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cotreeのコーチングを受けた話

春にcotreeのオンラインカウンセリングを受けた。
2月の国家試験を終えたらご褒美にと考えていたもので、同時に『自分の中にある鬱蒼をしたものをどうにかしたい』と思って受けたのだけれど、これが自分が想像している以上に良くて、心や頭の中に陣取っていた、何だかよく分からない靄のような、こんがらがった糸のような、或いは膿のようなものが、徐々に浄化されていくのを感じられた。

実はこのカウンセリングを申し込む時、コーチングにも目が留まった。

自信を持ちたい時、目標を達成したい時等に受ける…私に当てはまるとしたら前者かな?目標(社会福祉士取得)はとりあえず達成したし。

『でもコーチングって、仕事で大きなプロジェクトを抱えて大変な人とか、仕事の方向性に迷った人が受けるといいものじゃないのかな』
『私の場合、働きたいフィールドはそこそこ定まっているし、方向性はある程度固まっているんだよね』
などと考えていると目に飛び込んできた一文が。

【性格分析をすることであなたの特性を理解する】

これ、私がとってもとっても興味のあるものなのだ。
学生の頃から、何度か知能テストだの心理検査だのを受けたことが誰しもあると思う(現在はどうか知らないけれど)。私、実はこういう類のものが大好き。占いも好きなんだけれど、数値化して分析するのがとっても大好き。だってシンプルで分かりやすい。高校生の頃に受けた、やはり性格分析(だったかな?)では、主体性がないとかアイデンティティの確立が出来てないとか散々な結果だったのを未だに覚えている。まさかあの時受けたものと似通ったものがまた受けられるなんて。

その内受けよう、絶対受けるぞ。仕事の先行きが見えて来た頃に!と決めていたんだけれど、意外に早くその時はやって来た。

自分が行きたい場所へ行けない。行く為にささやかな行動を起こす事すら躊躇われる。

現状については後述するが、とにかく仕事の面で『動くに動けない』状況に陥った私は、いつか受けたいなと思っていたコーチングを絶対受けようと決め、勤務表と睨めっこしながら予約を入れた。

予約を終えたら、性格分特性診断に取り組む。
これ、いかにも私らしいというか何というか、ほとんどが『どちらでもない』的な回答。その裏側には、『その時の状況にもよるしなあ……』という想いがある。私が一方の考えに全振りしていたとしても、それを表に出すのはその時どんな状況なのかによる。回答している内に、何だか自分ってつまらないなと感じてきたが、正直にありのままを出すことで自分がどんな人間なのかが見えてくるのだろう。

ちなみに、私の特性はこんな感じ。
しまった、文字が見にくいな……。

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コーチング当日、慣れないzoomを起動し、藤田コーチと対面を果たした。

鮮やかな女性だな、というのが第一印象。ある程度ぱきっとした、それでいて濁りのない、例えば夏の空の青さだったり、そこに浮かぶ雲の白さ。
私が最近パーソナルカラーに興味津々なせいか、そんなイメージが浮かんだ。

あ、きっと話しやすい。挨拶をしながら、確信していた。

最初は、何故コーチングを受けようと思ったのか、これまでにどんな風に仕事をしてきたのか、どんな風にスキルアップを重ねてきたのか。また、そうしようと思ったのは何故なのかを話していく。
とても一言では言えないのだけれど、振り返りをしていくような気持ちで話す。

私は以前も書いたが、かつて勤めていた会社で随分心身を病んでしまった経験がある。
その頃からぼんやりと、『次に働くなら会社の為じゃなく人の為になるような仕事がいいな』と考えていた。そしてどうせなら、幅広く人に関われる仕事をしてみたい。
そこからが早かった。
社会福祉士の取得を目指し、資格取得の為のルートを調べ、自分に一番適したルートを決めた。
まず通信制の大学を4年で卒業した(この年に介護福祉士を取得した)。同じく通信制の専門学校に入って、仕事を休んでスクーリングや実習に通い(有休が綺麗に吹っ飛んだ)、レポート地獄にも何とか耐え抜き、夜勤をこなしながら国家試験の為の勉強も(出来る範囲で)やった。結果、ギリギリではあるものの何とか資格取得を叶えることが出来たのだ。
これを伝えた時、藤田コーチは申し訳ないくらい称えてくれたのだけれど、ここまで来る道のりがあまりに遠く、その一方であまりにあっという間だった。何だかよく分からない内に目標を達成していた、という感じ。
こう書くと物凄く努力したという印象だけれど、自分の事だからだろうか、どうも『死にもの狂いで頑張った』という実感がない。
そもそも、仕事をしながら勉強するにはまず健康維持が最重要必須課題。まして私は中年女性。何よりもまず、元気でいることが重要だった。死にもの狂いになってしまうと、本当に倒れても不思議ではなかったと思う。
振り返れば、何度かまずい状態に陥ったこともあったのだ。
けれど、その負のピークは不思議なことにいつも休日やその直前に訪れた。
今日頑張れば明日は休める。
今日は沢山食べて、しっかり寝よう。
そんな風に、一番しんどい時期を何とかやり過ごしてきた。
でもこの程度で済んだのだから、私はとても幸運なのだろう。

