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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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#企業経営

マルハラを考える

しばらく前に知った言葉ですが、「マルハラ」という新種のハラスメントが認知されているようです。文末を「。」で終わることがハラスメントの一種であるというものです。 生成AIのCopilotに、「マルハラ」の定義について説明してもらいました。以下です。 文末に「。」をつけることが、文を区切る目印となる以上の、特別な意味づけを与えてしまうのだそうです。 2月2日のヤフーニュース記事「LINEで句点「。」は誤解を招く… “マルハラスメント”とは? 若者世代「冷たい、怒ってる、冷め

ストレスマネジメントについて考える(2)

前回は、ストレスマネジメントをテーマにしました。 「何がどの程度自分にとってのストレッサーになるかを把握する」のがストレスマネジメントでは重要で、どのような「仕事でのストレッサー要因」「仕事以外でのストレッサー要因」が自分にとってストレス反応を引き起こしやすいか、また現状はそれらストレッサーがどのようなレベル感なのかを把握することについて考えました。 ・緩衝となる要因 自分にとってのストレッサーが多い状況にあっても、それらを緩めてくれる要因があれば、ストレス反応が少なく

ストレスマネジメントについて考える

先日ある方との対話の中で、「不安をなくすにはどうしたらいいか」という問いかけを受けました。この問いに対する決まったひとつの正解はないだろうと思いますが、私なりの答えは「不安がなくなることはない。不安に対して自分がどうしたいか決めることに集中する」です。 不安がなくならないのは、不安を感じるのが生物の本能のひとつであるためです。 私たちは可能な限り生き延びようとしますので、自身に対して生命の危機を感じさせる存在に敏感になることは、生物として自然な反応のはずです。ですので、物

移民送り出し国の便益から考える

3月22日の日経新聞で、「国際労働力移動と移民(5)」というタイトルの記事が掲載されました。人材が国外に移転して頭脳流出する場合の影響と、国外からの送金の効果について考察している内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 日本や他国において、国内人口の減少から、労働力人口確保を目的とした移民の受入制度についての検討・議論が盛んになってきています。そうした場面では当然ながら、受け入れ国としての便益や懸念、懸念への対策が論点の中心になります。言語をはじめたとした教育、ビザの資

取引先の便益を高める

3月20日の日経新聞で「ホンダ、金型を一括購入に 中小の資金繰り支援 金利負担を抑制」というタイトルの記事が掲載されました。支払い条件を取引先が有利になるように変更するという内容です。 同記事を抜粋してみます。 日本銀行は19日、マイナス金利政策の解除を決定しました。17年ぶりの「利上げ」となります。今後どのぐらいのペースで利上げが進んでいくのかはわかりませんが、これまでより高くなっていくことは確かです。借り手にとって金利負担が増えていくことは、間違いないはずです。 借

その場に応じた美点凝視のフィードバック

先日、コーチングをテーマにした勉強会に参加する機会がありました。その勉強会では、「相手から主体性を引き出す」ことをポイントのひとつにしながら、1対1でコーチングのロールプレイも行ったのですが、そのロールプレイ終了後に行った参加者全体での振り返りで、たいへん示唆的な気づきがありました。 全体での振り返りで、私とロールプレイを組んだ相手の方が、次のようなフィードバックのコメントを発言されました。 私としては、自分の行なったロールプレイは、うまくいかなかったなという、次のような

早期退職募集増加を考える

3月6日の日経新聞で「早期退職募集が昨年超え 上場企業、資生堂は国内1500人 迫られる賃上げで構造改革 若年に拡大、雇用流動化」というタイトルの記事が掲載されました。2024年の2月までの2か月間で、上場企業の早期退職の募集人数が23年通年分を既に1割上回ったということです。 同記事の一部を抜粋してみます。 同記事にも言及がある通り、雇用の流動化がさらに進んでいくことを示唆している内容だと考えます。 これまで、早期退職募集は中高年層を対象としたものが中心でした。 日

