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めんどくさいの哲学

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めんどくさいとは何か? めんどくさいはなぜ生じるのか? めんどくさいとどう付き合ったらいいか? をテツガクしていきます。
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#哲学

#11 「めんどくさい」のひみつ道具③ 「つっこみライティング」

#11 「めんどくさい」のひみつ道具③ 「つっこみライティング」

めんどくさいの哲学#11 前回紹介した「とにかくタイマー」は、仕事など、やらなきゃならないことをスタートさせるためのひみつ道具でした。とにかく20分、仕事をはじめてみると、スタートダッシュできる。けれどそれでもうまくいかない場合があります。「何をどうしたらいいんだろう?」「とにかくやっぱりめんどくさいな」。そんな気持ちになって「とにかくタイマー」の時間が、無為に過ぎていくとき、頼りになるのが「つっ

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#10 「めんどくさい」のひみつ道具② 「とにかくタイマー」

#10 「めんどくさい」のひみつ道具② 「とにかくタイマー」

めんどくさいの哲学 #10  前回紹介した時間メーターは、やらなきゃいけないこと、やりたいことを24時間の円盤に書き込むTo Doリストでした。これを書くことによって、めんどくさいことの全体像が見えるとともに、やりたいことも目に見えるので、ばくぜんとしためんどくささが具体的になって、かなり気が楽になる。へたするとこれを書いただけで、仕事が終わったような気分になれます。

 ところがこれには、落とし穴

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#9「めんどくさい」のひみつ道具① 「時間メーター」

#9「めんどくさい」のひみつ道具① 「時間メーター」

めんどくさいの哲学 #9  前回、坂口恭平さんのnote「生きのびるための事務」を参考にして考案した24時間の円形スケジュール表…長くてめんどうなので名前をつけましょう。時間が見えるから「時間メーター」というのはどうかな。文字盤みたいなのでダイヤルというのも考えたんですが、なんかメーターの方がしっくりくる気がします。ドラえもんのひみつ道具みたいでいいかもしれません。

 ところでこの時間メーター。め

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#8 「めんどくさい」はおもしろい。のか?

#8 「めんどくさい」はおもしろい。のか?

めんどくさいの哲学 #8  今回は、ぼく自身の経験をもとに、めんどくさいを哲学していきます。いや、毎回そうなんですけど、直近の例をもとに、というか、いま直面しているめんどくささについて考えてみたいと思います。

 ところで、人の感情って、おうおうにしておおざっぱじゃないでしょうか? 例えば、ある政治家を「嫌い」と感じたとします。なんか普段の発言なんかをニュースで見たりしてそう感じる。そうすると、坊主

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#7 「めんどくさい」には対話が必要。なのか?

#7 「めんどくさい」には対話が必要。なのか?

めんどくさいの哲学 #7  めんどくさいは、気付いてない場合がある。いや、「めんどくさいな」と思うことはたくさんあります。でも、つっこんで「何がめんどくさいの?」と自分に問うまではいたらない。問うこと自体がめんどくさいことには気付いてない、という話を前回しました。じゃあ人は、そこに気付くことはできるのでしょうか? って、ちょっとややこしいかな?

 そんなことを考えているときに出会ったのが、精神科医

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#6 「めんどくさい」に気づいてない場合もある。のか?

#6 「めんどくさい」に気づいてない場合もある。のか?

めんどくさいの哲学 #6  前回、めんどくさいの特効薬は、「考える」だと言いました。
 でもやっかいなのは、めんどくさいに気付かない場合があると、いうことです。
 たとえば、「めんどくさいの哲学#3 せっぱつまればめんどくさいはなくなる。のか?」でも言いましたが、大学を卒業したぼくは、小説家になりたいという希望をもっていながら、雑誌の編集ライターの仕事に就きました。文章を書くという、小説家に近しい仕

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#5 「考える」と腹の底がスースーする。とは?

#5 「考える」と腹の底がスースーする。とは?

めんどくさいの哲学 #5 [これまでのまとめ]
●うちの2人の息子(27歳と23歳)が、それぞれ大学院と大学(中退)を経て、家に帰ってきたが、就職活動に踏み出せずニート状態に突入。当人たちは、これではいけない、と考えてはいるらしいのだが、毎日、ゲームをしたり動画を見たりしながら行動を起こす気配なし。
●なぜ彼らは行動を起こさないのだろう? と考えると、これはひとえに「めんどくさい」からなのでは? と

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#4 「追い詰める」は絶対の方程式か?

#4 「追い詰める」は絶対の方程式か?

めんどくさいの哲学 #4  『「めんどくさい」がなくなる脳』という本の著者である加藤俊徳博士は、めんどくさいは脳に余裕があるときに生じるとおっしゃっています。また博士は、あるインタビューで、脳の余裕をなくす実験というのを紹介しています。何かがめんどくさいときに、目をつぶって片足立ちをしながら声を出して30数えるとあら不思議、めんどくさい気持ちが消えるというのです。どういうしくみかというと、目をつぶっ

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#3 せっぱつまれば「めんどくさい」はなくなる。のか?

#3 せっぱつまれば「めんどくさい」はなくなる。のか?

めんどくさいの哲学 #3  息子二人がそういう状態(就職も就職活動もせずうちにいる状態)だと人に話すと、ほぼ100%、「甘やかし過ぎだ」と言われます。「飯を食わせているから、危機感が生まれない。家から放り出せば、めんどくさいとか言っていられず、何かはじめるだろう」というわけです。しごくごもっとも。きっとその通りだと思います。でも、それで問題は解決するのでしょうか? せっぱつまったとき、めんどくさいは

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#1 なぜ、「めんどくさい」の哲学なのか?

#1 なぜ、「めんどくさい」の哲学なのか?

めんどくさいの哲学 #1  めんどくさいの哲学というタイトルを付けたんですが、ちょっとおおげさな気もします。けれど、小学館の『精選版 日本国語大辞典』を見たら、哲学とは、「とらわれない目で事物を広く深く見るとともに、それを自己自身の問題として究極まで求めようとするもの。」とある。「とらわれない目で」というところがいいし、「自己自身の問題として」というのもうなずける。ぼくはこれから、めんどくさいという

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#2 「めんどくさい」は本能なのか?

#2 「めんどくさい」は本能なのか?

めんどくさいの哲学 #2  めんどくさいという言葉でまず思いだすのは、冬の寒い朝、起きたときに、トイレにいきたくなるというシチュエーションです。オシッコもれそう。でも布団から出るのがつらい。このままオシッコをもらすわけにもいかないし、ガマンし続けるという選択肢はありえないのに、トイレにいくのを伸ばし伸ばしにする。歌人の穂村弘さんのエッセイで、そんなとき、オシッコだけ瞬間移動でトイレにいかせることがで

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