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LiLzのビジョン・ミッション・バリューを言語化しました

2022年8月、LiLzのビジョン・ミッション・バリューを全メンバーであらためて言語化するミーティングを持ちました。もっと早く言語化したいとう想いもあったのですが、創業メンバー以外に新たなメンバーが2名参画したタイミングで言語化したかったという意図があります。これから増える仲間に対して創業当初から何を大切にしているかだけでなく、新たなメンバーは何に惹かれてLiLzに参画したのかという観点も含めて議論できたことはとても貴重で有意義な時間でした。

沖縄で全メンバー集まってのミーティング

このブログでは、すでに言語化されていたビジョン・ミッションに加え、新たに議論したバリューについて、その意図するところを初めて紹介したいと思います。

Our Vision

テクノロジーで、世界の現場を一歩前に

私たちのビジョンは読んで字のごとくですが、テクノロジーを活用して、世界中の現場を一歩前に進めようという内容になっています。"一歩前"という表現は、私たちにとってはとても重要です。創業メンバー全員で共有できていたのは、今、まさに目の前で困っている人をラクにするためにテクノロジーを使いたい、という価値観です。もちろん、10年後や30年後に役に立つ革新的テクノロジーに取り組むというアプローチも1つの社会貢献だと思いますが、私たちは今困っている人に助ける点にフォーカスしています。この価値観は、創業当時に言語化できていた訳ではありませんが、プロダクト開発に取り組む内に共通項として浮かび上がってきました。私は、「千里の道も一歩から」という言葉がとても好きで、「一歩前に」というキーワードは現場を一歩ずつ前に進め、理想の現場の姿を実現するという想いが込められています。そして、「現場」は私の個人としての想いです。以前のブログでも書きましたが、私の父親は75歳で現役の電気工事士です。つなぎを来て日々現場に出向く父親を見て育ったこともあり、世界中の現場の人に喜んでもらいたいというメッセージが含まれています。

Our Mission

機械学習とIoTの技術融合で、現場の仕事をラクにする

私たちのビジョンを実現するために策定したミッションも、すでに言語化されていましたが、その背景を紹介したいと思います。
現場の予知保全というテーマのテクノロジートレンドは原則として今でもAI(機械学習)とIoTの活用が重要とされており、この2つの技術を「融合」し、「現場をラクにする」というのが私たちのミッションステートメントです。ありふれている内容にも見えると思いますが、私たちが大切にしている価値観が含まれています。まず、機械学習とIoTというキーワードについてですが、2017年創業当時、AIという言葉は定義もあいまいで信頼できるキーワードないと考えていました。昨今ではChatGPTの登場などによりさらにAIというキーワードが日常的に信頼性を帯びてきましたが、当時はAIと書くとあいまいなのであえて「機械学習」という表現を用いたという経緯があります。この機械学習とIoTの技術融合という言葉は、抽象度を1つあげるとソフトウェアとハードウェアという風に捉えることもでき、「顧客の抱える課題を解決するためのユーザ体験を検討するには、ソフトウェアとハードウェアの境目はない」ということを表しています。私たちはソフトウェアが得意だから汎用ハードウェアの上でソフトウェアだけでユーザー体験を定義するようなアプローチはあまり良いアプローチではないと思っています。もちろん、汎用ハードウェアで完全に解ける課題であればもちろんソフトウェアだけのアプローチも合理的だと思います。私たちは汎用ハードウェアが通用しずらい現場向けの課題解決を指向しているため、ソフトウェアファーストでユーザー体験を設計し、必要であればハードウェアも創るというアプローチが最高のユーザー体験を産み出すと考えています。
次に「現場の仕事をラクにする」という言葉についてです。これは、2017年創業時からすでにあった言葉ですが、この「ラクにする」というシンプルな言葉が私たちは大好きです。つまり、提供したサービスの価値は、現場の方に「ラクになりましたか?」と聞けば簡単に判定できる内容になっています。私たちは、どんなに素晴らしい技術でも利用者を「ラク」させることができなければ価値を提供したことにならない、というミッションで日々活動しています。そのため、私たちのチームコミュニケーションでは、「機能」という言葉はほとんど見かけることがありません、見かけるのは「価値」という言葉や「ラク」という言葉です。

