【AJCC】中山芝2200mはリピーター続出!?性別と季節の関係とは?
この記事では2022年AJCC(アメリカジョッキークラブカップ)の血統傾向を解説しています。
コースレイアウトやラップバランスなどからレースで求められる資質を整理し、その条件に強い血統を紹介します。種牡馬などの簡単な血統傾向からインブリードなどの配合のポイントまで、血統初心者から血統マニアまで参考になる解説を心掛けています。各馬の血統診断や馬場解説等はYouTubeメンバーシップ、最終予想はYouTube動画で配信しています!
リピーターの多い特殊条件
(坂上)
今週は中山芝外回りの2200mというやや特殊なコース条件で行われるAJCCです。ラップは以下の通りで、前半やや遅めからの後半は持続力勝負といった流れ。ただ、これは中山芝外回りのコースレイアウトも影響しており、残り1600mまでは強めの上りですから、数字ほど楽なラップを刻んでいるわけではありません。
(坂上)
また、向正面~3角は緩いカーブですから、比較的マクリの決まりやすいコースでもあります。「先行力」が求められる内回りの1800mや2000mよりも「末脚の持続力」が求められるのが中山芝2200mというコースといえるでしょう。
(生駒)
そういった特殊性が中山芝2200m巧者をたくさん出している要因なんでしょうね。近年ではミッキースワロー(2017年セントライト記念1着、2018年AJCC2着、2019年オールカマー2着)が代表例ですし、遡ればマツリダゴッホ(2007年AJCC1着、オールカマー1着、2008年オールカマー1着、2009年オールカマー1着)やトウショウシロッコ(2006年セントライト記念2着、2008年オールカマー3着、2009年AJCC3着、2010年AJCC3着、2010年オールカマー3着)など挙げれば切りがありませんね。
Princely Gift vs Lyphard !?
(生駒)
中山芝2200mが特殊条件であることは間違いないんですが、血統的にはいろんなアプローチができるので、絞るのがちょっと難しいんですよね(笑)ただ、そのなかでも注目しているのはPrincely Giftでしょうか。Princely Giftはトモが薄い反面、前捌きが柔軟で下り坂を下ることに長けた血統です。特にステイゴールド系の活躍が目立っており、昨年はAJCC2着馬ヴェルトライゼンデ(父ドリームジャーニー)、セントライト記念2着馬ソーヴァリアント(父オルフェーヴル)、オールカマー2着馬ウインキートス(父ゴールドシップ)とすべての中山芝2200m重賞で連対を果たしました。
(坂上)
なるほど。ただ、自分はLyphardから攻めたい派ですね(笑)LyphardはLady Juror~Fair Trial的なスピードと持続力が特徴ですから、3~4角でスッとペースアップする姿が似合うんですよね。Lyphardを直接インブリードする形でもいいですし、DanzigやNureyevなどでLady Juror~Fair Trialを増幅する形もありかなと。AJCCではどうも成績が振るいませんが、オールカマーやセントライト記念での成績を考慮すれば十分狙いが立ちそうです。
季節と性別の関係
(坂上)
あと、最後に挙げたいテーマは「牡馬優勢」という点ですね。これは、以前にYouTubeでとうけいばさんとお話ししたことでもあるんですが、競走馬は牡馬と牝馬で調子の波が違うんですよね。下のグラフは世代限定/牝馬限定戦を除いた月別の性別成績(芝限定)ですが、馬体重も同じような変化を見せることから、この傾向は間違いないでしょう。牝馬の方が冬毛が目立つこともそれを表しているのかもしれません。
(坂上)
これは、AJCCとオールカマーの牝馬の成績を見比べてみてもわかりやすいですね。出走頭数も違いますが、何より好走率に大きな開きがあります。今年は牝馬の登録がないので使えるデータではありませんが、このレースに限った傾向ではないので、こういった競走馬の性質は覚えておいて損はないでしょう。
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