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「(ジャズにおいて)演奏時にどのくらい周りを聞くべきか」Part2 「通い慣れた道の風景のように曲を知る」

前回のブログの「演奏中どのくらい曲を聴くか」が思いのほか反響があったので続きを書いてみようと思います。

演奏中、共演者の演奏を聴くことに大きなパーセンテージを費やすためには、アドリブソロを含めた演奏時に心を煩わせるものをどれだけ排除できるかが大事だと思います。

たとえば初見の曲や、あまり知らない曲を演奏する場合には、どうしても曲の構成やコード進行、サイズに神経を使ってし、どうしても譜面にかじりついてしまいます。そうなると曲の流れに沿った演奏をすることでもういっぱいいっぱいで、他の演奏者の音など聞こえてきません。

これについて、私のトランペットの師匠の原さんは、

「とにかく、曲をよく知ることです。まず演奏する曲を徹底的に知らなくては、共演者の演奏を聴く余裕はできません。たとえば暗譜です。もし覚えていないからと譜面を見ているだけで、眼がコードを読んでしまいます。だからまず曲を暗譜してください。
そして暗譜していても、頭の中にコードネームが浮かんでいる状態では、まだダメなのです。コードを考えることで頭の中が忙しくなってしまいますから。
つまり、コードネームも頭からなくなって、テーマのメロディと、それに伴った和声による風景が見える状態。そこでお花畑をスキップしているような気持ちで演奏できるようになると、周りの音が聞こえてきます。つまり、よく帰る帰り道を車で運転しているような状態です。
そんな時、車を運転しているという意識はほとんどないぐらいですよね。
そのくらい自動的に曲が演奏できる状態にして、はじめて周りが聞こえてきます」

という話をしてくれました。

眠りながらでも演奏できるぐらい、全てが体に入った状態にすることで、
周りの演奏者の音を聴くことと自分の演奏に集中できるということです。

考えてみれば当然ですね。ブルースとかリズムチェンジとか、もう体に入りきっているチェンジであれば、楽譜も見ないし、今曲のどこにいるかなど、考えることもないわけですから。
他の曲を演奏する時も、そのレベルまで曲をカラダに入れる、ということだと思います。

原さんでさえ、一曲が体に入るまでには結構時間がかかると仰ってました。

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