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「家族マンガ」が好き(『ギャルと恐竜①』)

森もり子さん(原作)・トミムラコタさん(漫画)『ギャルと恐竜①』

ヤングマガジンで連載が始まった時から好き。
これはコミックスの発売が決定した時から買おうと決めていました。

『ギャルと恐竜』

原作の森もり子さんと、漫画のトミムラコタさん。
どちらもnoteにもいらっしゃいますが、自分はTwitterを通して
知っていました。

ギャルが酔った勢いで恐竜を部屋に入れて……
という始まりなので、厳密にいえば「家族」とは違うかも。
でも恐竜は「ペット」ではなく、「友達づきあい」とも少し違う感じ。

「ルームシェアメイト」が一番落ち着く言い方なのですが、
家族がテーマ・中心にあるマンガのような、
ほっこりした感じ、温かみみたいなものは結構あって、
無理やりですが「家族マンガ」のうちに入れてしまいました。

主役が「しゃべらない」という斬新さ

主役はもちろんギャルの「楓」と「恐竜」。
この主役の片方である「恐竜」が、全くしゃべらない。
(楓は普通にしゃべります)

主役が全くしゃべらないマンガってそうそう無いな……と思うのですが、
その分を補って表情や動きが豊か!
むしろしゃべらないからこそ、その表情や動きに注目してしまいます。

とにかく恐竜が面白い

口を開けてポケっとしたような表情がデフォルトの恐竜。
可愛いと同時に、センスが光るところも多々あり。

・ラーメンを食べられる
・玄関のチャイムが鳴るとのぞき穴を見る
・トランプゲームを知ってる
・神社の手水(作法)を知ってる
・みかんの薄皮(白いところ)は取って食べる

ふと見せる「生活のいち場面を恐竜がごく自然に行う」ところが、
フッと笑える部分です。

でも門松は知らずに食べてみたり、おみくじの意味は知らなかったり。
恐竜の「知ってること」「知らないこと」を中心に話が進むのが、
この作品の柱のひとつだと思います。

基本はギャグ満載のマンガなのだけど

何か大きな目的があるわけではなくて、
恐竜がまわりとの生活にすんなり馴染んでいる
恐竜が知らないなりに色々と行動していく
そこに生まれる「ズレ」が面白さのメインだと思います。

でも、
楓の体調が悪いのを恐竜が気遣ってみたり、
楓の周りの人間関係だったり、
「あ、いいな」と温かくなる部分も随所にあります。

恐竜のポケっとした顔と、自然と出るズレた行動だけでも、
見ていて可愛いし面白い。
「家族」とは違うけど、それに近い人たちの、
ちょっと珍しいマンガを読みたい人にはオススメです。

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