マウントについての考察

マウントを取る側、マウントを取られる側にはそれぞれ無自覚型と有自覚型の2種類が存在する。

マウントを取る側で無自覚型はいわゆる悪気がない、と言うやつだ。別段相手に力を誇示する意図があるわけではなく、自分の生活の一端を話していたら相手にとって力の差を感じさせる発言になってしまった、というパターン。
マウントを取る側で有自覚型は相手との力の差を見せつける意図がある発言となるので一般社会の目で見て悪と断定できるので社会悪と言える。

マウントを取られる側で無自覚型は嫉妬心や羨ましいという感情の乏しい人で、権力者が自らの力を誇示しよう発言していてもそこに不快感情を抱かない人である。
マウントを取られる側で有自覚型は他者の振り回す力に敏感であり、また自分のコンプレックスや自分の持たざる物についてよく理解しているものである。
説明をわかりやすくするためにマウントを取る側を権力者、マウントを取られる側を弱者と表現させてもらおう。
無自覚型権力者、有自覚型権力者、無自覚型弱者、有自覚型弱者、この4者の組み合わせによって人間関係の構図が出来る。

両者が無自覚パターン、両者が有自覚パターン、どちらかが無自覚でどちらかが有自覚パターン。

①権力者無自覚型、弱者無自覚型。
②権力者有自覚型、弱者無自覚型。
③権力者無自覚型、弱者有自覚型。
④権力者有自覚型、弱者有自覚型。

このように4つの組み合わせが存在する。
1つずつ解説していこう。
①のパターンはマウントを取る側及び取られる側の両者が無自覚であるというパターン。マウント取る側は悪意がなく自らの力を誇示しており、マウントを取られる側もその意図を特に察する様子がない、という組み合わせ。
そもそもこの場合はマウントを取られる側が無自覚ならマウント自体成立してなくね?という疑問が出てくるだろうが、まぁそれは一旦置いておいて、この場合は権力者に悪意がなく、弱者もそのマウントに不快感情を抱いていないため特に問題はないだろう。

では②のパターンに移ろう。
権力者有自覚型と弱者無自覚型の組み合わせ。これはマウント側が自らの力を意図して誇示しているため悪意がある、と断定できる。一方で弱者はその意図に気づいていない。
権力者は自覚を持って弱者に力を振るっているため社会の目線は悪だと断定できるが、弱者側の目線ではそれが悪だという認識ではない。

次に③のパターン。
権力者無自覚型と弱者有自覚型の組み合わせ。
これはマウントを取る側が悪気がなく、意図せずマウントをとってしまっているが、弱者側が力を振り回されているのを感じ取り不快感情を抱いているパターンだ。
この場合弱者側は権力者に対して、あなたマウントを取っていますよ、と知らせることできる。
そうすることで権力者に対してマウントを取り続ける有自覚権力者に変わるか、マウントを取るのをやめるかの2択のどちらを選ぶかの選択を迫ることができる。
無自覚マウントが悪かどうかについては、別の設問、知らないことは悪か?の中で言及していくこととする。

最後に④のパターン、権力者有自覚型と弱者有自覚型の組み合わせだ。
これはマウント側が弱者に対し力を誇示する目的で発言を行い、弱者側もその意図に気づき不快感を抱いているという状態だ。
人間関係において問題となってくるのは③と④のパターンだろう。

ではマウントに対してどう対応するのがいいのかを考察していこう。
マウントに対する対応方法は3つある。
1.野心を持って戦い続ける。
2.野心を持って戦うが、一定の功績をあげたところで野心を捨てる。
3.戦わない。

1から順に説明していこう。
まず野心を持って戦い続けるという選択肢だがこれはマウントを取られたことで起こる怒りの感情をエネルギーに変えて努力を行い、マウントを取ってきたものを超えていく、という方法だ。
この方法はマウントを取られた分野において自身が成長を望む場合とても効果的なことであるが、逆にまったく興味のない分野においてマウントを取られたにも関わらずそれに腹を立てて努力をする、というのは時間の無駄遣いとなる。
また自身が成長したいと思っている分野であっても野心を持ち続けると引き際の悪くみっともない結果となることもある。40、50になっても若い世代と美で張り合おうとしている女性や、体にいくつも爆弾を抱えながら前線を退かないスポーツ選手などがこれに該当するだろう。
また幸福度と収入の関係においても、一定の額を超えると幸福度も下がっていくというデータもあるため野心を持ち続けるというのは幸せの観点においてもマイナスに作用するだろう。

なので、2.であげた一定の功績をあげたところで野心を捨てる、または野心を小さくするというのがいい落とし所となるだろう。

3の戦わないという選択肢。これは絶対的に戦わない、ということではなく、運命によって勝てないと定められた分野や相手と戦わない、ということだ。
背の小さい男がボクシングのヘビー級のチャンピオンになることは出来ないし、容姿に恵まれない人がモデルや美容の道で成功することは出来ない。生まれの段階で既に敗北が決まっている分野で他者と争わないこと、また圧倒的な力の差があるものと戦わないこと。これは運命を受け入れ、地に足をつけて生きる、ということを意味する。

全く野心を持たず戦わない、というのも1つの手段だと思う。しかし、一国の主が他国から資源を奪われ続ける状態は看過できないはずだ。

マウント状態のある4パターンの人間関係の構図と、マウントに対する自分なりの回答を出してみた。

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