Mリーグ11/27② ハギーはメンタンピン赤では満足できない!?

11月27日(金)のMリーグ第2試合

出場選手は、

KONANI麻雀格闘倶楽部 前原雄大

TEAM RAIDEN/雷電 萩原聖人

KADOKAWAサクラナイツ内川幸太郎

赤坂ドリブンズ 園田賢

前原さんの対局はほとんど見たことないから楽しみ。

ハギーは内容よりとにかく連対(もちろんトップが)がほしいんだろうなぁ。

でもやっぱり内容が良い麻雀を見せてほしい。ハギーは何だかんだと注目を集めているし知名度も抜群だから、成績が悪くてもクビになる心配はないだろうけど、本人がツライよね。

麻雀だから、どんなに最善手を打てていたとしても負ける時は負ける。20戦くらいトップが取れないとかは、麻雀やっている人は誰しも経験があるはず。だから、どんなに負けたり、ポイントがマイナスでもいい。その代わり、麻雀の内容で見せてほしい。その上での個性としての三色や手役を追ってほしいな。

内川さんは、王道の麻雀をミスなく打つイメージ。

園田マジックは今日も見られるのか。

東家/前原、南家/萩原、西家/内川、北家/園田

園田が北家というのが興味深い。ラス親として、どんな卓回しをしてくるのか。萩原は序盤に失点することが多いので東場は原点以上で回れるか。

◯東1局 ハギー、打1万??

この局は、西家の内川が6巡目に嬉しいカン6ソーを引き、即リー。点棒フラットな東パツだし、当然、ドラの4ソーや8ソー引いての三色を待ったりはしない。ラス前やオーラスでどうしても点数を稼ぎたい時でなければ、7ピン4枚使いの絶テン69ピンなんて、音速でリーチ打つよね。

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このリーチは14巡目に内川が6ピンツモって、500、1000のツモアガり。

このアガリは、手順に分岐点や選択の余地はなく、誰が打っていても同じ結果になっていた。

点数がほしい状況なら、4ソー、8ソーか發をアンコにしての698待ちリーチか7ピンのアンカン、8ピンツモして7ピンアンカンのシャボマチリーチとか。

それよりも、

注目したいのは萩原の2巡目の手牌

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萩原はここで打1万とした。この打ち方は萩原の特徴的な打ち方だと思う。ターツ選択を決めきれない場合に、例えば今回みたいな135のリャンカン形(今回はさらに複合形だが)の1を切って、とりあえず内に寄せておこうとする打ち方。

LIVE中継で見ていた時、あれっ?中途半端じゃない?と感じた。自分だったらどう打っていたかを考えてみた。

①打1万 萩原の選択

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タンヤオを目指して、1万も9ピンも切るつもりだったのか?

(この後、8ピン4ソーとツモって、9ピンを2枚落としている)

だとしても、1万9ピン9ピンの順で落とすと9ピン2枚を引いて999のアンコとなる抽選が1巡だけ受けられ、9ピン9ピン1万の順で落とすと2万4枚を引いて123のメンツとなる抽選を2巡受けられるので、合計2枚対8枚でかなり差があると思う。(この計算は適当です笑)それに、123のメンツなら、最終形でピンフになる可能性もあり打点向上の面でも有利。

もちろん、1万を先に落としても4万のフォローがあるし、裏目の2万引いてもフリテンメンツで残しておく手もあるから一概に比較は出来ない。中継を見ていた瞬間はここまで考えていたわけではなく、直感的に2万の裏目めっちゃ痛くね?と思っていた。

②打4ピン

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 マンズで2面子、ドラそばの5ソーを活かしてソーズで1面子、ピンズの246のリャンカン形で1面子を作ることを想定。自分としては直線的にこう打つ。

先に2万が埋まれば、打5ソー。

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58万か9ピン引きなら、打6ピンのスジ引っ掛けのカン3ピン待ちリーチ。

3ピンか5ピン引きなら、58万9ピン待ちの変則3面張リーチ。3ピン引きの打6ピンで、9ピンがスジにかかっている待ちが一番良いな。

先にピンズが埋まった場合は、

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ソーズの伸びを見つつ、テンパったらどこ待ちでも棒テン即リー。

テンパイにならない牌を引いたら↓

1万引き→ツモ切り、4万引き→打1万、6万引き→打5ソー(微妙?5ソー残すべき?)