私は運が良かったんですよね。

コーチに話すと同時に、自分にそう声をかけた。
一時は社会復帰なんて出来ないんじゃないか、という状態に陥ったものの、そこからどうにか未来に繋がる目標を見付けて、自分でそこに至るまでの筋書きを描き、きっちり6年、私が考えていた最短期間で目標を達成することが出来たのだ。
ここに至るには、家族や友人、職場の人々の理解と助力が不可欠だった。
そして、金欠だった時に頼った奨学金等の存在も大きい。
ヒト・モノ・カネ、これらが本当にうまい具合に私を助けてくれたのだ。だからこそ、ここまで進むことが出来た。私自身の気力や根性なんて、ほんのエッセンス程度に過ぎない。現に目標をとりあえず果たした今、私は特に何を学ぶでもなく、休日は怠惰に時を過ごしているのだ。
寝て起きて、食べ、少し運動し、ネット配信のドラマや映画を観まくり、今の状況を鑑みステイホームを決め込んで通販で買い物をする。そして食べて、寝る。
私は何か目指すものがなければ、とことん怠けてしまう。いや、それでなくても基本的に怠け者なのだ。
上の図では【自己理解】の値が突出しているが、そこは素直に納得だ。私は嫌というほど自分を分かっている。


話していく中で出た「頭の中の8割が仕事なんです」という一言。
何気なく、意識せず零れた言葉だけれど、ああそうだったんだなと思った。

私は今でこそ介護職に就いているけれど、それは現場を知る為。最初から相談援助職に就くことが目標だったし、それは大学、専門学校で学んできた6年の間、ほとんどブレたことがなかった。だからきっと、これが私の天命なのだろうな、とも思う。そう思いたいだけなのかも知れないけれど。
今年社会福祉士を取得してから、さてこれからどうしよう、と考えた。
最初は子供に関わる仕事が出来たらなと思っていたけれど、6年病院で介護の仕事をしてきて、一つの分野にこだわらなくてもいいのかな、という気がしていた。
だから資格取得後、割とすぐに上司や人事に掛け合ってみたのだ。介護職から相談職に変われないだろうかと。
これはもう、本当にダメ元。資格を取ったら異動出来るなんて言われてないし、この時まで自分から希望することもなかった。
だってそうだろう。伸び代もさしてない40代に対して、取れるかどうかも分からない資格を『取れたら異動ね』なんて、私が経営者や人事担当だったら絶対に言わない。そんな事、軽々しく口約束でも結んだりしない。『実現するかどうか怪しい事を掲げて、成功したら希望を叶えて欲しい、と条件を突きつける人』に対して、安易な約束をするなんて、私ならしない。
もしその条件を飲むとしたら、それは相手がこれまでに何らかの成果を出していることが必須。仕事上、信頼に足る功績をあげていることが最低限のラインだ。そして勿論、人間性も重要。
じゃあ私は、この職場にとってどういう人材だと思われているのだろう?
少なくとも、悪くは思われていないだろうけれど、ずば抜けて良いと思われているわけでもないだろうな。言葉は悪いが、印象が薄い、その他大勢。そんなところだろう。

だからこそ、私は確実に目標が達成出来る瞬間を待っていた。
結果を携えてこそ、交渉のテーブルにつく資格が得られる。その時までに、誠実に職務をこなし、組織の中で十分対応出来るということも証明しなければならないと考えていた。この数年で、きっとそれはある程度実行出来たと思う。

私の希望に対し、組織の答えは思いがけず厚意的なものだったのだけれど、大きな問題があった。

数多の病院・施設で叫ばれている人手不足の問題である。

末端職員に過ぎない私も、この問題については割と深刻に考えていた。
私は経験年数から言えば中堅の部類。とても新人のような顔は出来ない立場だ。ここ3年ほど、新人指導にあたることも増えた。
だからこそ、人を育てることの難しさにぶち当たっている。
何せ、育たない。
思っていた以上に大変だったとか、そもそも組織にそぐわないとか、身体が辛いとかの理由で、短期間で辞める人の多いこと。中にはメールで退職の意を送ってきた人もいる。
しかし、だ。
これには、私達指導する側の人間にも少なからず原因があるのではと思う。
その人に合った指導が出来ず、加えて指導者が満足に新人に付けなかったりして(ここでも人手不足の呪いが)、結果うまく育てられない。故に定着する人が少ない。つまり人手不足が解消されない。そんな中で新しい人が入っても、どうせすぐ辞めるんだろうな……と思いながら指導にあたるから、新人の特性を見るところまで気が回らず、マニュアル通りの指導になる。それが合わない人にはなかなか教えた事が浸透しない。即ち、最初に挙げた『その人に合った指導』が出来ていないのだ。とんでもなく生産性のない不毛なループ。

