメニュー構成に。

全部、当たった。
息子が、「普通のアーリオオーリオを食べてみたい」というので注文。そりゃそうだ。で、これがおいしかった。
というか、残ったオイルをパンにつけたら絶品。これくらいたくさん、オイルを使うのねー。

ドルチェは、先に、これとこれしかできないよ、とメモを持ってきてくれたので、そこからオーダー。
絶対に、観光客が来なそうな店で、親切にしてもらえたのはうれしかった。
それは、宿の向かいのおっさんバルも同じ。いいな、イタリア。

飾り? どこまでが生きているのか、よくわからないボトルたち。
ハウスワインの白は、なぜか発泡系。500ml、9ユーロ。
クリーム味が食べたかったので、あるメニューをオーダーしたら、その種のパスタは今日はないということで、こちらをお勧めされた。おいしかった。
やっぱりスープ系は食べたくなるので、これはよかった。トルテリーニのスープ仕立て。
アリオエオーリオ。スパゲッティも完璧なアルデンテでおいしかったが、
この残ったオリーブオイルが美味で、パンにつけて食べた。
ミックスグリル。ハムやソーセージが入っていると、味の変化がついて、これはいいと思った。12ユーロ。
焼き加減を聞かれたので、ミディアムレアと伝えたら、完璧な仕上がり。13ユーロ。
プロフィットロールって、こんなにおいしいものだったんだ。4ユーロ。

(つづく)










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