Our Vaue

自律的なプロフェッショナル

  • それぞれのスタイルを尊重する

  • アウトプットにこだわる

  • 好奇心や余白を大事にする

互いを尊重したコミュニケーション

  • 正直であれ

  • 失敗や間違いは歓迎する

  • 異なる意見を尊重する

期待を超えるプロダクト

  • 課題設定にこだわる

  • 細部にまで心を込める

  • 期待を超える

私たちのバリューについては、全員で話し合いました。バリューの詳細の解説は今回のブログで初めて紹介します。今後会社の成長に合わせて今回の初稿を今後新たに出会うかもしれない仲間と一緒に改定できるのを楽しみにしています。

自律的なプロフェッショナル

私たちはプロであるという自覚を持つためのバリューです。プロというと、世の中一般的にプロスポーツが最も想起しやすい職業だと思いますが、私たちは当然のように特定の分野のプロであるべきです。

それぞれのスタイルを尊重する

プロであるために、プロでありつづけるために、それぞれにプレースタイルとうのがあると思います。私はプレースタイルはとても尊重されるべきだと思います。組織運営をしていると人によって全くプレースタイルが異なるケースに遭遇することがあります。手書きでまとめてから資料を作るスタイル、ラフに人と議論してから頭を整理して前に進めるスタイル、まずやってみて間違っていたら修正していくスタイル、物の本を全て読んで自分の理解度を上げてから進めるスタイル、など何か検討したものを出力する場合でも様々なスタイルがあります。このようなスタイルはそれぞれ尊重されるべきです。いきなり型にはめないことが重要で、あらゆるスタイルをそれぞれ参考にしながら自分のスタイルを築いていくプロセスを大事にしています。

アウトプットにこだわる

スタイルは独自性を尊重しますが、アウトプットはこだわるというバランスがとても大事と思っています。アウトプットには、遠慮なくフィードバックをもらえる環境があります。「魂は細部に宿る」という言葉がとても好きです。例えば作成したドキュメントは、他のメンバーに原稿チェックしてもらうこともとても多いです。細かい点で間違いやドットずれ、言葉の定義の統一など細かいノイズを減らすことで、伝わりやすくなり、検討内容が洗練されると思っています。アウトプットへの拘りは、プロとして必須の能力だと思います。

好奇心や余白を大事にする

スタートアップは、質と量の両方が必要になりますが、量だけ追いかけても頭打ちになると考えています。事業を成長させこの考えを正解にしたいと思っていますが、それぞれの役割に応じた質の追求は、「好奇心と余白」が大事だと考えています。私たちは創業当時から20%ルールを採用しています。このようなアプローチに賛否両論あるのは理解しています。なぜ20%ルールを採用しているか、実際どうなのかは別途ブログにまとめたいと思いますが、このルールは明文化しているだけではなくチーム全体に学習するカルチャーとして浸透しています。
不思議なもので、どんなに忙しくても、ぼーっとしている時にちょっと悩んでいたことが整理されるという現象は誰でも一度は経験しているはずです。創業した時、煮詰まったら「ちょっと散歩に行ってくる」ということは私だけでなく他のメンバーもよく使ってました。散歩すると足から血液が流れて、実際に脳に良い効果をもたらし、かなり思考が整理されると共同創業者の大塚が良く言ってました。創業当時は商品の企画内容について良く歩きながら議論したものです。このような余白を作る行為を当然のように推奨するという雰囲気は大事だと思います。スポーツでいうと、コンディショニングに近い感覚でしょうか。プロならコンディショニングにも気を使うべきと思います。

互いを尊重したコミュニケーション

お互いを尊重するというのは当たり前のようで結構難しいテーマだと思っていますが、大切にしたいのでバリューにしました。

正直であれ

正直であるというのは、日々の事業活動においてとても重要な姿勢だと考えています。昨日はAだと言ったけど、間違えていてBが良かったというとき素直に認めるかどうかは重要で、特に私は意識しています。