7万引いたらどうしたら良いの??ツモ切りがバランス良さそう。でも、カン4万、カン6万、7万の縦引きのテンパイがあるから、テンパイするだけなら残した方が良さそうだけど、最後の待ちは大体悪くなりそう。

4ソー、6ソー引いてソーズがリャンメンになったら、

打1万で、6種19枚

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打5万で、4種16枚

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何引いてもリャンメン以上のテンパイにとれるしさすがに打1万か。打5万だとソーズが先に埋まると、カンチャン待ちになってしまう。ただし、マンズが先に埋まれば必ずピンフがつくので(打1万の場合は4万引きのみピンフ)、どうしても満貫以上必要な場合は打5万もあり。

あと、打5万で先にソーズが入った場合は、打5万リーチでカン2万のスジ引っかけリーチを打てるが、たまたま5万を連打できた場合以外はスジの2万や8万は相当警戒されるのでスジ引っかけの意味はあまりない。(335や577からのシャボ待ちもスジ引っかけほどじゃないけど、そこそこ警戒)

ソーズがリャンメンじゃなくカンチャンの形になったら、打1万で下の形にして、6ソーや58万をチーして9ピントイツ落としのタンヤオに向かうのが良さそうじゃない?

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③打9ピン

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シャンテン数が遅れるが、9ピンのトイツ落としから、タンヤオも視野に入れる。

ソーズが伸びて門前テンパイなら満貫見えるし、タンヤオの仕掛けも出来るし、柔軟に対応できる打9ピンとする人が一番多いのではないかと思う。ただ、打4ピンとした場合でも、先に2万が埋まれば、どちらにせよ9ピンをトイツ落とししていき次のようなイーシャンテンを目指すからそんなに変わらないかな。

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この局は、結果としては1万から切っても9ピンから切っても変わらなかったけど、2つの打牌の差は結構あったんじゃないかな。

◯東2局 ハギー、打1万?(2回目)

萩原(親)の配牌が良い。

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ドラドラにソーズの3面張。マンズとピンズでメンツを作って、メンタンピンドラドラの親マンが見える。

①打1万 萩原の選択

 ドラドラを固定しにいった。ドラを使い切るという意思表示の打牌。123のメンツとして使うことは一切考えていない。

②打西(又は北) 

 これが一番良さそう。ドラは頭で使うつもりならオタ風を重ねる意味はないし。

③打白

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こんな風に、5万が孤立牌じゃなければ打白が良いと思うが、ドラドラだし、役牌を重ねても打点が見込めるから白切りはない。(オタ風から切る)

打1万のメリット

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例えば捨て牌が上の2つで全て手出しなら、1番目の捨て牌だとドラの2万をトイツ以上で持ってそうだよね。2番目の捨て牌だと持っているとも持っていないとも言えない。だから、ドラトイツが目立たなくなるメリットはあるかも。

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これだと、どうだろう。これでもドラをトイツ以上で持ってそうとまでは見えないと思う。持っているかも知れないけど、ドラが2万だからドラ引きに備えて1万を持っていたとも考えられる。

字牌を処理した後に1万でも大差はないから、結局はドラドラを使い切れるという以外にメリットはないかな。

打1万のデメリット

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ストレートに3万引きの123のドラメンツとして使えないのはどうなの?まだメンツ候補も足りないし、結構な裏目じゃない?

一見、3万引いて12235の形になるとドラの2万が1枚出ていきそうだけど、2万や4万引きで対応できるし、カン4万やカン3ピンをチーすれば、タンヤオドラドラの仕掛けもできる。

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ドラを引いてアンコになったり、

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こんなテンパイになったり、

3万を2枚引いて、

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ドラドラの部分で2メンツ使ったテンパイになることもあるし。

以下、2巡目以降のツモを見ていこう。

萩原 2巡目 ツモ發、打西

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うんうん。ドラドラだし、役牌にも意識があるね。

萩原 3巡目 ツモ4ソー、打北

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役牌残してオタ風から処理っと。

萩原 4巡目 ツモ白、打發

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まぁまぁ嬉しい牌を引いてきた。もちろんカン3ピンが埋まるのが一番嬉しいけど、役牌ドラドラでも最低5800だし良いでしょ。マンズやソーずが伸びれば白を落としていけば良いし。

萩原 5巡目 ツモ2万(ドラ)!!

