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右脳人間との闘い

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知的で真面目な筆者と、粗野で粗暴で理不尽な「右脳人間」たちとの闘いを描いた人間ドラマです。
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記事一覧

伯母が右脳人間

昔、マックシェイクで「夕張メロン味」が期間限定販売されたことがある。

ちょうど伯母が来ている時に飲んだのだが、
これがめちゃくちゃ不味かった。

思わず「うわーこれはまずいわー。」と言ったところ、伯母は
「あらー、夕張メロンて高いのよ?」と説教ぽく言うではないか。
そこで、

「いやそれは知ってますけど、このシェイクは不味いんです。」
と返すと、伯母は

「あらー、でも夕張メロンて高いのよ?」と

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「うっかり」の使用制限に関する考察

「ん?ここの数字、前回のファイルから直ってないようだけど。」

後輩のKとは、担当は違うがいくつかの情報ファイルを共有していて、
今日はたまたま数字の直し忘れを見つけたので指摘した。

「ああ、すいません。うっかりしてました。」

この男は「うっかり」という表現をよく使うので、
ここぞとばかりに(日頃の恨みを込めて)、

「君は何でも『うっかり』で済ませるが、
 使っていい時とそうでない時があるん

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右脳人間は年上を敬わない

後輩のK君とは、学年にして3年の差がある。

3年と言えば、学生時代なら大変な差である。
中高生なら同じ学校に在籍することさえできず、
大学生でもギリギリ顔を合わせるラインだ。
雲の上の存在と言ってもこの際差し支えない
(少なくとも私にとっては差し支えない)。

そう思うと、K君の日頃の態度に段々と腹が立ってきた。
今日こそは、年上を敬うということを覚えさせてやろう。

「というわけだから、今日か

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谷間と右脳人間②

谷間を見る者は右脳人間だという説に関して、
納得のいかなかったK君と再度論議になった。
理知的な私は、昨日のような事態を避けるべく、まずこう提案した。

「まずは『谷間』という単語を言い換えないか。」

「と言いますと?」

「鈍い男だな。休憩室とは言え、周りに聞かれた時に困るだろう。
 昨日のように。」

「あ、なるほど。では『半ボイン』ではどうでしょう。」

「半ボイン!?しょ、正気か君は!

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谷間と右脳人間①

満員電車は女性にとって不快なものに違いないだろうが、
男性にとっては人生を左右するほどの場だ。

両手を上げ、明らかに女性側でない場所に手を置く、
周りが女性だらけだった場合、鶴のポーズを余儀なくされるなど、
日頃のたゆまぬ努力が必要となる。

実際のところ私は合理主義者なので、痴漢行為どころか
風で女性のスカートがめくれたり
ローライズの上から下着が見えている程度の状況からさえ、
意識して目を逸

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右脳人間との闘い ~序章~

私は常に合理的に物事を処理する、左脳人間である。

そんな私の周りには不思議と、
粗野で、感覚的で、細かいことは何も考えていない右脳人間が多い。

彼らは、なぜか記憶力に優れている。
特に私の周りの右脳人間たちは、
普段何も考えていない分、記憶容量が余っているのか
細かいことを実によく覚えている。

先日も、とある料理の話題が出た際、その由来について薀蓄を語ったところ、
妻に「それは私が教えたもの

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