見出し画像

酸っぱいいちご、大きな実り。

昨日、畑にいったらいちごが実っていた。

このいちごとの出会いは、去年の秋。ホームセンターで「大玉いちご!」と押しが強めの看板に誘われて、苗を買った。

それから畑に行くたびにいちごの経過を見守った。少しずつ、いちごのような赤みを帯びた葉っぱが成長していって、途中枯れそうになりながらもなんとか持ちこたえ、こまめに肥料をやり、「実れ〜」と念を送り続けた。

そうしたら最近ニョキニョキっと枝のようなものが出てきて、「まさか..ここに実るのか」と思った。そうしたら、いちごのようなかたちがポンッとついて…。
そして昨日、ついに感動のご対面!早速収穫してみた。

真っ赤になっていたのは、ひとつだけ。でも私にとっては超宝物。いつ食べようかとソワソワしながら持ち帰った。

***

畑をやっていて思うのは、「撮れ高」を意識してしまったらきっと楽しくないだろうなぁということ。これで生計を立てている人たちは別として、苗を買って、肥料をやり、草を抜き、水をやる。いやらしい話、経費や労働量を考えると、スーパーで買う方がダントツに安いなって思うことが本当にたくさんある。

でもやっぱり何事にも変えられないのが、畑で過ごす「いい時間」だ。

畑作業をしながら聴こえてくる鳥の声、感じる空気のにおいや虫の気配。その度に身体が小さく反応する。普段の生活で感じているところとはまた別のスイッチが押されて、動いているような気がする。

畑仲間のじいちゃんばあちゃんとの交流も楽しい。イスに座ってゆっくりお話したり、畑作業をやっている背中をみていると、自分が世界を窮屈にしているだけなのかなぁと思えてくることがある。

この前、おじいちゃんがこう言っていた。
「ものを育てるっていうのは、ほんとうに楽しいよなぁ。今年うまくいかなかったらまた来年こうしてみようと工夫が生まれる。その積み重ねがいいんだ」

畑をはじめてからもうすぐで1年が経つ。
最近ようやく収穫をたくさんできるようになってきた。行くたびに、野菜たちから「取って取って!」と言わんばかりの熱量を感じる。

そうそう、収穫したいちごは昨晩食べた。ものすっっごく酸っぱくて、アニメに出てくるような渋い顔をしながら味わった。

しかし、このひとつぶは私にとって大きな実りだ。来年はもう少しだけ、甘いいちごを育てられるようにがんばりたいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?