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萩原、ノータイムで打5万。これは嬉しいツモ。前巡の役牌重ねがでかいわ。(2万がドラじゃなかったら白を落としそうだな、、、)

渋川さんと日吉さん「ドラ3!これはキター!!」

日吉さん「これは白ポンですね?」

渋川さん「ポンしましょう!何か3面張を捨ててカン3ピンになるのは不満ですが、ポンですね」

萩原 6巡目 北ツモ切り

萩原 7巡目 8ピンツモ切り

内川 7巡目 ツモ7ソー、打4万

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ここで打4万とし最短のイーシャンテンに受ける

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東ポンはもちろん、47ピンツモでも即リーするだろう。27000点持ちの東2局の南家、満貫など高打点を無理に狙う局面ではなく、親を流しつつ確実に加点していければ良い。この辺が内川プロのそつがないところだよね。

園田 7巡目 ツモ4万、打3ソー

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赤ドラのイーシャンテン。マンズが伸びたら3ピンが出て行く形。

前原 7巡目 ツモ3ソー、打1万

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チンイツも見えていたが、ツモ3ソーで赤5ソーが使えるようになったので、1万を払っていく。打点は見えるが、アタマもなく鳴きづらい形なので、他の三者と比べるとスピードが落ちる。

萩原 8巡目 ツモ6ソー、ツモ切り

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カン3ピン受けが残るのは嬉しくないが、ドラ3の白のポンテンを逃すわけにはいかない。迷っての打6ソーツモ切り。

園田 8巡目 白ツモ切り

萩原「ポン」

萩原、隠れドラ3の12000親マンテンパイ。

園田 9巡目

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予定通りの手牌変化。そして当然の打3ピン。

萩原「ロン。12000」

園田「ハイ」

日吉さん「あ〜、園田もここはちゃんと大きな返事をしましたね〜。まだまだ大丈夫って感じですね。」

園田、河と萩原の手牌を見渡して、うなづく。 12000点はイタイが、自身の手も満貫級の完全イーシャンテンで、白のポンテンは読めるところではない。納得の表情だった。

こういうのは非常に大事。後悔していたとしても顔に出さずに平然とする。(園田さんは後悔していないと思うけど)フリー雀荘でも調子が悪くてカッカしたり、投げやりになる人もいる。そうすると普段ならリーチする場面でも、調子が悪いからとダマにして、加点チャンスを逃したりする。

とにもかくにも、ハギー、親マン上がれて良かったね。頑張って、その点数を守るんだ!

◯東2局1本番 メンピン一発ツモ裏!

内川 3巡目 ツモ9ピン、打3ソー

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棒テン、真っ直ぐの打3ソーの9ピン残し。3ソーではなく7万を残したのは、6万、6ソーと引いた場合に9ピン、🀄️と落としてタンピン三色の狙いを残すため。(ただ基本的には🀄️ポンからの千点親流しが第一目標のはず。)

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ただ、この形になっても点棒状況等を考慮すれば、打7ピンの58万待ち1300点リーチの方が有利だとは思う。ただ2600〜ハネツモまでの打点が見込める両面、3面張の好形イーシャンテンになるし、最悪タンヤオの仕掛けでかわすこともできるから、タンヤオ確定するこの形なら🀄️トイツ落としもなくはないかな。(自分は即リー派だけど、一般的にはどうなんだろ)

この辺りを迷いなく打3ソーと打つ内川プロは、Mリーガーの中では現代的かつ現実的な打ち方だと思う。相変わらず隙がないわ。一般の視聴者としても、内川プロの麻雀はお手本って感じですごく参考になる。

あと、やっぱり27000点とは言え、原点以上の点棒を持っていることが大きい。安く流すのも、打点を狙うのも、両方の選択肢がとれるから。

萩原 5巡目

赤ドラはあるが、1メンツもなく手は遅い。

前原 6巡目 もうオリた!?

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ツモ1ピン、打4ソー。端牌を残して将来的に危険になりやすい中張牌の4ソーを切っていく。ここで降りるんだ。

前原プロ=「ガンガン行こうぜ!」

ってイメージだったから、予想を裏切られた。こういう麻雀打つんだー。それとも今シーズンは調子悪そうだから、そういったことが影響して守備的になっているのかな。

1ピンや字牌1枚くらい打つ人は多いと思うけど。園田プロなんかは、とりあえず役牌1枚切って様子見しそう。役牌ってアガり役として頻出するし、その扱いは重要かつ個人差があるよね。

★役牌の取扱い

①相手が重なる前に先切り

 最近の流行り。あとピンフ手はオタ風残して(アタマにできる)、役牌から先に切る(ピンフには要らない。アタマにできない)とか。

 これやると、1段目の早いリーチに対して字牌のシャボ待ちや単騎待ちに打たなくなるメリットもある。自分はこれ派。最近ほんと早めのリーチに字牌で振り込んだ記憶ない。まぁ、そうそう字牌待ちの早いリーチも来ないけどね(笑)

