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創業期に新卒入社し変化と拡大を間近で見続けた12年──ある女性リーダーの視点(後編)

テクノロジーを駆使し、持続可能な組織と事業づくりを進めるKeepAlive。withコロナ時代の変革管理コンセプト『>>switch』とコンサルティングを柱に、顧客のDXを推進しています。創業期に入社し、以来12年以上に渡って会社の変遷と共に歩んできた三丸希が語ります。

「お客様にとって替えが効かない存在になろう」明確な目標が道標になった

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▲三丸チームはお客様に支えられ徐々にメンバーを増やしていきました(コロナ禍前に撮影)

前編では、入社の経緯から社会人生活での戸惑いと壁を乗り越えた経験、リーダーとして新たなポジションに挑戦したことなどをKeepAliveの変遷と共にお話しました。
後編では、担当プロジェクトやチームへの思い、部下のマネジメントについてちょっと真面目に語っていきたいと思います。『Consourcing(コンソーシング)』という『>>switch』に関連するwithコロナ時代にも追い風になるような新たなビジネスモデルへの取り組みもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください!
現在私がリードしているのは、大手家電メーカーの4つのプロジェクトです。ユーザーが登録する会員用ウェブサイトの改修や会員用システム運用の他、スマートフォン用アプリの企画や改修、月次で更新が必要なコンテンツの運用など多岐に渡ります。
それぞれ要素が違うので、やっていて面白いです。会員用システムはすでにリリースして動いているものに対して、キャンペーンの登録やリマスタリングの作業が必要になります。システムの動きが悪いところを改修したり、現行のシステムを使って別のことをしたいといった要望に対する改修を行ったり、「かゆいところに手が届く」丁寧な対応を心がけています。
一方、アプリの方はマーケティング要素があります。美容家電に関するアプリでは、ユーザーのペルソナを立てて、美容ケアのタイミングをプッシュ通知するアプリを提案しました。これは実際に採用されて稼働中です。
(余談になりますが、本件のペルソナに近い「丁寧な暮らしをする美容に関心の高い若手」がプロジェクトに入ってくれたら嬉しいです。少しでも面白そうと感じたら、ぜひお気軽に連絡ください。女性メンバーが多く、和気あいあいとしたプロジェクトです!)。
私がリーダーとして初めて担当したプロジェクトがこのお客様です。当初は前任から引き継ぐ形で、小規模な仕事を手がける程度でした。先方にとっては、他に替えが効く「その他大勢のベンダー」に過ぎなかったと思います。
そんな状況下でしたが、私の中で仕事への向き合い方が変化するのに伴って「お客様のために役に立ちたい」という思いが芽生えていきました。
いつしかその思いは「お客様にとって替えが効かない存在になろう」という明確な目標になりました。お客様に寄り添った地道な提案と結果を積み重ね、それが信頼となり、自由にやらせてもらえる今の状況に繋がったと感じます。

プロジェクト運用で溜めた知見を別システムの提案に活かして案件拡大

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▲コロナ禍前にはお客様を自社にお呼びし、ワークショップを開催し、知見の共有や交流を積極的に図っていました

その他大勢のベンダーという立ち位置から、パートナーとしてどうやって複数の大型プロジェクトを任せてもらえるようになったのか、どんな風に広げていったかをもう少し具体的にお話します。
前出の美容家電アプリでのケアタイミングをプッシュ通知する機能は、MAツールを使ってお試し版を作って提案しました。それが採用されて運用することで、どんどん知見が溜まっていきました。その知見を活用して「こういうこともできますよ」と新たな提案を行うサイクルを作ったのです。
具体的には、会員サイト用のプレゼント企画はそれまで目視で当選確認していたのですが、お客様から自動化したいという要望が寄せられました。そこでMAツールを使って人手作業を排除する自動化プランを提案したところ、採用されたのです。アプリの方でMAツールのノウハウを溜めていたからこそ、できた提案でした。
また、システムをリリースして動き始めれば、「応募機能だけで抽選はいらないんだよね」とか、別の使い方の要望も出てきます。それに対して使い方を説明したり必要ならば改修を行ったり。最初はなかった運用の話も、プロジェクトを回していくうちにどうしてもお客様ではできない部分が出てきて、細かな対応をしているうちに正式にKeepAliveが担当になりました。
こんな風に、得た知見を活用してこちらから新たな企画を提案し広げたパターンもあれば、お客様の身近に寄り添った対応が評価されて広がった件もあります。
4~5年前までは、言われるままをこなしていた状況でした。お客様とのコミュニケーションがスムーズになって困ったことを相談されるようになり、解決へ導く提案ができるようになりました。根底にあるのは「とにかくお客様の役に立ちたい!」という思いです。上司には当時と今とでは、意識も顔つきもまったく違うねと言われます。
これまでは同じお客様企業内での横展開でしたが、今後は違うお客様でもこの流れを再現したいです。

