2019.08.31「日記」
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2019.08.31「日記」

日記をはじめたいと思う。

八月最終日。明日から九月。区切りのいい明日からとか一瞬思ったが、今日から書く。書きたいと思った時に書く。そうじゃないと色々逃しそうだ。今日は東京の四谷でトークイベント&バンド演奏があった。前半のトークイベントでは、司会のキカさんが私を掘り下げてくれた。キカさんはロンドン在住で、一時帰国中。キカさんが好きだ。頻繁に「ばばあ」という単語を使う。いろいろな話をしたが、お客さんがなにを感じてくれたのかは謎だ。ロンドンに行きたい。グラストンベリーに行きたい。私は、英国が大好きだ。

その後、バンド演奏があった。アンプを繋ぐ。マイクも繋ぐ。普段、全部生音で練習をしているから、マシーンをはさむと「こんなに違うのか!」と愕然とした。まず、自分の声が聞こえない。お客さんにちゃんと届いているのか謎で、結局(せっかくマイクがあるのに)声を張り続けた。うまく歌えているのかわからない。歌いながら「みんな、ごめん」と思った。俺のせいで演奏を台無しにしていたらごめん。そう思いながら歌い終えると、お客さんからおおきな拍手がおきた。一体、なにに拍手をしているのだろう。一体、なにがよかったのだろう。(俺以外の)誰かがファインプレーでもしていたのかな、とか、思った。

結局、それは俺(俺たち全員)に向けられた拍手だったとあとからわかった。「動画で聞くより全然いいですね!」とか「へただけど心にきました!」とか「もっとひどいと思っていたのに油断をしていました!」とか、言ってもらえた。京都からきてくれた女性は「正直に言うとうまいとは言えないですが、でも、小学生の合唱を聞いているとあたしは泣きそうになることがあって今日も同じ理由で涙をこらえるのに必死でした」などと言われた。毎回、褒められる前に一回ディスられる。主に「へただ」と言われる。でも、きっと悪気はないのだと思う。よかったなら、よかったな、と思う。

終了後に打ち上げで関係者全員で居酒屋に行こう、という流れになった。しかし、ちょっと個人的に気に入らないひとが参加することがわかったので「俺、酒は飲めないので」と辞退した。悪いことをしたかな、とか、あまり思わなかった。居酒屋の料理は死ぬほどまずいくせに高い。なんでこんなものにあんな金を払わなきゃならねえんだとか思うと精神衛生上よろしくないため、角が立たない形で辞退をした。居酒屋があってもいいとは思うが、私は、死ぬまで行かないと思う。ライブ後の疲労でひとりになりたい病が発病し、電車で菊名(ごちゃまぜの家)に向かう。電車は意外とガラ空きで、一番端の席に腰掛けた。が、目の前に座っていたスマホゲーム中の女性がなんだか下品と言うか醜悪と言うか頭が悪そうな感じがして「視界に入るのもいやだな」と思い、席を移動した。電車に乗るのも、年々厳しくなっている。家に到着し、竹谷さんが購買した酒を飲んだ。竹谷さんと飲む酒はうまい。

気ままに文章をかける場所を求めていた。そして、いま、実際に書いてみたら「悪態ばっかじゃねえか」と思った。タイトルは悪態日記にしようかな。悪童日記というアゴタ・クリストフの素晴らしい小説がある。未読の人は、是非、読んでほしい。なかでも『乞食の練習』の話には胸が打たれた。ごちゃまぜの家の本棚に(いまなら)ある。欲しいひとは、勝手に、ごちゃまぜの家の本棚からもっていってもらえたらと思う。私は罪深い人間だ。だから、せめてもの罪滅ぼしに本を無料で譲ったりおはなを無料で配ったりしている。我々のバンド名はAgape(アガペー)と言って、神の愛という意味がある。なかでも、とりわけ『罪人に向けられた愛』という意味があるらしい。

9月9日(月)に吉祥寺でライブがある。実は、今日、Agapeに7人目のメンバーが加わった。大所帯だ。アイドル感が出てきた。みんなにもめっちゃライブにきて欲しいけど、私は臆病な人間だから個別で連絡をして「あなたに来て欲しい!」とか言うことができない。迷惑になったら悪いな、とか、断るエネルギーを使わせるのも申し訳ないな、とか、色々考えてしまう。だから、こうして全体的な連絡網的な告知しかできない。来てもらえたらすごい嬉しいです。今日のイベントを企画してくれたまさこさんの目は、すごい綺麗だった。浜松とか、大阪とか、愛知からきてくれたひともいた。もっとしっかり話したり、もっとしっかり握手をすればよかった。出版社のひともいた。私は純粋な思いで名前を知りたくて「お名前はなんていうのですか?」と尋ねたら、律儀にも名刺を渡してくれた。経験則的に、名刺をくれたひとと関係が持続した試しがない。仕事を通じてではなく、まず、人間同士のつながりが欲しかったのにな、とか、思ったけど言えなかった。これを書きながら思い出した。トークイベントなどに出ると、律儀にメモをとるひとがいる。ポエムを書いているのならいいけど、そうじゃないなら破り捨ててやりたいと思った。メモなんかとるなよ。正解なんてないんだよ。自分の感覚をもっと信じてやれよ。あなたはあなたのままで素晴らしいのだから、誰かの正解をなぞるような生き方をするんじゃなくて、ありのまま、そのままの姿で生きてくれよ、とか、ちょっと思った(けど、なにも言えなかった)。

言えなかったことを、ここに書くのだと思う。

悪態は続く。

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坂爪圭吾

バッチ来い人類!うおおおおお〜!

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