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アドベンチャーゲームの思い出

 テキストアドベンチャーゲームの元祖みたいな存在『ZORK I』のソースコードが公開されているという話題が流れていた。

 僕は『ZORK I』のオリジナルを遊んだことはなくて、でも雑誌で読んで、こういうゲームをやりたい! なんて思っていた。

 結局、その後初めて遊んだのはマイクロキャビン『ミステリーハウス』だ。閉じ込められた家から脱出する、コマンドを自分で入力するアドベンチャーゲームだが、今までにないタイプのゲームシステムにワクワクしながらプレイした覚えがある。線画のシンプルなグラフィックも謎めいた雰囲気を高めてくれていた。

 その後、アスキー『南青山アドベンチャー』をプレイした。こちらも英語でコマンドを入力するアドベンチャーゲームだが、グラフィックの一切ない完全テキストアドベンチャーだ。文章も全部英語だったため、懸命に辞書を引いて遊んだ。ゲームにかける情熱すごいな。ちなみに、前作の『表参道アドベンチャー』は遊んでない。

 やがて、アドベンチャーゲームは美しいグラフィックと一緒にストーリーを語るというのが定番になってくるわけだが、ハドソン『デゼニランド』が面白くて遊んでいた。これもコマンドが英語だったので、辞書引きながら遊んだ。柱磨くのと、十字架はめるのが難しかったな。なぜか『サラダの国のトマト姫』はやってない。

 同時期に日本ファルコム『デーモンズリング』とかエニックス『ポートピア連続殺人事件』とかあったけど、前者はコマンドがカタカナ入力で、それが面倒で挫折した。後者は、もっと後になってファミコン版をプレイすることになる。

 堀井雄二がシナリオを担当したログインソフト『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』は、まるで2時間サスペンスドラマのようなストーリーが本格的で楽しめた。

 その後、僕のゲームに対する興味はリアルタイムなゲームの方に向かい、アドベンチャーゲームはそれほど主食ではなくなっていく。どちらかと言えば、アドベンチャーゲームは時間のかかるめんどくさいゲームのイメージになってしまったのだ。

 しかし、スーパーファミコンで発売されたチュンソフト『かまいたちの夜』がそのイメージを一気に変えてくれる。ちょっとホラーテイストの入ったミステリ仕立てのシナリオもさることながら、選択肢によって展開が変わるというゲームシステムが画期的だった。しかも、分岐したシナリオに整合性があり、同じ事件を裏側から見るような感覚があってスリリングだった。

 同じくチュンソフト『街 〜運命の交差点〜』は、複数の登場人物の視点を切り替えて、ひとつの大きな事件を解決に導く、野心的なアドベンチャーゲームで、これもかなり熱中して遊んだ。静止画ながら役者を使った実写写真を使用した映像も感情移入を助けていた。

 同人ソフト出身の『ひぐらしのなく頃に』はPS2版を遊んだ。原作とは違うらしいが、選択肢を探し出して事件の真相にたどり着くシステムが熱中できた。同じようなシステムの、5pb.『シュタインズゲート』も選択肢によってまったく異なった展開を見せるSFライトノベル風のシナリオで楽しい。たまたま手術で腹を切った後に自宅療養している間に遊んだだけあって、すべてのエンディングをしっかり見てしまった。

 チュンソフト『428 〜封鎖された渋谷で〜』は、前出の『街 〜運命の交差点〜』と似た、ザッピングシステムを搭載したアドベンチャーゲームで、よりスピード感を強調したシナリオ展開と、遊びやすく進化したチャートシステムが素晴らしい。

 で、先日始めたケムコ『レイジングループ』もよくできていた。シナリオの分岐も楽しいが、チャートから分岐を管理しやすいようになっていて、かなり手応えのある大ボリュームのシナリオも手軽に楽しめるようになっていてよかった。

 なんか、印象の強かったアドベンチャーゲームを書き連ねただけで、あまり変わった視点も何もなかったけど、本当はもっとストーリー面からの考察とか、アニメーションに凝った作品とか、いつかそういうことも考えてみたい。正直、アドベンチャーゲームは主食とは言い難いのだが、今後も興味の湧いた作品には果敢に挑戦していこう。





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