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大人にこそ読んでほしい絵本(『そらいろのてがみ』)

糸井重里さんのツイートを見ていた時だったと思いますが、
ふと可愛らしい絵を目にしたのがおそらく最初でした。

ながしまひろみさん

糸井さんのことばをマンガにした連載
『やさしく、つよく、おもしろく。』を見て以来、
可愛い子どもたちのイラストにほっこり。
ほのぼのとしていて、でもグッと来る場面もあるストーリーにも
夢中になっていました。

そんなながしまさんが、
今回はじめての絵本を出版されました。
『そらいろのてがみ』

大人の自分が・・・・・・とも思いましたが、
読みたい気持ちを抑えきれず購入しました。

自分のお金で自分のために絵本を買うという経験は、
今回が初めてです。

主人公はおなじみ「ゆきちゃん」

ながしまさんのマンガをTwitterなどで目にしたことのある方は
もうおなじみだと思いますが、
『そらいろのてがみ』の主人公は「ゆきちゃん」という女の子。

『やさしく、つよく、おもしろく』の主人公もゆきちゃんで、
いまcakesで連載されている『鬼の子』にもゆきちゃんは出てきます。

『やさしく、つよく、おもしろく。』のときのゆきちゃんは、
主に小学生のころ。
『鬼の子』に出てくるゆきちゃんは中学生。
(明記はないですがおそらくそうだと思っています。)

『そらいろのてがみ』に出てくるゆきちゃんは、年齢が分かりません。
でも、小学生よりももっと幼い年齢なのかなと想像しています。

ゆきちゃんが季節を知るおはなし

『そらいろのてがみ』は、
ゆきちゃんのもとにそらいろのてがみが届いて、
そこには季節を知らせるお便りが書いてあって・・・・・・というおはなし。

それぞれの季節を告げるようなものも、てがみにはついてきたり、
ゆきちゃんの心情や体験が、文章として書かれていたりします。

複雑な描写はなく、とてもシンプルで読みやすく、
分かりやすいイラストで進んでいくおはなしです。

ゆきちゃんは、そこかしこに見せる表情がやっぱり可愛らしく、
特にお父さんと一緒に寝ている姿はネコみたいな小動物のよう。

ゆきちゃんの住んでいるところは、広大な山や田畑が広がる自然の中に
ポツンとある一軒家。
絵本の最後にながしまさんのプロフィールが載っていたのですが、
「北海道生まれ」というのを見て、北海道の景色をもとにしたものなのかなと、
これも想像してしまいました。

大人にこそ読んでほしい絵本

絵やおはなしは、これまでのながしまさんのマンガと同じく、
ほのぼのしていて、子どもが読みやすいと思います。

でも、今回読んでみて、
「大人にこそ読んでほしいな」とも感じました。

季節の移ろいって、子どものころどうやって知ったかな・・・・・・
でも春には桜の花を見て、
夏にはセミの声を聞いて、
秋にはドングリやいちょうの葉を拾って、
冬には雪合戦をして。
自然と学んでいたような気がします。

この絵本は、
「家族で一緒に季節を感じる」、そんなおはなしのようにも思えました。
家族で一緒に季節の変わっていく瞬間を体験していく。
なんかとても暖かくて、
読むとそういう体験を子どもとしたくなるんじゃないかな・・・・・・。

ゆきちゃんは・・・・・・

『やさしく、つよく、おもしろく。』にも、
『鬼の子』にも、
そして今回の『そらいろのてがみ』にも
登場するゆきちゃん。

他にもながしまさんのTwitterで1・2コマのイラストがツイートされる際に
何度も登場するのですが、
同じゆきちゃんではあるものの、それぞれパラレルワールドのように、
別の世界を生きているゆきちゃんなのかなと思っていました。

でも、『そらいろのてがみ』ではやっぱりグローブが出てきたり、
最後に出てくるお父さんとお母さんの姿が、
『やさしく、つよく、おもしろく。』の1コマととても似ていたり。

『鬼の子』でも、ゆきちゃんの使っている机が
『やさしく、つよく、おもしろく』で出てくるものと同じだったり。

全く同じゆきちゃんの、違う年齢のころのおはなしが、
それぞれのマンガになっているのかな・・・・・・?
これも想像ですが。


大人も子どももほっこり暖かくなる
ながしまひろみさんの本、
オススメです。


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