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漫画は人をつくる(スラムダンクなど)

先日『読書で得られるもの/本を読む人はエラい?』という記事のなかで、「読書には多くのメリットがあり、多くのものを得られるが、読書だけがインプットではない。」という話を書きました。

この記事の中では、読書以外の具体的なインプット方法について触れませんでしたが、読書と比較すると「娯楽」と見做されがちな漫画、映画、ドラマも良いインプット材料になりますし、多くの学びがあります。むしろ没頭しやすさを考えると、読書より、これら漫画等の方が、人格形成や考え方に大きな影響を与えているような気もします。

という訳で、ちょうどnoteの企画にもありますし、今回は私が好きな、そして影響を与えた漫画について書いていきたいとおもいます。

「スラムダンク」井上雄彦

『週刊少年ジャンプ』で1990年から1996年にかけて連載された超人気作だ。現在私が住む中国でも流行っている。台湾でも流行っていると聞いた。私がジャンプを読むようになったころには、既に連載は終了していたが、夏休みなどにアニメが放映されており、そこからハマっていった。

ストーリー展開については言うまでもない。バスケにすべてをかけた高校生の濃密な3か月が描かれている。何よりキャラの立ち方がすごい。もちろん主要キャラはいるが、なんてことない扱いになりそうな対戦相手の一選手まで人間味がある。陵南高校3年の「ディフェンスに定評のある」池上が、人一倍守備にプライドを持ち、湘北の三井を必死で抑えるシーンなんかは最高だ。自分の特徴(長所と短所)をしっかりと理解して受け止め、自分の仕事にプライドを持って全力で取り組む姿は最高にカッコいい。正直、はじめて読んだときは、越野と池上の区別がついていなかったが、歳をとって、組織で働くようになってから、こういう働きができる池上がカッコ良いと思うようになった。高校生でここまで自分を客観視できるのもすごい(オールバックだけは解せないが)。また陵南高校の田岡監督の選手の性格、長所・短所を見極めたコーチングも学ぶところが多い。

また、この試合で「メガネ君」こと小暮がシュートを決めた場面はスラムダンクの中でも最高のシーンのひとつだと思う。キャラクターのキャラが立っており、性格やこれまでの経緯をわかっているからこそ、この二言だけで泣けてくる。また「努力は裏切らない」という強烈なメッセージも伝わってきた。これは私の価値観に大きな影響を与えている。(ちなみに試合終了間際に花道がダンクを決めたあと「仙道が攻めてくるぞ」と言うのも、花道の情熱、必死さが伝わってくる名シーンだ)

花道「メガネ君 引退がのびたな」
小暮「……!! 泣かすなよ…問題児のクセに…」

井上先生の画力もすごい。最後の山王戦、ほとんどセリフがないコマが続くのだが、登場人物の性格、背景、努力を知っている私たちは、表情、息遣いだけで、選手たちが考えや、想いが伝わってくるのだ。登場人物たちは、もはや作者の手を離れ、自分たちの意思で動いてる感すらある。

これ以上書いていると収拾がつかなくなるのでここまでにするが、とにかく素晴らしい作品だ。

『ONE PIECE』尾田栄一郎

言わずと知れた超人気作だ。かれこれ20年くらい読み続けていると思う。しかし、今でこそ面白いと感じているが、連載開始当初は食わず嫌いしていた。はっきりとした理由はないのだが、当時小学生の私はファンタジー感についていけず、また、ワンピースの世界またはワンピースの読者の間にある『リア充』感に近寄ることが出来なかったのだ。

でも、読みはじめたら、そんなことはどうでも良くなってしまった。綿密に張り巡らされた伏線、ベタだけど感動を誘うストーリー展開、フランス革命を想起させ、中二マインドを刺激する人物設定など、読み物としてのクオリティが極めて高い。

あと5年弱で終わってしまうようだが、終わりが近づいてくるのが寂しくもある。4半世紀にもわたる超大作を最後まで見届けたいと思う。

『ドラゴンボール』烏山明

いまだにアニメが続いてる世界的超人気作だ。私自身、幼い頃からドラゴンボールのアニメ、漫画を見て育っており、非常に大きな影響を受けている。

当初は7つのドラゴンボールを集める話だったが、だんだんバトル漫画に主軸が置かれるようになっっていった。基本的には、強敵が現れる ⇒ 修行等を頑張ってパワーアップする ⇒ 敵を倒す ⇒ 更なる強敵が現れる。の繰り返しだが、修行してパワーアップするところ、かつての敵が味方として一緒に戦うところなど、男児のココロに刺さった。

私はドラゴンボールからおおくの影響を受けた。まず一つは肉体面だ。私は筋トレをはじめて12年経つが、筋トレをはじめたきっかけは「孫悟空みたいになりたいから」である。12年経っても追いつけないし、得られた(残った)のは筋肉を維持するための高い食費と、スーツ、ワイシャツのオーダーが必要(既製品は入らない)な身体だ。

精神面、考え方でも大きな影響を受けた。ドラゴンボールには、サイヤ人限定だが「死の淵に追い込まれたところから復活するとハチャメチャにパワーアップする」という設定がある。「限界まで頑張るの!」「つらいことに耐えれば、レベルアップする」というマインドが身につき、簡単にはへこたれない精神を養ってくれるなど、多くのものを得たと感じる一方で、「つらいこと、きついこと=良いこと」と考えがちな思考様式も同時に手に入れてしまったようにも思う。タフネスは大事だが、つらいこと、きついこと、それ自体は決して良いことではないし、避けられるに越したことはないのだ。

好きなシーンは、魔人ブウを戦う悟空をみて、ベジータのこの一言だ。このシーンが好きな方はわたし以外にも多いと思いますが、いかがでしょうか?

「がんばれカカロット、お前がナンバーワンだ」

ドラゴンボールでは、悟空たちとの付き合いが長くなるとともに、かつての悪役であったベジータやピッコロの心境が変わっていくのも、おもしろいポイントだが、特に「宇宙一の戦士」を自負してきたプライドの高いベジータが、昔からのライバルを認めるこのシーンは胸が熱くなった。

今日は、特にハマった、影響を受けた、ジャンプ3作品を上げてみました。手塚治虫の『ブッダ』や『ブラックジャック』、『キングダム』、『鋼の錬金術師』、『攻殻機動隊』、『アイシールド21』など、候補がたくさんあります。また後日、追加していきたいと思います。

いまだに細かいフレーズ、場面が思い出すことができますし、これら漫画が私を作ってくれたといっても過言ではないような気がしますね。

ではでは。

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読書について書いた記事二本です。あわせて読んでいただけると嬉しいです。





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