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カドタに感想を書かせて

A

新大阪までの新幹線の道中で見ました。テレビで聞いたことがあるなぐらい前情報でしたがめちゃくちゃに上振れしてました。新幹線って映画見るために存在してるんですね(違う)。最高の新幹線時間でした。

感想

景部高等学校に転入してきた謎の美少女、シオンは
抜群の運動神経と天真爛漫な性格で
学校の人気者になるが…実は試験中の【AI】だった!
シオンはクラスでいつもひとりぼっちのサトミの前で突然歌い出し、
思いもよらない方法でサトミの“幸せ”を叶えようとする。

彼女がAIであることを知ってしまったサトミと、
幼馴染で機械マニアのトウマ、人気NO.1イケメンのゴッちゃん、
気の強いアヤ、柔道部員のサンダーたちは、
シオンに振り回されながらも、
ひたむきな姿とその歌声に心動かされていく。

しかしシオンがサトミのためにとったある行動をきっかけに、
大騒動に巻き込まれてしまう――。
ちょっぴりポンコツなAIとクラスメイトが織りなす、
ハートフルエンターテイメント!

映画『アイの歌声を聴かせて』公式サイトより

サトミがAIをフル活用して朝の準備を進めるシーンは今より1つ先の未来な感じが出てとてもよかった。AIがフル活用されてる都会じゃなく、AIが寄り添った生活をしている田舎ってのも未来感があって良い。

その一方で、田舎故の閉鎖的で保守的な雰囲気で不協和音バチバチの学校は対比が効いてた。結局いくら文明が発展しても人間自身が変わらないとダメなものはダメ。そんな人間の愚かさが出てる作品に外れなし。サトミはトウマのための行動のせいで学校でつまはじきにされているのも古から続く愚。生徒の親のほぼ全員がAI産業の星間に就職してるのみ田舎っぽさが加速する

シオンが転校生と入ってきて開口一番にサトミの前で「今、幸せ?」って聞く出会いのシーンはポンコツ越えた狂気。急に歌い出すしで試験としては不合格確定。そんな中でセキュリティAIをハッキングしてなんとか乗り切るのは反則。AIはズルすんな、人間だけで留めとけ。そのせいで学校で散々な目に合ってるサトミとそれがバレてなくて順調と喜ぶ美津子のすれ違いはコントみがあって面白かった。

シオンがAIである秘密を抱えたメンバーのそれぞれの苦悩というかこじらせを解決していく展開はよかった。ゴっちゃんとトウマが部室で話し合うシーンは2人それぞれの苦悩がはっきりと見えて対比が聞いてた。ゴっちゃんの全部が80点の悩みは作品では勝者として消費されがちだが悩ましい。自分の中では『無職転生』がゴっちゃんに当てはまってそこまで刺さり切ってないです。

トウマとの過去を思い出して

行こう。時間は解決なんかしてくれない 
傷口が固まっちゃうだけ

これを言い切ってアヤを喧嘩してるゴっちゃんのところに連れて行くのは痺れた。このセリフからサトミが強い女性であるのをまじまじと見せられた。ヒロインが強いと作品が引き締まる。ここらへんで完全に前のめり。もうおもろい。人間のイザコザはAIじゃなくて勇気が解決するしかないんですよね。

そんなサトミの強い一面を見せてからのムーンプリンセスが好きな乙女的な側面はギャップでとてつもなく好(ハオ)。シオンが周りのAIを全部制御してお姫様にする展開はアツい。うれしすぎて泣いちゃうサトミ、めちゃくちゃ可愛い。結局はメリハリが大事なんですよね。

AIの発展の是非も考えさせられる今作品、個人的にはサトミたちはシオンという存在はどこで認識しているのかと気になった。最終的に人工衛星に取り込まれたシオンはシオンとして認識していた。そう考えると女子高生のシオンの姿は存在証明としては不十分なのだろうか。しかし、サンダーはシオンに恋心を抱いていた。サンダーは人工衛星に恋することが出来るのだろうか。シオンはAI世界にある1つの思考体?どこまでがシオンでどこからがシオンではないのかという境界線が曖昧というか人それぞれになりそうなところはAIのまた難しいところなのだろうか。

そんなシオンは最後でサトミとトウマをアシストしたのは尊い。あいつらはさっさと結ばれるべきだったのである。それで完全に蛇足だが、星間のビルでドンパチしてる時に外に映し出された文字の安っぽさには笑った。パチンコの確変演出かなと思ってしまった。そんな名作を噛みしめながら

今日も元気で がんばるぞ、おー! 


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