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毎週水曜日はコールセンターの話

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コールセンターのオペレーターからリーダー、SV、企業向け電話応対研修講師へと叩き上げた経験から学んだことを書いていきます。電話応対に必要なこと、コールセンター運営に必要なこと、コ… もっと読む
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#電話応対研修

一次対応しかできない人と二次対応ができる人を分けるものとは~欲はあるか

一次対応しかできない人と二次対応ができる人を分けるものとは~欲はあるか

ネット通販なら商品の注文方法を聞かれたり、自動販売機なら釣銭が出てこなかったりと、コールセンターによってよくある質問は決まっています。その質問に答えられれば、入電の8割以上は答えられるかもしれません。そうなれば、一次対応者としては十分であると認められるでしょう。しかし、その後どれだけ業務に慣れても、残りの1、2割のイレギュラーな質問やクレームには対応できない人たちがいます。

その原因を、何回かに

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お役所仕事ってやつは……

お役所仕事ってやつは……

今回はトークスキルではなく、お役所仕事についての独り言です。

以前、公共事業のコールセンターにいたことがあります。SVが何人もいるような大きなセンターです。役所そのものではありませんが、私たちに委託しているのは地方公務員と呼ばれる人たちなので、まぁ、役所に近いと思ってもよいのではないでしょうか。

そこではクライアントによってマニュアルが用意されているのですが、そのマニュアルが曲者でして、おいそ

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次、会うときにどんな関係でいたいかを最後に示せ

次、会うときにどんな関係でいたいかを最後に示せ

先週は、電話を取ったときの最初の言葉の重要性とポイントについて説明しました。

今週は、電話を切る前の最後の言葉の重要性とポイントについて説明します。

コールセンターでは、電話を取ったときの最初の言葉と同様、最後の言葉も決められていることが多くあります。それは、電話を切るときの印象が、その対応についての記憶として残るからです。その大切な最後の印象を会社のブランドイメージと合ったものにするために、

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相手の期待する役割になりきれ!

相手の期待する役割になりきれ!

コールセンターでは、まず電話を取ったなら、「①明るく笑顔が伝わる声」で、「②少しゆっくり目」に、「③はきはきと聞き取りやすい話し方」をするよう指導するところが多いと思います。
もしも、お客さま窓口の対応者の話し方が暗く不安そうな声でぼそぼそと聞き取りづらく、しかも、あまりにも早口やあまりにもゆっくりな速度だったら、きっとあなたは電話をかけたことを後悔するでしょう。
いやいや、そんな人、普通いないよ

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客のことをバカだと思えって言うんですか!?

客のことをバカだと思えって言うんですか!?

受験なら落ちるんじゃないか、宝くじなら外れるんじゃないかと悪いほうへ悪いほうへと想像するのに、コミュニケーションにおいては曖昧な状況を自分の都合のいいように解釈するということが多いようです。

事例紹介以前あった事例です。

そのセンターでは、商品詳細に関する質問は担当者から折り返すという運用になっていました。そこで、商品について教えてほしいという入電に対して、名前や電話番号を聴取したあと、いざ質

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伝えなければならないことがたくさんあるときに落ち着いて話す方法

伝えなければならないことがたくさんあるときに落ち着いて話す方法

先週、特に初心者はゆっくり話しましょうという話をしました。
相手にゆっくりと話してもらうためです。

しかし、あれも言わなきゃ、これも伝えなきゃと思うとどうしても早口になってしまうという人も多いのではないでしょうか。

そんなときに落ち着いて話す方法をお伝えします。この方法を使うと、あなたの話を聞く相手も落ち着いて聞いてくれます。

その方法とは、「全体像を示す」こと、これだけです。

全体像を示

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そろそろ内線や外線を取らされ始めた人たちへ

そろそろ内線や外線を取らされ始めた人たちへ

4月に新しい職場に入った人たちはオリエンテーションや業務研修などを一通り終えて、そろそろお客さま扱いが終わる頃ではないでしょうか。

そんなときにやらされるのが電話の取次ぎです。

そんな人たちに、ぜひ使ってほしいスキルを2つだけ、お伝えしたいと思います。

① 笑顔でゆっくり話す大体において、電話をかけてくる人たちは早口です。
(テンパっている状態では、普通の速度でも超早口に聞こえます)
もちろ

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電話応対のコツは、なぜか3つ

電話応対のコツは、なぜか3つ

電話応対で使うスキルはいろいろありますが、なぜか3つにまとまるものが多くあります。

【伝えるもの】 ⇒ ①ブランドイメージ ②感動 ③情報(対応内容)

