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「専門医偏在」の課題に挑戦し、誰も取り残さない医療をめざす。【前編】

経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォームKEIEISHA TERRACE。「イマ、ココ、注目社長!」では、各業界でご活躍中!いま注目の社長に、事業、経営、経営者とは、理想の幹部像などについてズバリお聞きしています。


「誰も取り残さない医療を」というミッションを掲げる株式会社Medii。希少性の高い疾患に関して相談をしたい医師と、専門領域の知見をもつ専門医とのオンラインマッチングサービス「E-コンサル」を主軸に成長しています。

免疫難病の専門医としても活躍する代表取締役医師の山田さんがMediiを起業した背景には、どのような原体験があったのでしょうか? 前編では山田さんご自身の軌跡と、ビジネスモデルの独自性についてお聞きしました。

(聞き手/井上 和幸)

山田 裕揮氏 株式会社Medii 代表取締役医師

難病や希少疾患を中心に、専門医の知見や経験を最大化する仕組みを

――山田さんは医師として活躍されてからMediiを起業されています。まずは医学部を目指したきっかけについて伺ってもよいですか?

山田 まず、「何を社会に残せるのか」という人生の問いがありました。そのとき思い浮かんだのが、母のかわりに育ててくれた曽祖母が亡くなったことでした。また、中高生の頃は量子力学や周辺領域の勉強をするのが好きで、将来は研究者になってノーベル賞をとりたいと思っていたほどです。医学の分野は解明されていない点が多く、研究対象として魅力的ではないかと思いました。これがもともと医学部に興味をもったきっかけでした。

また、私自身が中学生の頃、厚労省指定の難病に認定され、病気のつらさを味わった経験も影響しています。大切な人が似た立場におかれたときを想像すると、医療の専門的な知見があれば何かしら力になれるのではないかと思ったんです。

――医師を志した背景には、そんな原体験があったのですね。山田さんはリウマチ膠原病専門医としても活躍されていますが、この分野を選ばれた背景は?

山田 医学部に入ったときは外科にも興味がありましたし、循環器内科も検討しましたが、診療科それぞれの雰囲気を実際に知って、自分により合いそうな科を決めました。

――難病だと都市部にしか専門医がいなくて、地域格差に課題意識をもっていたとのこと。その格差は医師になってから強く感じたのでしょうか?

山田 そうですね、私も患者として治療で遠方の病院に通うのに苦労した経験があります。難病患者は全国にいて人口の約5%を占めています。複数の医療機関を受診する時間的・経済的な負担をかけさせない方法はないだろうか、という課題意識がありました。事実、医師になってから、その領域で得意な先生を探すのに苦労した経験もありますし。

また、新しい薬剤が次々に発売されても、新しく特殊な薬剤であるからこそ利用判断が難しく、届くべき患...

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