②自分の手が良くなければ絞る

 昔からの慣習。絞るのはいいけど、絞った牌が場に捨てられずション牌だったら、その後のリーチの安パイには全然ならないよね。

例えばこんな手でテンパったとして、

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🀄️がション牌で序盤なら、7ソー切りの役牌シャボ待ちの選択も有効だと思う。(基本はだ8ソーの69ソー待ちの方が待ち牌の数は倍だけど、打8ソーリーチならどうせ69ソーはソバテンで警戒されて出にくいし。)

ただ、赤がなくて役牌のみから69ソーにとる。

これが中盤〜終盤だと🀄️は誰かにトイツの可能性もあるなと考えて普通に69ソー待ちにとる。

③自分がアガれなさそうなら適当なところで鳴かせて、安手で場を回させる。

 前局のハギーの隠れドラ3とかもあるから、ドラ赤の状況次第か。かなり難しく、扱いにくい戦術?だよね。

(対局に戻る)

萩原 8巡目 ブクブクの打南

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ツモ8万、打南。いわゆる6ブロックってやつか。(◯ブロック理論とか言葉は聞いたことあるけど、ちゃんとは知らない、、、)

親につき、テンパイ、アガリ最優先って考え方もわかるけど、前局親マン上がってトップ目なんだし無理しなくても良いんじゃないかなとも思う。

落ち着いて、ハギー


園田 8巡目 良形イーシャンテン打南

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赤もドラもないけど、形はすごく良いイーシャンテン。まだ誰からもリーチも仕掛けも入っていないので、自分の手優先で打南。

萩原と園田、同じく手を前進させての南打ちだが、手牌の中身が全然違う。トップ目とラス目が逆なのかと、一瞬間違えそうになるくらい。

萩原と園田、二人の状況判断能力の差が見てとれる。


日吉さん「前原の🀄️切らずがいろんな展開を呼んでいる。」

日吉さんの言う通りだわ。前原さんが🀄️切っていたら、今頃内川さんアガッているよね。

園田 11巡目 順当にテンパイ

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ツモ5万で、ピンフのテンパイ。園田、迷わず即リー。

萩原 12巡目(リーチ一発目)

萩原の手牌とツモ

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園田の捨て牌

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9万、6万、8ピン、3万、南とリーチ宣言牌の3ソーは手出し。

さすがにこれは現物の打9万でしょ。だって、親とは言え、トップ目だし、ラス目からのリーチだし、47ソー先に入ったらカン6ピン待ちだし、リーチ宣言牌の前の中張牌の手出しが3万で普通に考えたら宣言牌のソバテンの次に3万のソバテンは危ないし。

萩原 打8万

まじで??押すの?? ハギー止まって〜

8万がすごい危ないとは思わないけど、リスクを取る局面じゃないよ!ていうか、8巡目の南切りがやりすぎだったんだよ。

園田 12巡目 6ソー 一発ツモ!!

一発ツモに裏ドラ1枚で、満貫のツモ上がり。これぞ、一発・赤・裏アリの麻雀の面白さだよね。打点が上がるって意味じゃなく、リーチを打つか打たないかのリーチ判断の重要性が上がるところが面白い。

間違ってもダマの選択はなかったと思うが、もしダマツモなら400、700で大違い。

◯東3局 ハギー打1ピン、冴えてる!

親の内川 7巡目

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234の三色のイーシャンテンだが、親につき形重視の打2ソー。発想がシンプルですごく良い。当たり前の打牌を高精度に続けられる強さ。ブレが少なく安定感が高い。

園田 8巡目

6巡目のカン8万チーに続き、白ポン。マンズのホンイツの園田。その手配からはまだマンズは溢れてこない。

萩原 8巡目

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場況的には2ピンは良い。5ソーも悪くない。

萩原、悩んで打1ピン!

最短ルートなら打3ピンか打4ソーだけど、タンヤオへの渡りも考慮に入れての打1ピン。園田がマンズの仕掛けをしているので、打1ピンなら柔軟に対応できる。これは良かった!

ハギー、今日1番の打牌選択!!


内川 8巡目

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ツモ7ソー。

渋川さん「うわぁ。これはちょっと(望まないツモ)。これは4ソー切りますか」

確かに。同意。リーチするつもりなく出アガリ可能な形にしたいなら、4ソーだよね。

と思ったら、、、

内川さん、打5ピンでテンパイ取り!?

完全に予想外。なんか内川さんらしくない打牌。

①打5ピン

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②打4ソー

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だって、この2つの形だと、イーシャンテンだとしても下の形の方がアガれそうじゃない?

