「自称ドSな男はドSじゃない」について考察する。

このフレーズ、SNS等で女子が腐るほど呟いているので少し考察してみよう。
この言葉の意味噛み砕くと「自称ドSな男はただ自分勝手なだけでSの意味を履き違えてる」このような感じになるだろう。

しかしそもそもこの「自称ドS男を評価している女性」がドS男を審査するだけの能力があるのか?というところに疑問が起こる。
ドS、というのは言ってみれば曲者なわけだ。一癖も二癖もあるドS、食べ物で言えば激辛料理であり、ブルーチーズであり、パクチーやピータンである。
その道の通の者が食べて、ただ辛いだけじゃねーかうまくねーな、というのならわかるが普段そんな辛いものも食べない奴が激辛料理のうまいまずいを評価出来る能力があるかといえばないだろう。一口食べて口を開けば、辛いというだけだろう。
回りくどい言い方になってしまったが、そもそも「自称ドSを名乗る男はドSじゃない、と言っている女がそもそもドMじゃない」だから正確にドSかどうかを判断出来ていない。というのが正しいだろう。

個人的な体感の統計だが、女性がSかMか、というのの割合を表すと以下のようになる。
SとMを相手によって使いこなすが、どちらにしてもドにはなりきれない「ノーマル型器用タイプ」が全体のうち3割。
「ソフトエム」が全体のうち5〜6割。
「ドM」が全体のうち1〜2割。
さて先程も言ったように激辛料理が美味しいかどうかを判断できるのは激辛通だけだ。
ということは自称ドS男をドSかどうか評価できるのはドM女だけということになる。
しかしおかしなことに自称ドS男がドSじゃないと評価している女は概ねソフトエムな女でドSについての理解が足りない者、ドSの良さを理解していない者である。
ドSについての評価を正しく出せるのは少数派のドM女だけだろう。
しかしドS男に正誤の判断を下すのは何故か多数派のソフトエム女である。
「ソフトエム女よ、そもそもお前らがドSを評価するのが間違っている」
そうバッサリ切り捨ててしまうのも楽だが、なぜこのようなことが起きてしまうのか?

それはソフトエム女をドMであると誤認させてしまう男の問題でもあるのだ。
「お前ドMやん」男ならいい雰囲気になった女性と2人きりのシチュエーションで1度は口にしたことがあるセリフだろう。
これは別にその女性に対して真性ドMの評価を与えたわけではなく、男側がなんとなくいじめやすい雰囲気を作ったり、男女のSとM、ベットの上での力関係をわかりやすくするためのお膳立てとして使っているものだ。
このセリフを聞いた女性全体の半数以上を占めるソフトエム女は全員自分のことをドMだと誤認することになる。
そしてドMだと誤認した女は自分がドSを判断するに値するものとしてドS男かドS男でないかを判断するわけだが、実際にはドSかドSじゃないかを見抜く能力が不足しているため、ただこの料理辛いだけじゃん、まずいだけじゃん、という評価をすることになるのだ。

ソフトエムとドMの区別だが大まかに言えば、まずソフトエムは自分が気持ちよくされるためにいじめられることを喜ぶ、それよりややM度があがると相手が気持ちよくなるための奉仕活動を喜ぶ、この程度がソフトエムである。
ドMになってくると、過剰な羞恥に興奮を覚えたり、精神への痛みや肉体への痛みに興奮すること、また男へ従属するなど性癖に尖りが出てくる。

ドM女とドS男の組み合わせであっても、精神的な従属を望むドM女が、肉体への暴力を好むドS男への評価として「あれはドSではなく自分勝手なだけ」と評価する場合もあるだろう。
しかし筆者個人の見解としては、どちらもドSでありドMであるが、性癖が合わなかった、という理解である。このようにしてドMであっても正しい判断を下せない場合はある。
真性ドMであったとしても正しくドSを評価することが出来ないのにソフトエムが正しい判断をできるわけもない。全体の半分以上はソフトエムでありそのソフトエムがドS男をドSではないと判断しているわけだ。

さて、では自称ドS男は本当にドSなのか、ということについて考えてみよう。これについては、「自称ドS男は本物のドSではない」という言葉は不思議なことに的を得ている場合も多々ある。
それはドSのフリをするとモテる、というアドバンテージが出る時もあるためドSではない男が敢えてオラオラした態度をとる場合があるからだ。

しかしそもそもソフトエムがドSを判断出来ないというのと、ソフトエムが指摘しているのは自分勝手なだけの男はドSではない、という理屈なので、「自称ドS男は本当のドSではない」の言葉はその通りであるが、フォーカスを当てている部分は大きく違うと言える。

ドSの捉え方としても、利己的なドSは自分勝手なだけでドSではないという人はいるだろうし、そういう人はM女性の限界を見定めながら尽くせる利他的なドS男性だけをドSと評価するかもしれない。しかし筆者の見解では利己的か利他的かはさておき特に強い苛虐的な性的嗜好がある者がドSであり、相手のニーズに応じるかどうかは別問題であると考えている。

少々長くなりまとまりもないが、総評すると、君たちが美味しいと思って飲んでいるものはカフェオレでありコーヒーではない。
男性から言われた「君はコーヒー通だね」の言葉を真に受けてブラックコーヒーを飲み、ただ苦くてまずいと評価するのはやめて、子供は素直にスタバでフラペチーノでも飲んどいてね。ということである。

そういう私もまたさしてドSでもないのにドSな振る舞いをして女性の目を引き、安易にお前ドMやん、といって勘違いをさせ続ける。
こうして勘違いドM女が量産されて、ドS男が正当に評価されないというサイクルは続くのである。

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