チームマネジメントは属人性排除と再現性重視。業務をどんどん若手に任せる

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▲若手を教育する三丸。その姿を取材されることもありました

リードするチームは、20代が中心の若手メンバーばかりです。ほとんどが第二新卒だったり経験が少なかったりする子たちでしたが、全員がプロジェクト参加後二ヶ月ほどで独り立ちできています。現在は、その子たちがメインになって回している状況です。最近私は、お客様とのミーティングにすら出ていないですね。いつまでも私が前に出ていたら、メンバーそれぞれが主体的に動けないですから。
真面目な子ばかりで信頼しているので、心配してないです。何か間違いがあったら私が客先で土下座するからどんどんやってと、常日頃言っています。こまめに相談に乗るようにして週一度は内容を共有していますが、それ以外は口出ししません。テストせずにリリースをしてお客様に迷惑をかけた時は、めちゃくちゃ怒りましたが(笑)
私は元々自分で動く方が楽なタイプ。でも、「責任を持って下にやらせた方が、自分でやるより早いよ」と上司にアドバイスされて納得しました。実際、私自身も上司が辞めた瞬間から成長が始まったことを思い出しました。
上司が手を動かすことは、下に仕事を渡さない状況と同じ。そんな上司の下にいる限り成長できないし、いつまで経っても「自分事」になりません。任せた結果が失敗でもいいのです。むしろ、お客様に怒られてみて初めてわかることもあります。「手放す勇気」というと大げさかもしれませんが、リーダーは最初の一歩さえ踏み出せば、あとはメンバーが主体的に動いてうまく育っていきます。
信頼して下の子たちにメインで任せていく他に、もうひとつ心がけていることは、業務を属人化させないことです。
マニュアルというほどしっかりしたものではありませんが、業務手順は自分なりにドキュメント化してチーム内で共有しています。誰でもそのドキュメントを見れば、同じように業務が進められる仕組みになっています。
実務トレーニングに関しては、新しいメンバーが来たらすぐ上の子が面倒をみるようにしています。そしてまた新しいメンバーが来たら、面倒をみられていた子が今度は見る形を取り、「反復可能性」と「再現性の担保」であるDevOps的なアプローチになっています。

新たな自社ソリューション「コンソーシング」をプロジェクトで実践中

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▲「>>switch」のコンセプトを使った独自フレームワークでプレゼンする三丸

私は社歴が長く、会社の移り変わりを経営層の近くから見てきました。そのため、方向性や方針を理解しやすい面があります。事細かな指示こそないものの、プロジェクトリードにDevOpsの手法や『>>switch』のコンセプトが自然と反映されているのは、KeepAliveの考え方が刷り込まれているせいかもしれません。
2020年KeepAliveは、『コンソーシング』という独自のソリューションを生み出しました。DXによる新たなビジネスモデルを内製で立ち上げるために、作業の属人化を排除して自社内にナレッジとノウハウを蓄積するための仕組みです。
『コンソーシング』を完全に説明しようとすると長くなってしまうので、いくつかのポイントに絞ってご紹介します。
・最初に、プロジェクトを回す上で必要な「役割」と「能力」を明確に分解する
・上記の能力をどのように身に着けていくか道筋を設定する
・設定に基づき、定型化した業務を繰り返し行って、対象人材が「能力を得た」と判断できたらその役割を次の人材に移行する
・上記を繰り返すことで、業務属人化の排除と人材育成の再現性が担保される
私のプロジェクトの場合はDX人材育成が目的ではないので、『コンソーシング』のコンセプトを100%反映しているわけではありません。「作業の属人化を排除し、人材育成の再現性を担保する」部分が『コンソーシング』的なアプローチといえます。
前段まででお話した通り、お客様である大手家電メーカーさんとはすでに信頼関係が構築されていて、私はいざという時に出張る役割。実業務はほぼ若手メンバーに任せている状況です。つまりお客様から見れば、成果物のクオリティさえ保たれていれば、業務を行うのは誰であってもいいわけです。そのため、KeepAlive側としては内部で役割を入れ替えながら、若手の実務教育を行う場としてもプロジェクトを機能させているのです。
持続可能な社会の実現が世界的な開発目標となり、人々の意識が変わりつつあります。そこへ予想もしなかった新型コロナの感染拡大が起きて、働き方を含めた生活・行動様式の変化が急加速しました。
この大きな流れの中で、私はKeepAliveの一員としてできることに取り組んでいきたいと思います。

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