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SWOT分析とジョハリの窓を使ってチームを分析してみた話

この記事はAteam Brides Inc. Advent Calendar 2020 10日目の記事です。

エンジニアに限らず全般的に使える内容だと思うので、noteを利用させて貰いました。


 はじめに

この記事はビジネスワークフレームである「SWOT分析」、自己分析に使用する心理学モデルの「ジョハリの窓」をベースにしてチーム分析を行ったので、その分析方法を紹介します。

チーム目標を考える時の参考になれば幸いです。

 今回の狙い

今回のチームの分析を行う事により、以下の効果を狙いました。

・自チームの強み弱みを考えて貰う時に個人も振り返ってもらう
・自チームの強み弱みなどを客観的に認識してもらう
・自チーム外には気づかれていない事、求められている事を知る(自チームとのズレを知る)

なお、自チームを分析した後の行動(改善等)については、チーム状況に応じて行うべきなのでここでは触れません。

使用したフレームワーク

今回は「SWOT分析」「ジョハリの窓」を使用した書きましたが、本来の使い方とは異なっています。
しかし、それぞれを知らないと説明できないため、「SWOT分析」「ジョハリの窓」を紹介します。

SWOT分析とは

SWOT分析とは、競合や法律、市場トレンドといった自社を取り巻く外部環境と、自社の資産やブランド力、さらには価格や品質といった内部環境をプラス面、マイナス面にわけて分析することで、戦略策定やマーケティングの意思決定、経営資源の最適化などをおこなうための、有名なフレームワークのひとつです。

【図解】SWOT分析とは?ビジネスパーソンなら知っておくべき基本フレームワークより引用

自社の強みと弱みと自社を取り巻く外部環境による機会(良い方向に向かう要因)と脅威(悪い方向に向かう要因)に分けるフレームワークです。

Strength(強み)
Weakness(弱み)
Opportunity(機会)
Threat(脅威)

の頭文字を合わせてSWOT分析と呼ばれています。

ジョハリの窓とは

自分が知っている「自分の特徴」、他人が知っている「自分の特徴」の一致・不一致を『窓のように見える4つの枠』に分類することで自己理解のズレに気づく、心理学ではよく使われているフレームワーク(手法)です。また、そのズレを一致させていくことで他人とのコミュニケーションを円滑にできると考えられています。
「開放の窓」 自分も他人も知っている自己
「盲点の窓」 自分は気がついていないが、他人は知っている自己
「秘密の窓」 自分は知っているが、他人は気づいていない自己
「未知の窓」 誰からもまだ知られていない自己

ジョハリの窓で自己分析 ~概要、やり方、項目例、シート、アプリ、研修活用~より引用

自分が思っている自分と他人から見た自分とのズレを見つけて、自己理解やコミュニケーションを円滑に進め方を考えるフレームワークです。

フレームワークの異なる部分

今回はSWOT分析の「自社」を「自チーム」に、ジョハリの窓の「自分」を「自チーム」に変えて使用しました。

チームの分析方法

さて、本題のチーム分析ですが、手順は以下の通りです。

【分析手順】
1. 各自でSWOTを書いてもらう
2. 書いた内容の深掘りをする
3. 外から見たSWOTを書いてもらう
4. 各自のSWOTを「自チーム」「自チーム外」に分けてまとめる
5. 各項目でグループ分けを行う
6. ジョハリの窓をグループに対して使う

手順の詳細は、順を追って説明していきます。

1.各自でSWOTを書いてもらう

メンバー毎に記入フォーマット(今回はスプレッドシート)を用意し、各自「自チームの強み、弱み、機会、脅威」を書いてもらいますが、強み、弱み、機会、脅威は以下のような視点で書いてもらいました。

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Strength(強み)  ・・・ 自チームの強み
Weakness(弱み)  ・・・ 自チームの弱み
Opportunity(機会) ・・・ 自チームに対して参考にした方が良い他チームの動き
Threat(脅威)   ・・・ 自チームに対して悪影響がある他チームの動き

ここで注意した点は、お互いに記入内容が見えないようにしました。メンバーには忌憚なく記入して貰い分析をしっかり行いたかったためです。

そのため、弱点や脅威に関しては、悪口と捉えられる記入内容が書かれる可能性が出てきます。
今回は悪口のような記入内容がなかったので何もしませんでしたが、もしチームの雰囲気を悪くするようなものがあれば、書いた人に了承を得て修正した方が良いかも知れません。

2.書いた内容の深掘りをする

後ほどグループ分けをする際に悩まない様に、メンバーが書いてくれたSWOTに対して意図が不明な記入や要因が複数ありそうな記入などを深掘りして明らかにしました。

なお、深掘りはしなくてもグループ分けは可能だと思いますが、分析の精度を上げるために深掘りしました。

3.外から見たSWOTを書いてもらう

俯瞰して自チームの状況が見える様にするために自チーム以外の方々に協力してもらい、外から見た自チームのSWOTを書いてもらいました。

ここでは機会(Opportunity)と脅威(Threat)は出にくいと思いますが、ここでは強み(Strength)、弱み(Weakness)が重要なので数が少なくても問題ありません。
しかし、機会と脅威は自チームに対して参考になる動きなので、必要が無い訳ではありません。

注意する点は強力してもらう方々の選び方です。
職能や立場(役職者など)によって記入する内容が変わってくるため、考えて選ぶ必要があります。

4.各自のSWOTを「自チーム」「自チーム外」に分けてまとめる

ここまで書いてもらったSWOTをまとめる段階に入ります。

まとめ方としては、「自チーム」と「自チーム以外」の2種類のSWOTにまとめました。理由は自チーム内外との認識のズレを見つけるためです。

5.各項目でグループ分けを行う

次に記入した内容を各項目(「強み」であれば「強み」の中)でグループ分けをしてグループにまとめました。

グループ分けをする理由は、これらをメンバーに展開した時に読みやすくするためとこの後のジョハリの窓で使用するためです。

ちなみにここで1グループに対して内容が1つになる場合が多い時は、グループ分けが上手く出来ていない可能性があると思います。
その時は各内容の本質的な要因を探しながらグループ分けした方が良いと思います。

6.ジョハリの窓をグループに対して使う

最後にグループでジョハリの窓を使い認識のズレを明確化します。

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ジョハリの窓の各窓を以下の通りに定義して、分けていきました。

開放の窓 ・・・ 自チーム内外で認識されている事
盲点の窓 ・・・ 自チームでは認識してないが、自チーム以外からは認識されている事
秘密の窓 ・・・ 自チームは認識しているが、自チーム以外には気づかれていない事
未知の窓 ・・・ 自チーム内外で気づいていない事(これは出すのは難しいので今回は無視)

SWOT分析でもチーム内外のズレはある程度見えますが、ジョハリの窓で分けることにより見やすくなりました。

ちなみに今回使用するグループは1グループあたり1項目のグループは対象外としました。
理由はチームとして重要度が高い(書いた人が多い)グループを見やすくするためでしたが、対象外にしなくても良いと思います。

以上が今回行った分析の手順となります。

最後に

チーム目標を考える時には会社の目標から落とすことが多いと思いますが、
チームの内部環境(強み・弱み)や外部環境(機会・脅威)を出して、チーム目標を考えてみても良いのでは無いでしょうか。
参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

明日は@tsudaryo1715が担当しますのでお楽しみに!

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