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崖っぷち!慢性的赤字病院復活への道(2)

なぜ転職してまでここで働くのか

病院の経営の立て直しと病院の新築移転と言う二大プロジェクトが同時進行で進むが、なんせ慢性的な赤字体質・・・そこに蔓延る何とも言えない無気力感。これをどう改善して軌道に載せるのか?

普通の人なら誘われても断りそうな状況下、私が最初に考えたのは『面白いんじゃない?』でした。

それまでは1,500人規模の医療法人グループで、それなりの役目をこなし名前も売れきていたのですが、ふと考え出したのが、果たしてこの背負っている看板がなくなっても自分は0から通用する実力があるのだろうか?と言うことでした。

じゃあ、全くといっていいぐらい無名の小さい病院を、めちゃくちゃ成功させて存在感たっぷりの病院にしたら、自分自身にも自信がつくし、実力の度合いもわかるな、と考え迷わず飛び込んだ次第でした。

さてさて、そんな状況下で着任した部署は『地域医療連携室

あれ?経営企画室ではないの?となるところですが・・・

実は一般的には馴染みがほぼ無い部署ですが、病院においては地域や他病院などとの窓口となる非常に重要な部署であり、ここの状況を見ればおおよその院内の患者動向の流れもわかってくると言う、面白く、そして肝な部署でもあるんです。

例えば頭が痛いので、どうせならMRIも完備されているし大きな病院なら安心だし、〇〇病院に行って診察してもらおう!と思って、ホームページを見ると完全予約制の文字が!おし、ならば電話して予約しよう!→電話する→やんわりお断りされる。『新規申し込みは開業医か他の病院からしか受付していないんです』と、なります。今や大きな病院の新規予約はこんな感じで全て地域医療連携室が担います。開業医は普通に個人で予約できるのですが、ここは大きな違いですね。なぜそんなシステムなのか?全てはお釈迦様(厚労省)の号令一下、全国一斉に法に沿った形になるわけです。

このようなBtoCでの受付も担うのが地域医療連携室ですね。

いわゆる、BtoB,BtoCのコントロールをするところです。

対地域、対病院、対施設などの全ての窓口なので患者さんの入りと出をデータで把握できるところでもあります。これがけっこう重要です。いわゆる顧客動向のBIGデータの集まる部分です。

ドアを開けた一瞬で勝負は決まる

着任初日のまさに朝一、このドアを開けた時の自分に突き刺さる視線を想像する。

視線の先にいる自分がどのように映るかで今後の勝負が決まるといっても過言ではないでしょうw

ハウスマヌカンの視線をかいくぐる感覚(笑) 死語か。。。

めちゃくちゃ気合を入れて出来る人感を出して威圧するでもなく、かといって脱力しすぎでもなく、人間にはいい塩梅が必要です。

お、この人なら何か頼れそうかも・・・具合が重要です(笑)

しかし、ここは慢性的赤字から脱却できない病院です。

現場にはうまくいかない空気でギスギス感も凄いでしょうし、逆にやるべきことはちゃんとやってるのに・・・お前に何で言われないとあかんねん、と言うプライドも相当あるでしょう。また逆に未来を見ることも忘れ、未来を語ることすらなく、何もかも諦めて適当に日々のやっつけ仕事をこなすだけになっているかもしれないです。

そんなところで、息巻いた将来像や、あるべき正しい姿、赤字脱却の正論を訴えたところで何の役にも立たないのがオチでしょうか笑。

まずは中に入って、仲間と認めてもらい信頼・信用を得ることから。

そんな事を考えながらドアを開けて一歩入り、慢性的赤字脱却と永続的な黒字を担保し、ついでに新築移転を成功させると言う多重ミッションが始まったわけです。


to be continued・・・(3)



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