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人を育てる投資だけでなく、育つ環境への投資にも目を向ける

9/11(金)の日経新聞朝刊1面に「投資、設備から人材へ」という記事出ていました。

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内容としては、人材への投資というより、スキル教育にお金を使うという印象があります。これは、今までもある程度してきているのではないでしょうか。もうちょっと深掘りして捉える必要がありそうですね

さわれる有形資産・さわれない無形資産

かつて成長期にあった日本は、モノづくりが中心でした。設備を使ってモノをつくることが価値の源泉です。ところがビジネスがモノではなくコトに変わってきています。有形から無形ですね。

無形資産には、3つの投資領域があります。

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図の引用元は以下のページです。こちらも興味深いのでぜひどうぞ


日経の記事では、特に人材にフォーカスを当てて、「投資、設備から人材へ」とまとめてあるように思います。しかし、本来は、直接的な人材訓練だけでなく、情報化資産や革新的資産といった無形資産にも投資が進んでいくと思います。

ここで考えないとならないのは、投資対象が有形のものではなく、無形になると何が変わるのかということです。有形資産・無形資産は、英語にするとtangible・intangible となります。物理的に触れられる、触れられないという意味です。有形の設備があるとみんながそれに触れて、定められたアウトプットをします。仕事の進め方も決まっていて、設備を使っているうちに仕事を覚える事ができます。したがって、人材教育に直接的に投資をしなくても、設備投資をすれば人が育った、という見方もできます。つまり人が育つ環境だったと言えるかもしれません。

ところが、扱うものがデータや知識となってくるとどうでしょうか。アウトプットが定まっている作業は、自動化されて人手を介すことがない。税務のように、かなり高度だとされている知的作業も自動化されていきます。しかも途中で触れられないのでブラックボックス化する。結果、人が触れて学ぶ機会がない。だから、直接的に人材教育を…となっているように思います。

必要なのは人が「育つ」環境への投資

とはいえ、デジタル対応をするための知識付与では本当の意味で、経済的競争力を生まないのではないかと思います。DXなどと言っているから新しい感じがしますが、実際には、どんどんコモディティになっていきます。むしろ、無形資産のうち、情報化資産や革新的資産に投資することで、それに対応して自らスキルを得ようとする人材だけが淘汰されて残るという見方もあるかもしれません。

わたし達が再度注目すべきなのは、かつては、設備に投資することで人が育つ環境になっていたということだと思います。問題は、結果として人が育っていたので、そういう環境が必要だということに無自覚になっていることなのかもしれません。

近視眼的にならずに、お金を何に変えていくのか、ビジョンをもった投資を考えたいところです。


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