失敗や間違いは歓迎する

前述の正直であれ、にも関連しますが失敗や間違いは歓迎するという雰囲気も大切だと思っています。ちなみにスタートアップの創業期においては、失敗だらけ間違いだらけであり、重要なポイントは、失敗や間違いが分かった後、どのようにアクションするかというのが重要です。このような場合、「アクションする」という点にフォーカスできるかどうかは、失敗や間違いがわかった時に萎縮してしまうような言葉を投げかけたりしないことだと考えています。例えば、何らかの原因で障害が起きた時でも、原因がわかった時には「原因が分かって良かった」と声をかけるようにしています。歓迎するというのは失敗や間違いを積極的に起こして欲しいということではありません。失敗や間違いはある程度のスピードで事業を進めると必ず発生しますし、失敗や間違いが全く起きないのも守備的すぎて長期的に別の問題が起きる可能性があります。致命的ではない適度な失敗や間違いが起きる状態が、定常状態であり、その状態を歓迎するという意味です。

異なる意見を尊重する

このバリューが最も難しいのではないかと思います。異なる意見というのが何故出てくるかというと、それぞれ個人の過去の学習プロセス、経験、ノウハウ、全てが蓄積されたその上での意見なので異なって当然なのですが、プロ意識が高ければ高いほどそのバックグラウンドに確固とした自信があるため、相手の意見を受け入れずらくなる傾向があると思っています。
「三人よらば文殊の知恵」という言葉がありますが、良く思うのは、「1人で考えた意見やアイデアは大したことがない」というもので、3人の意見をすり合わせてようやく良い案になるということです。このような経験は1週間に一度や二度ではありません。頻繁に起きます。そのため、意図的に反対意見をくれる人にアウトプットして、意見をもらうことで良いアウトプットにつながると思います。この「異なる意見を尊重する」というのは、異なる意見が重要なので自ら異なる意見を提供してもらえるように働きかけるという意味があります。
ちなみに話はそれますが、多い人数で議論して発散するのは良くないと思っていて常に2-3人で議論してまとまってから全員に展開するというアプローチを良く取ります。

期待を超えるプロダクト

リルズの強みはやはりプロダクトであり、完成度の高いプロダクトが最も重要であることを全員が認識しています。「期待を超える」プロダクトが、現場をラクにすると考えています。

課題設定にこだわる

「解きたい課題は何なのか」、共同創業者である研究者の大塚から創業時に何度も何度も聞かれた質問です。100回ぐらいは聞いたかもしれません笑。みなさんご存知かもしれませんが課題設定の重要性について良く話題にでるのが「なかなか来ないエレベータ問題」です。問題解決の本質をついている内容ですが、LiLz Gaugeのサービス設計はこのような観点からもたらされたものだと思っています。
共同創業者でありCTOであるクバからは、「そのユーザ体験に提供価値はあるのか」と何度も聞かれました。解きたい課題が明確で、価値が出せる解決さくを提供できれば、そのプロダクトは顧客に受け入れられます。創業時から妥協せずに取り組んできたこの姿勢はチームに参加する全員に持ってもらいたいと思いバリューに設定しました。事業のあらゆるシーンで、課題は何なのか、を明確にして進める文化がリルズにはあります。

細部にまで心を込める

アウトプットにこだわるに通じるものがありますが、「魂は細部に宿る」です。細部にこだわり続けることが洗練されたユーザー体験となり、最終的にミッションステートメントにある「現場をラクにする」ことにつながると思っています。客観的に見るともうそこまで議論しなくては良いのではないか、と思われるようなやりとりも多いですが、納得するまで議論を重ねることが、チームを長く良好に保つ秘訣だと思っており、細かい点もこだわるアプローチを歓迎しています。

期待を超える

最後に、期待を超えているかどうか。定義したバリューに基づいてプロダクトを開発していると、おのずと期待を超えるプロダクトになると信じています。つまり、妥協なきプロダクト開発が期待を超える。最後の判断基準として「顧客の期待を超えているか」という判断基準を大切にしています。

創業メンバー(左4名)と新たに参画した2名でバリューを検討

このバリューを作る中で、新たに参画した2名も含めて、想像以上に考えが近いことに驚きました。ある程度一致していたカルチャーを言語化することができ、今回このように初めて詳細の解説も紹介もできました。今後このようなバリューに共感いただける仲間が増えることを期待しています。もし、このMVVに共感いただいて、一緒に仕事をしたいという人がいればぜひ、ご連絡ください。


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