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このきれいな花に水をあげたいなと思う衝動に素直に従うことが社会を発展させる

昨日は、お付き合いのある経営者さんたちとのオンライン&リアルのハイブリッド意見交換会でした。総勢10名程度です。ある会社の社長さんから事業の取組みについて話題提供をいただき、それをもとに意見交換をしました。

お話いただいたのは、ある物の配送ビジネスです。中小の配送業者さんどうしが協力して、全国に配送網を構築しています。実は、この仕組みがないと届けられない物というのがありまして、このネットワークを構築している経営者のみなさんは、この事業にとても強い使命感を持っています。

…と書くとすごくギラギラした人を思い浮かべそうですが、ものすごく自然体でやっているのがこの社長さんの素敵なところです。
まるで、きれいな花があるから水をあげたいと思った。という衝動のまま動いていったら実がなった。こんな素敵な実が成るなら、みんなにも教えたい。だから種を配った。植えるところがなければ、一緒に探したり、耕したりもした。なんだかそのこと自体がすごく楽しい…とそんな感じです。

そんなお話を振返っていて、ふと「あ、生成発展ってこういうことだな」と思いました。生成発展と言うのは、松下幸之助さんがその経営哲学の中で説いている言葉の一つです。

生成発展とは、日に新たにということであります。古きものが滅び、新しきものが生まれるということであります。
これは自然の理法であって、生あるものが死にいたるのも、生成発展の姿であります。
これは万物流転の原則であり、進化の道程であります。
お互いに日に新たでなければなりません。絶えざる創意と工夫とによって、これを生成発展の道に生かしていくとき、そこに限りない繁栄、平和、幸福が生まれてまいります。

世の中(もっというと宇宙)は、日に新たに成長するようにできているのですね。だから、素直にその原則に沿って行動すればうまくいくものだ、といふうにわたしは解釈しています。

ただ、実際には損得を考えちゃいますよね。それもまた人間だな、と思います。種をいくらで売ったらいいかな、とか、実ができたらいくらバックマージンもらえばいいかな、とか。でも、そういう欲に従うより、互いにより良くなろうとする欲に従った方が、成功するし、幸せなんだと思います。


その社長さんの話の中で「志本主義」という言葉がでてきました。
使命感をもった同志のネットワークという意味です。そのつながりの原動力はお金ではなく、志だというこです。本来であれば、ライバル同士になるような関係なのですが、配送網を構築するために互いのノウハウを共有しあってつながっています。

ちょっと気になって、改めて「資本主義」についてその定義を調べてみました。すると、資本主義の資本は、そもそもお金だけではないという解説がありました。

知的資本や社会関係資本、自然資本など「思いやり」や「社会貢献」も含めた「企業などの経済活動で価値を生み出す源泉」

ということなのです。

そう、そもそも「思いやり」や「社会貢献」という志は経済活動で価値を生み出す源泉なのです。気をつけないと、知らず知らずに資本をお金だけで捉えたりと、視野がせまくなるところがわたし達にはありますね。

昨日のテーマは「コロナ後の成長戦略」でした。わたしとしては、各社の成長戦略づくりを後押ししなくては、という気持ちが強くなっていたのです。ただ、あらためて昨日の議論を振返ると「各社」ではなく、「社会」の成長戦略を「各社」と共に考えることがわたしのすべきことだな、と思いました。

コロナは、大変なショックを巻き起こしています。
ただ、長い目で見た場合は、これまでも乗り越えてきた課題のひとつです。そして、課題をいただくことで、世の中の成長に貢献できるチャンスをまた得られたのだ、と、そうした思いを共有できた、良い場でした。

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