実際にダマで出アガリ可能なツモ牌は、①だと3種、②だと5種だし。

園田 12巡目 魔術発動

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789チー、白ポンでホンイツのイーシャンテン。ドラは6万。

渋川さん「3万切りたがってるかも知れませんね。」

いつもながらの渋川さんの千里眼。

園田「ダーサンワン・ターチャシバリ・コウダテンコテイ」

2万の受け入れロスを生け贄とし、マンズ縛りの魔術を他家にかけた。そして自分の打点を8000に固定。

今度、自分でも使ってみよう。

この局は、園田の現物待ちでテンパイした萩原が内川からタンヤオドラ1で2000点の出アガリ

ハギー、打1ピンがGOOD!ナイスなアガリだった!!

◯東4局 流局、ハギートップで南入

内川がリーチして一人テンパイで流局。

園田の親も流れて、萩原にとっては良い展開。 ん??って打牌もいくつかあったけど、東場をトップ目で折り返した。

萩原34400、内川22900、前原21900、園田20800

ハギー あと1周だ。ガンバレ!

そう言えば、前原さん全く勝負にからめていない。振り込んではいないけど、アガリどころかテンパイもない。姿消えちゃっているよ!南場に期待しよう。

◯南1局1本場 ハギー、チャンス!

南家萩原 1巡目

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最高の配牌キター

萩原 6巡目 運命の選択

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ソーズ落としていけば、メンタンピン赤の満貫確定だよ?メンタンピン三色赤になるのは、69ソー、258万の6種類の組み合わせのうち一個だけだよ。

よく考えて、萩原さん!!

試しに、組み合わせ毎のリーチした場合の出アガリの打点(一発、裏ドラなしと仮定)を計算してみたところ、

7ソー8ソー残し(萩原の選択)の方は、12通りの組み合わせのうち、三色のハネマンになるのはたったの2通りで、平均打点は7300点。

3ピン4ピン残しは、全てのテンパイで満貫リーチが打てる。平均打点は8000点。

日吉さん「ピンズ切りそうな気がする、萩原なら」

萩原 打4ピン

渋川さん「うわっ、行った〜」

渋川さん「これ8000点持ちくらいの人の打牌ですよ。」

おっしゃる通りです。

確かに7ソー8ソー残してメンタンピンツモ三色赤ドラでMAXツモ倍だけどさ。そのパターンは、アガリ12パターン(ツモってくる順番も区別して)のうち2パターンしかないんだよ。25万ツモってからの9ソー出アガリと、9ソーツモッてからの25万出アガリの3900点は12パターン中の4パターンもあるんだよ。34400点持ちのトップ目なら、最低8000点が確保されているメンタンピン赤確定の手組みをしてほしかったな。

どうせチーテンはとらないだろうから、タンヤオの仕掛けが出来る出来ないはどっちでもいいけど、この一打は状況判断を誤ったと思う。

もう、それならば倍ツモまで仕上げてくれよ。ハギー。効率悪く行くなら、アガリ切らないと見せる麻雀じゃないよー!!


萩原 10巡目 ツモ2ピン(裏目)

本来はここでメンタンピン赤のリーチが打てていた。まぁ、裏目ったことはどうでもいい(うまくいくこともあるだろうし)。とにかく分岐点の手牌進行の選択が全て。

ただ、本人としては裏目って内心相当ショックを受けていたと思うが、2ピンと3ピンで手拍子に内側の3ピンを切らなかったのは良かった。3ピンは、園田と前原が切っていて二人の安牌で、2ピンはション牌だったんだよね。自分が行く手なら危険な牌は残さない、っと。

ハギー 歯を食いしばって耐える。


内川 7巡目 ツモ5ピン、打北

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いったん打7ピンとしてピンズをリャンメン固定して、マンズが伸びたら北を落とすのがオーソドックス。オーソドックス内川さん。当然そうするかと思いきや、メンタンピン赤ドラを狙って、ここで北のトイツ落とし。ピンズの伸びも逃さない。

内川さん「この局は行く!チャンスだ!!」

普段のオーソドックスミスなしモードから、ギアを入れ替えて勝負に出る内川さん。

しかし次巡、、、

ツモ 北、、、

内川「(やっちゃったー。)」

一緒苦悶の表情を浮かべるも、河に北を並べる。

内川「(黒沢さんにスッタンを打った時と比べたらこんなの全然、、、イタタタタ)」

そして次巡、内川の河に3枚の北が並ぶ。

内川 今日はクールに耐える。


前原 9巡目

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前原、最後の親番。發がトイツで發赤1のリャンシャンテンから7万、5万のマンズメンツを落として、ホンイツに進む。なんとこの巡目で3シャンテン戻し。ホンイツなら仕掛けも出来るから実質的にはシャンテン数は落ちていないというところか。