【使う感情】  ⇒ ①感謝 ②申し訳なさ ③共感

【非言語スキル】 ⇒ ①スピード ②抑揚 ③間

【傾聴スキル】 ⇒ ①相づち ②復唱 ③質問

【積極的傾聴の要素】 ⇒ ①受容 ②共感 ③一致

【ビジネスで使う相づち】 ⇒ ①はい ②え

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「えーっ、お客さまにこんなこと言えない!」というオペレーターに私がよく言っていたセリフ

「えーっ、お客さまにこんなこと言えない!」というオペレーターに私がよく言っていたセリフ

返品できない商品を返品したいとお客さまが言ってきたとき、
お客さまが指定した商品ではご希望のスペックを満たしておらず、そのスペックを付けるとかなり金額が跳ね上がるとき、
不良品だと送り付けられてきた商品に対し、「不良品ではありませんでした(=返金・交換不可)。」と伝えなければならないとき、
社長を出せと言われたとき、などなど。お客さまの持つ期待とかけ離れているであろう回答をしなければならないときが

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人でなしな対応をするオペレーターはなぜ人でなしな対応をするのか

人でなしな対応をするオペレーターはなぜ人でなしな対応をするのか

本当なら人にサービスを提供するはずの場で、また一人傷ついた人がいました。

NNさまは音声ガイダンスに翻弄され、AIによる尋問に耐えたあげく、20分かかってようやく人間につながることができたにもかかわらず、その人間から”人でなし”な対応をされてみじな気持ちに打ちひしがれました。

最後に対応してくれた人が良い人だったことが救いでしたが、なぜNNさまをして「人でなし」と言わせしめるようなことが起こる

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トークはニコラシカのように

トークはニコラシカのように

「ニコラシカ」をご存知でしょうか。
カクテルの一種で、ブランデーを注いだグラスの上に砂糖が盛られたレモンスライスが乗っているものです。
グラスの中にあるのはただのブランデー。
レモンと砂糖を口の中にほおばり、その状態でブランデーを流し込み、口の中で完成するカクテルなんです。大人でしょう?トークもこのようにありたいものです。

主語や述語を省かず理路整然と言葉にし、相手に伝えたいことを正確に表現する

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トークスキルの向上とダイエットが似ているかもしれないという話

トークスキルの向上とダイエットが似ているかもしれないという話

kojuro先輩がダイエットに取り組んでいる。

先輩は、一見順調に体重が落ちているようには見えても体質を変えなければリバウンドの恐れがあり今が危険ゾーンであるとお考えのようだが、私の増え続ける体重を見るにつけ、いつ先輩の体重を超えてしまうだろうかという危険をひしひしと感じている。

さて、そんなダイエットとトークスキルの向上は似ているかもしれないと、ふと思った。
それは、以下の2点である。

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友達の多い人が電話応対がうまいとは限らない3つの理由

友達の多い人が電話応対がうまいとは限らない3つの理由

電話応対の向上のためには、それまで意識したことのなかった自分の話し方を修正しなければならないため、非常に努力が必要です。
間違った情報を案内して叱られるときは素直に謝罪することができても、話し方に対して「笑顔が伝わらず事務的」だの「配慮の言葉が足りない」だのとダメ出しをされると人格を否定されたような受け止め方をする人もいます。そんな人が口にする理由の一つが「私、友達だってたくさんいます!」というも

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なぜ社内研修は効果がないのか

なぜ社内研修は効果がないのか

コールセンターに入ると、まず電話応対研修が行われる。
そして、コールセンターにもよるが、定期的にそして必要に応じてトークがチェックされ、課題を出されたりする。

研修をする間、電話を取ることはできないがもちろん時給は発生する。
トークのチェックはその訓練を受けた者が行うが、それでも数分でできる作業ではないから、その評価をする時間の時給は発生する。チェック数が多ければ、その費用もバカにならない。そし

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