「素直」について考える

先日、私が参加している「知心会」の3月の定例講に出席しました。「知心会」では、ありのままの己の心を観ながら仲間と共に研鑽する機会の一環として定例講があります。 この日の定例講では、「素直」がテーマのひとつになりました。 一代で松下電器産業(現・パナソニック)をつくりあげた名経営者の松下幸之助氏が、人生で大切にしていたのは「素直な心」だったと言われています。それぐらい「素直さ」は、経営者にとって、あるいは経営者以外のすべての人にとっても、よりよい人生・職業生活を送るうえで大

「大玉送り」など、一見すると昭和風のイベントだが

3月11日の日経新聞で「Z世代の「育て方改革」」というタイトルの記事が掲載されました。パナソニックが開いた社員1200人の大規模交流イベントを例に、若手世代への対応について考えた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 「○○方改革」が乱発している感がありますが、「育て方改革」という言葉も現れたようです。 それはさておき、同記事からは3つのことを考えました。ひとつは、「承認欲求」はどんな人にも共通する本能だろうということです。 私たちはみな、「誰かに何かで認められた

労働組合の今後の役割を考える

3月8日の日経新聞で「三井物産、労組が人材戦略 キャリア開発の要に 120職場のニーズ分析、副業など実現」というタイトルの記事が掲載されました。三井物産の労働組合を例に、賃上げ交渉ではない別のことを活動の主体にしようとしている組合について取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 上記からは、3つのことを考えました。ひとつは、データ分析と結果を活用するデータマネジメントの重要性です。 AIを含め、データを収集、分析するツールはしばらく前から勢いをもって発展し続

家事代行サービス利用の広がりを考える

3月9日の日経新聞で「若者「タイパ」で家事代行 広がる利用、高齢者も重宝 中小の福利厚生にも補助」というタイトルの記事が掲載されました。 「コストパフォーマンス」の中でも、特に時間の効率性に焦点を当てた「タイムパフォーマンス」が「タイパ」という言葉になって社会的に定着した感じですが、若手世代を中心にタイパの観点から家事代行サービスの利用者が増えているという内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 若手世代を中心とする、価値観の変化による家事代行サービスの積極的な利用拡

定年後の賃金制度を考える

3月3日の日経新聞で「定年再雇用賃金訴訟 60歳基本給6割カット 「年金あっても減額は許されない」 適切な待遇、会社も苦悩」というタイトルの記事が掲載されました。定年後の賃金の大幅減額が妥当かどうかの訴訟について取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 定年後継続雇用社員に対する賃金引き下げの是非が争点となった著名な判例としては、定年後継続雇用したドライバーの賃金を2割引き下げたことが不合理だと訴えた「長澤運輸事件」(2018年最高裁判決)があります。 長澤

お互いに淡々と職務を遂行する

3月6日のSmartHRメルマガで「Q:厳しくすると嫌われるし、パワハラも怖い……。どこまで厳しく接するべき?【人材マネジメントQ&A】」というタイトルの記事が紹介されていました。伊藤 羊一氏(Zホールディングス株式会社 Zアカデミア 学長、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長)による記事で、人材育成の本質を指摘した内容になっています。 同記事の一部を抜粋してみます。 上記で一貫しているのは、「人格や関係構築と、業務の成果や評価を分ける」ことではないかと感じます。

物流費の売上高比率を考える

3月6日の日経新聞で、「物流費の売上高比率低下 運転手の待遇改善が課題 輸送需要鈍化、足かせに」というタイトルの記事が掲載されました。企業の売上高に占める物流費の割合が下がっているということを取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 普段いろいろな企業の方とお会いしていると、物流費の値上げの話を聞くことがよくあります。「昨今の環境を考えると、値上げの要請を受けざるをえない」「毅然として物流費の値上げを要請していく」などです。 よって、相応に上がっているのだろ