前原、腹をくくって3シャンテン戻し。

奇しくも、萩原、内川、前原の3人ともがイバラの道を進んでいく。渋川さんも言っていたけど、まさに胆力の戦い。

萩原 11巡目 ツモ2万でテンパイ

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ほんとはこの2万でメンタンピンツモ赤の満貫アガッてたね、、、。さぁ、どうする。リーチかダマか。場況的には園田が7ピンチーして赤なし567を仕掛けているのみ。(園田は手牌バラバラからの牽制チー)

これが効いたわけでもなかろうが、萩原は打3ピンとしてピンフ赤の69ソーダマを選択。ドラの8万振り代わりのタンピン三色赤ドラ狙い?初志貫徹か。

内川 萩原の3ピンをチー

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打6ソーでカン5ソーにとると萩原への放銃となるが、打4ソーで上手いこと放銃回避。前原さんがソーズ染め手だからカン5ソー待ちを避けたのかな。

前原 内川の4ソーをポン

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4ソーポンしてこの形。369ソーが来ればホンイツ赤のテンパイ。

園田「へいへい撤退しますよ〜。3人で頑張ってくださいな、と」

てな感じで、園田は一人のらりくらりとオリ始めた。

萩原 2巡後に8ソーツモ切りリーチ!?

なぜこのタイミングでリーチなの?ドラの8万引きで三色の振り替わりを待ちつつ、受けに回っていたなら、ダマのままで良い。もしくは、他家を押さえつけるならテンパイ即リー。(少なくとも内川と前原が仕掛けた直後にリーチ)

そのどちらでもなく、2人の仕掛けが入った後、さらに1巡あけてのリーチ。しかも、8ソー空切り出来たのに、ツモ切りリーチ。ハギーはツモ切りリーチ大好きだよね。もうこれ以上手替りは待てないってことでのリーチだと思うけど、いかにも中途半端。まぁ、即リーしていたとしても、内川さんも前原さんも鳴いていたと思うけどさ。

結果は、リーチの2発目に内川が9ソーつかんで放銃。裏は乗らずに3900点。萩原にとっては貴重な追加点だけど、なんかいろいろ悶々とするなぁ。だって、攻撃的にも防御的にも中途半端なこんなリーチをかけるくらいなら、7ソー8ソー落としてメンタンピン赤で良かったよー。

これ、もし三色にこだわらずにメンタンピンツモ赤でアガッていたら、前原とは8100点、内川とは2200点、園田とは6100点差さらにつけることが出来ていた。最終的にトップがとれずにこの点差以内だったら、かなり悔やまれるな。

萩原、前途多難。逃げ切れるか?

◯南2局 園田5ヤマ満貫リーチ!

38600点持ちの萩原以外は、前原20900点、内川20700点、園田19800点とかなり競っている状況。トップも見たいが、ラス争いからも抜け出したい。軽いアガリが出る可能性もあり、萩原としてはなかなか良い状況。

前原 3巡目 ツモ2ソー、打8万

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真っ直ぐ行くならチートイツも見つつの1枚切れの白を切るはずだが、ここは打8万。先切りというよりも、ディフェンスの意識からか。

園田 4巡目 ツモ1万、打9万

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なかなか難しい形。最速リーチを目指すなら打4ピン。しかし、4巡目でドラドラの手牌。最低でもメンピンドラの3900点には仕上げたい。ということで、カン8万待ちを拒否する打9万。

萩原 5巡目 ツモ發、打6万!

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發がトイツになったことでタンヤオは捨てて、シャンテン数は変えずに守備力を高める打牌。發はすでに場に1枚切られているので、アガリに向かうというよりは、守備の意識を高くしていることが見て取れる。

この時点ではタンヤオも見た方が良いという意見もあるだろうけど、

意志を明確にした打牌はすごく良い!!

ハギーは結構フラフラしちゃうけど、こういった打牌を続けていけば、結果がついてこなかったとしても、ハギーの麻雀、ハギーの良さが視聴者に伝わるよ!!

園田 8巡目 ツモ4万、打6ソーリーチ

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日吉さん「キタァー」

渋川さん「最高の入り目」

園田、ドラの3万を使い切る4万を引いて、メンピンドラドラ高め一盃口のリーチ。高めツモればハネマン確定。赤5万ツモって裏乗せれば倍満もあり得る。

園田、快心のリーチ!