藤田コーチに対し、「資格を活かした仕事をしたいのにそれが出来ない。しかもそれは自分ではどうしようもない原因から来ている。転職を考えようにも求人自体が少ない事、今の職場環境がそこそこ良い事もあって、また自分が辞めたら後が大変なのではと思うと動くに動けない」とお話ししていく内に、そうそう、これが自分のモチベーションを下げている理由なんだと実感した。

私が今の立場に留まる理由は、組織的な問題もあるけれど、ひとえに安定した暮らしを手放すわけにはいかないからだ。
安定した収入、安定した環境を守る為には、向こう見ずな行動で失敗するわけにはいかない。若い頃のようには動けないのだ。何度も転職しておいてこんな事を言うのも何だが。
こんな所も診断結果にはよく表れていて、【経済的成功志向】の値が高い。とっても高い。これは生育歴も影響しているのだと思う。
最も、今現在経済的に潤っているかと言えば……まぁ、昔よりもいくらか良くなったのかなというところ。

自分が動けない要因の一つが、まず経済面での安定を損ないたくないという点。
他には、現状がよく理解出来るだけに、自分の気持ち最優先で動くのは周りに対して申し訳ないと思う点。これはコーチ曰く、【配慮】の項目の値の高さと【フットワーク】の低さが関与しているらしい。周りを思うあまり、行動出来ない。言われてみればその通りで、納得の結果だ。
周りとは、職場の人達もそうだが家族もそう。
私一人ならば、それこそ勢いで少々無理をしてコケてしまったとしてもどうとでもなる。しかし私には母がいて、生活を共にしている。弟妹がいるとは言っても、いざという時一番最初に動かねばならないのは私だろう。そう考えると、リスクを背負いこむことは極力避けて通りたい。
ノーリスクの転職なんてあり得ないと分かってはいるけれど。

じゃあ、これだけの理由があるなら現状維持でいいのでは?

「もしこのまま、定年まで今の仕事を続けたとしたらどう思うと思いますか?」

藤田コーチからの問いに、私は一瞬ぞっとした。
その未来を考えなかった訳ではない。今の仕事は嫌いじゃないし、待遇も悪くない。そういう道もなくはないのだと思うし、そちらの方が現実的なのかも知れない。
それでも、きっとずっと悔やみ続けるのだろうというのは容易に想像はついた。しかも何のアクションも起こさずに、現状維持の為に本当にやりたい事に背を向ける。きっと私は自分ではなく、周りの環境を責めるだろう。

自分の努力なんてエッセンス程度、なんて書いたが、それでも確かにこの6年、自分の持つ力を出し続けてきた。自分で目指すものを見付けて、そこに至る為の道を切り開いてきたのだ。
それが、無駄になる。こんな恐ろしい事はそうそう無い。
これは、遅かれ早かれ何らかの行動を起こすべきだと思った。

では、今私がすぐにでも出来る事は何だろう。
これはお話していく中ではっきりした。

これまで忙しさの中でついおざなりになってしまっていた、人材育成。

自分が抜けたら他の皆が大変だと分かっているのであれば、それを解消していくことが肝要。そこがクリア出来たら、少なくとも組織的な問題はすぐに消えないまでも随分小さくなるだろう。
「その人に応じて指導していくのは得意なのでは?」とコーチに問われ、恥ずかしながら「はい」とは言えなかったが、少なくとも素養はあるみたいなのでこれを伸ばしていくことも課題だろうと思う。
並行して、外部にもアンテナを張ること。これは転職活動の事だけれど、無鉄砲なことはしない。これは鉄則。
職場内での異動が本当はベストだけれど、そこにこだわり過ぎていてはきっと視野が狭くなってしまう。自分が本来何を目指していたのか、そこを見失わないように常に頭の中を冷ましておく。

今回のコーチングで、これだけの事が分かり、整理出来た。
まずは、今の環境を自分が動きやすいように整えることだ。それが出来て初めて、次のステップへの準備段階に入ることが出来る。
先を見ようとするあまり、現在の自分の環境を冷静に分析出来ていなかった。私に必要な事だったのに。

自分一人で悩んでいるだけでは到底ここまで来れなかっただろう。
同僚と不平不満を語り合い、変わらない現状に失望し続ける日々を送っていたと思う。それはそれで、話すことでストレス解消にはなるのだけれど、だからといって生産的な手段にはならない。
自分が動き出す為の環境作り。それを怠ってはいけなかったのだ。

1時間という短い時間だったにも関わらず、藤田コーチのリードのお陰でかなり目の前が明るくなった。
今現在を見る限り、私はまだこの場所から離れることはなさそうだ。
その内、何か変化が起こった時にはもう一度コーチングをお願いしたいと思う。
きっとまた、新たな気づきが得られるはずだ。


藤田様、今回は本当にありがとうございました。

あの後、【完遂】の値が低かったことについて考えたのですが……恐らく、自分の興味がない事には早々に見切りをつけてきた為かと思います(笑)。
学ぶ事に貪欲なのは、あくまでも自分が興味を持った事限定でした。

とても楽しく、あっという間の時間でした。まとまりのない話でしたのに、聞いて下さって嬉しかったです。
是非また次回、どうぞよろしくお願いします!


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