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劇的にトークは変わる

以前、トークが劇的に変わった人がいたので、その事例を。

その人はとても物覚えが良かったのですが、冷たく事務的な対応でした。「いえ、ありません」「できません」と取り付く島もない言い方をするので、お客さまから電話を切られることもよくありました。
それでも、「なんとか方法はありませんか」などとお客さまから喰い下がられると「フン」と鼻で笑ってしまうので、クレームになってしまうことも度々ありました。

ある日私は、クレームばかり引き起こすその人に「お客さまが困ってるのを、なんで鼻で笑うの!」と詰め寄りました。

するとその人は「…だって、他にどうしようもないじゃないですか。」とポツリ。

私は言いました。「そうでしょう?だったらそう言おうよ!

何かして差し上げられたらいいのですが、申し訳ございません。

そう言ってあげたいんでしょう?それを言葉にしなきゃ思ってたって伝わらないよ!」と。

そのとき、その人はびっくりしたような顔をしていました。しかしその後、お客さまに対して自分の感じたことを自由に伝えていいんだと悟ったその人は劇的に変わったのです。形ばかりのお詫びや代わり映えのしないクッション言葉などとは最初から全く縁のなかったその人からは、心からの言葉があふれ出るようになりました。

自分の感情を出せるようになると、お客さまの感情にも対応できるようになりました。それどころか、困ったお申し出にどう対応したらよいかと後輩から助言を求められたときも、お客さまのニーズとできることできないことの間で、マニュアルにはない現実的なゴールを考えてアドバイスするようにまでなりました。

お客さまから一方的に電話を切られ、直後にかけなおしてきたそのお客さまからの電話を他の人が取って「さっきの対応は何なんだ!」とのクレームが始まる、ついこの間までそんな人だったとは到底思えません。

トークが下手な人なんて、きっといません。そしてトークが成長するということは、仕事への取り組み方も変わることなんだなぁと思った出来事でした。

では、また。

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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。