日吉さん「しかもこれいいですよ。5ヤマ!赤5万込みで5ヤマ!!」

もう、ハネツモされてハギーが親番っかぶりする未来しか見えてこない。ハギー、、、ほんとに運がない。(まだわからないけど)

強力すぎるリーチに、他の3人はオリるしかない。

前原 10巡目 ツモ8ピン、打9ピン

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🀄️が鳴ければアガれそうな手だったが、リーチが入ってしまうと、この手から仕掛けていくのは厳しいか。

7万はリーチの現物だが、園田の河に4ピン、6ピンとあるのを見て、打9ピンで回っていく。


全員が2段目の打牌が終わっても、5枚ある25万は一向に姿を見せない。王牌も入れて残り36枚。高めの5万を引きアガる未来しか見えない。

そして運命の16巡目

園田がヤマから1枚ツモる。マンズが見える。

日吉さん「さぁ、5万かぁ〜?」

日吉さん「6万だぁ〜」

前原「ロン。3900。」

前原は、実は園田のリーチに回りつつも、🀄️をポンして、8ソー、4ソー、1万と押して、テンパイを入れていたのだ。

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これにはビックリした。園田さんのリーチの時点で、園田さんのアガリはほぼ間違いないと思っていたから。

リーチに回りつつも、押すべきところは迷わず押してアガリをもぎった前原プロ。まだまだこんなもんじゃないんだろうけど、強さの片鱗を見せてくれた。

今日イチ驚かされた一局だった。

親のハギーはほんと助かった。マンツモ、ハネツモの親かぶりが目前だったから。

渋川さん「展開がいいんですよ。やっぱ、トップ取る時は展開が必要なんですよ。」

ハギーいけるか?あと2局だ。

◯南3局 前原3000、6000

各者の点棒状況はこちら↓

内川(親)20700、園田(南)14900    前原(西)25800、萩原(北)38600

内川3巡目 ツモ7万、打7ピン

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良いところを引いて、マンズのホンイツ2シャンテン。

そして、園田が切った白をポンしてイーシャンテン。これはアガれそうだぞ。

このポンで前原にキー牌が次々に流れ込む。

前原 3巡目 ツモ3ピン、打北

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ツモ3ピンで高め三色が見えてきた。もちろん、ドラの6ピンが重なるのも嬉しい。 ここは当然目いっぱいの北打ち。

渋川さん「うわっ。カン3ピン入った〜。萩原選手、右(内川)も左(前原)も大変!」

日吉さん「前門の虎、後門の狼〜」

日吉さんって麻雀プロだよね?アナウンサーじゃないよね?麻雀の内容だけでなく、いろんな言葉をその時々に合わせて入れてくるのすごい!

「前門の虎、後門の狼」だって、noteに文字としておこすのも念のため漢字を調べちゃったのに、LIVE中継の中これをぶっ込むのはよほど自信がないと出来ないよ。

★前門の虎、後門の狼

一つの災難を逃れても、またもう一つの災難が襲ってくることのたとえ、、、だそうです。

もともと連盟の放送対局でも解説をやっていたのかも知れないが、普段から余程勉強しているんだろうなぁ。あとキーワード的な言葉で使えそうなものを常に書き留めたり集めていそう。

選手もそうだよね。自分もハギーの打牌とか好き勝手に言っちゃってるけど、実際生中継されている対局だったら普通の人はこんなにちゃんと打てないよ。(内容的にも所作的にも)もちろんMリーガーだって牌をこぼしちゃったりしてるけど、普通のフリー雀荘ではこんなもんじゃないよ(笑)

あと、手牌だって誰に見られるわけじゃないから、自分も含めてミスしている打牌は山ほどあるよね。

言うは易く行うは難し

っていうことだね。

さて、対局に戻ろう。

前原 4巡目 ツモ2万テンパイ!

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三色目が残る2万ツモ。25ソーは、マンズのホンイツの内川の河に高めの2ソーが一枚切られているのみ。

ダマか? リーチか?

20秒の長考(Mリーグ的には小考くらいか笑)の末、6ピンをソフトな手つきで横に曲げる。

前原「リーチ」

高めツモればハネマン確定。一気にトップの萩原を追い抜く。東場は静かだったが南場に入って急に元気になる前原。(表情は変わらないけど)

内川はオリられない。1ソー、4ピンとマンズ以外は全部切っていく構え。

前原「ツモ。3000、6000」

高め2ソーを2発目にツモ!これで萩原を抜いてトップ目でオーラスへ!!

ハギー、口をすぼめてタコ🐙みたいな顔になる笑そんな顔しちゃダメだよ。平然としていないと。

◯南4局 前原、好配牌!!

