銀行員が本音で語る 第4回【法人RMの仕事編】
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銀行員が本音で語る 第4回【法人RMの仕事編】

今日は私の仕事を紹介したい。
社長や経理の責任者でもない限り、銀行の法人営業マン(以下、RM)とビジネスの場で会うことはないだろう。

ドラマ『半沢直樹』のイメージが強いかもしれないが、あれは不良債権になりそうだった融資を回収するストーリーだ。

もちろん不良債権の回収をメインでやってるバンカーもいる。だが全体から見たら、ごく少数だ。
大多数のRMは融資実行額や収益のノルマを与えられ、達成すべく真面目に働いている。

私の経験からRMが何をしてるか、お伝えしていく。

目次
1.そもそもRMとは?
2.業務範囲
3.必要な資質
4.法人RMをやって良かったこと

1.そもそもRMとは?

RMとは Relationship Management(リレーションシップマネジメント)の略語だ。
和訳すると、『顧客との関係構築担当者』となる。
この単語自体、銀行用語なので聞き慣れないのも無理はない。

一言で言えば只の営業なのだが、銀行はメーカーや商社と違い、極論『商品』は存在しない。
扱っているのがカネだからだ。

一般的な営業は『何かを売る』職業だ。
だが銀行営業のメインである融資は『カネを貸す』業務である。『売る』と『貸す』は全く異なる仕事だ。
だから営業ではなく、RMという名称を使っているのではないかと推察している。

ちなみにRMは、個人RMと法人RMに分かれている。
個人RMは富裕層への運用提案や企業従業員への住宅ローンセールスなどを行なっている。
(法人を担当することはない)
法人RMは企業に対する全ての業務を行なっている。

この記事で説明しているRMは、法人RMであることに留意して頂きたい。

2.業務範囲

業務範囲は凄まじく広い。
カネの何でも屋と言っていい。

融資、運用、預金、為替、外為、デリバティブ、
事業承継、M&A、相続、IPO、ビジネスマッチング、
インターネットバンキング、フィンテック etc。

社長と話すので、個人運用や住宅ローンなどの商品知識もある程度は知っておく必要がある。
更に法人や社長の住所変更も受け付けるため、事務手続きの知識も必須だ。

今まで話したのは外回りの業務だ。
実はRMは外回りよりも内部事務に時間を取られるケースが多い。

格付をご存知だろうか?
ワイドショーで芸能人格付なる番組があるが、当然あんなお気楽なものではない。
企業から決算書をもらい、データ化した上で財務内容を分析し債務者を区分する作業だ。
融資してる企業には毎年行わなければならない。

融資にしてもRMには何の権限も無い。
稟議を作成し、権限者に決裁されて融資は実行される。案件によるが、RMは1人で膨大な資料を作成したりする。

融資には緊急性が高く、期日までに実行されないと顧客に多大なる迷惑と損失を与える案件がある。
実行できなければ、最悪企業が倒産する場合もある。
そんな案件がある場合、外回りする余裕はない。

3.必要な資質

2章を見て、必要になる能力も多いのが分かるだろう。

RMはゼネラリストでないと、多様化している顧客ニーズに応えることはできない。
しかし知識ばかりの頭でっかちになっても、何の案件も取れない。

RMに必要な資質は『ニーズへの感度』だ。

バブルで日本経済が停滞するまでは、この資質は必要なかった。経済が成長してる間は資金需要(顧客の借入ニーズ)が高い。

理由は、人々の購買意欲が高いので企業は供給が追いつかず、工場を建て増産する必要があるからだ。
設備投資の計画があれば、大金を銀行から借りる。
極論になるが、銀行は企業が『借りたい』という顕在化されたニーズに対応すればよかった。

だが時代は劇的に変わった。
今や企業の資金需要は少ない。
代わりに後継者不足で中小企業が存続できない問題が目立ち始めた。
しかしそんな悩みを言う社長など、ほぼいない。

つまりニーズが潜在化したということだ。
だからこそ、ニーズへの感度が必要なのだ。
何気ない会話の中から、『もしかして困ってるのでは?』と思えるかで案件の獲得数は変わる。

あとは『真に顧客に寄り添えるか』が必要な資質だが、これは過去記事である【顧客第一主義編】を読んで頂きたい。

4.法人RMをやって良かったこと

様々な企業の社長に会える!
これに尽きる。
特に創業した社長たちは、本当に個性豊かだ。

想像して欲しい。
我が身1つで事業を始め、金も人も無い状態から売上を数十億にした人たちだ。

中小企業の場合、銀行から融資を受ける際には、社長個人の連帯保証が条件となるケースが多い。
つまり自分の企業が借りている数億〜数十億の融資は、企業が倒産した場合、社長の個人資産を犠牲にして返済しなければならない。

サラリーマンとは覚悟の量が桁違いなのだ。
RMはサラリーマンだが、社長と面談できる数少ないサラリーマンだ。

会社のトップである社長と対等に話すには、RMは自分をブラッシュアップするしかない。

そして社長でも気付いていなかった潜在的なニーズを見つけ、課題の解決ができた時、『君が担当してくれて良かったよ』の感謝ほど、やりがいを感じるものはない。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
法人RMの仕事、どう感じたでしょうか?
感想をコメント頂けたら嬉しいです。

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わが生涯に一片の悔いなし!!
1982年生まれ。銀行の法人営業担当者です。銀行・金融・人生のアップデートを中心に発信していきます。連絡先:siguresui@gmail.com またNewsPicksというSNSでもコメントしております。https://newspicks.com/user/1870561