点棒状況は、

園田(親)11900、前原(南)37800、   萩原(西)35600、内川(北)14700。

前原と萩原の差はたったの2200点。萩原はゴットーツモか、出アガリなら2600以上が必要。内川もマン直でも着順アップは見込めないため、ラス回避の早上がりが必至。前原、萩原、内川はヨーイドンで早アガリ競走。合間をぬって園田はアガリを重ねられるか!?

園田 1巡目 ツモ西、打西

親の園田はまぁまぁの配牌。役牌が重なれば高打点も見込める手。(牌姿は省略。スミマセン園田さん)

前原 1巡目 ツモ5万、打西

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とてつもなく良い!これは大チャンス!

ここでの打牌は親の園田が1巡目に切った西。親の現物なんて必要ない。リーチをかけずにダマで出アガれる手にしたい前原。この配牌なら基本的にはピンフ狙い。ソーズの667をアタマ候補として、1枚切れの西を残さず🀄️重なりのポン発進も考慮に入れる。🀄️でも西でもどちらでも重なればスピードアップなので、1枚差に妥協はしない。

良い手でも、この辺りの打ち方がしっかりしている。実際には🀄️でも西でもほぼ影響ないとは思うけど、抜かりない。

Mリーガーの中では高齢であろう前原さん。長年第一線級で活躍し、Mリーガーにまで選ばれるのは、こういったところでも手を抜かずに、一打一打真剣に向き合い続けてきた結果なのだろう。

萩原 1巡目 ツモ8ピン、打1ピン

配牌悪っ、、。孤立の19字牌が7枚。この大事な場面で悪い、悪すぎる、、。(申し訳ないけど、牌姿省略)

内川 1巡目 ツモ北、打🀄️

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北家の内川、北がトイツに。内川、これは嬉しい! まだ形は悪いが、1枚目からポンして早アガリを目指していくだろう。この手はどう頑張っても2000点がいいところだから、2200点差のトップ目の前原には見えない追い風だ。

園田 2巡目 ツモ4ソー、打🀄️

前原 2巡目 ツモ東、打🀄️

2枚切れになった🀄️を捨て、ション牌の東を残す。🀄️の重なりがなくなった。アタマ候補でオタ風の東。ぶれない前原。

前原 4巡目 ツモ5ソー、打5万

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5ソーツモでイーシャンテン。単純比較なら、打6ソーで5種17枚、打5万で5種16枚。5万と6ソーがアタマになる枚数の差で、打6ソーの方が若干有利。

ただここはソーズの形の良さを考慮しての打5万。どちらにせよほぼほぼアガれそうだが、丁寧に打っていく前原。

前原 5巡目 ツモ8ソー、打7ピン

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8ソーツモって打7ピン。

ソーズなら何を持ってきてもテンパイ!

1ソー/69ソー待ちピンフ

2ソー/47ソー待ちピンフ

3ソー/47ソー待ちピンフ

4ソー/369ソー待ちピンフ(3ソーは役なし)

5ソー/14ソー待ちピンフ

6ソー/14ソー待ちピンフ

8ソー/14ソー待ちピンフ

9ソー/14ソー待ちピンフ

7ソー/役なし単騎テンパイ

てか、前原さん切るの早っ!

2356678の形は、何引いてもテンパイするって知っていたんだろうなー。じゃないとあんなに早く切れないよ。普通ならもう少し迷うでしょ。さすがプロって感じだわ。

前原「当たり前でしょ。プロなんだから」

Mリーグ見始めたのはこの2ヶ月だけど、これまでで一番勉強になりました。


前原 7巡目 ツモ4ソー、打2ソー

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ここは前原もじっくり考える。書いてはいないけど、内川が北をポンして1フーロしている。

2ソー切ると、369ソー待ちで3ソー役なし。

6ソー切ると、258ソー待ちで約なしにつきリーチが必要。

20秒ほど考えた上で、打2ソーとした。69ソーならダマでアガれる方を選んだ。リーチはなし。リー棒出して内川に2000点放銃すると、2着目に転落することも考慮に入れた。

最後の最後まで油断はしない。

そして、園田が切った6ソーに

前原「ロン」

萩原にとっては非情な声。もう少しでトップだったのに。初トップが遠い萩原。

結局は、南1局1本場でメンタンピン赤を拒否して無理やり三色を狙いにいったのが響いてしまった。あそこで満貫ツモなら、オーラス逆に5900点差つけてのトップ目だったから、最後の前原の手もダマ選択ではなくリーチしてのイチサンニンロクが条件となっていた。

結果、萩原がトップを取れたかは分からないが、同じ展開にはならなかっただろう。

今回は不運だったんじゃない。自らトップを手放したのだ。

頑張れハギー、次こそトップを!

そして、油断禁物だよ!


おしまい。










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