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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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#コーチング

その場に応じた美点凝視のフィードバック

先日、コーチングをテーマにした勉強会に参加する機会がありました。その勉強会では、「相手から主体性を引き出す」ことをポイントのひとつにしながら、1対1でコーチングのロールプレイも行ったのですが、そのロールプレイ終了後に行った参加者全体での振り返りで、たいへん示唆的な気づきがありました。 全体での振り返りで、私とロールプレイを組んだ相手の方が、次のようなフィードバックのコメントを発言されました。 私としては、自分の行なったロールプレイは、うまくいかなかったなという、次のような

1対1での「涙」について考える

先日、知人との意見交換の席で、コーチングについて話題にする機会がありました。書籍「決定版コーチング 良いコーチになるための実践テキスト」(ジェニー・ロジャース著)の内容も取り上げながらの意見交換でした。 同書では、全14章のうち、第11章が「涙、トラウマ、そして心理療法」というタイトルになっています。紙面で言うと、P422~P454(キンドル版の場合)で約30ページにわたって、涙に関連したことが説明されています。 例えば、次のような内容です。(一部抜粋) このような具合

信頼関係×場の構築

前回は、「行動変容の難しさを理解する」をテーマにしました。そして、コーチングという場面で、コーチの側も行動変容の難しさを踏まえたうえで相手に関わるということについて考えました。今回も、引き続きコーチングに関連して考えてみます。 「藤本さんはオーラが出ていました」 これは、先日私が参加したコーチング勉強会にて、コーチングの演習で私がクライアントとしてコーチングを受けていた時に言われたことです。 そして、それは場面が限定されたものでした。「○○について話し始めた時に、オーラ

行動変容の難しさを理解する

先日、コーチングをテーマにした勉強会に参加する機会がありました。この日は、参考図書を基にしながら、相手の行動変容をどのように支援していけるのかが話題になりました。相手の中で発生する、行動変容の難しさ、痛み、場合によってはなぜ変わらなければならないのかという怒り、について認識を深めるための意見交換がなされました。 意見交換の中から4点のことを感じました。ひとつは、相手の中で起こっている変化を本人に気づいてもらうことの大切さです。 コーチングでは一般的に、コーチングセッション

リバースメンタリングという取り組み

9月15日の日経新聞で、「資生堂、若手が幹部を指南 AIやトレンド伝授、延べ1000人が参加」というタイトルの記事が掲載されました。若い世代が年配者のメンターとなり、立場を超えて縦割り打破する取り組みということです。 同記事の一部を抜粋してみます。 ベテラン社員や先輩社員がメンター(指導や助言をする人)となって、若手社員特に新入社員の仕事やキャリアの相談に乗るメンター制度は普及しています。しかし、若手社員のほうがメンターになるメンター制度は聞き慣れません。同記事によると、

組織を強くしたければ「アオアシ」に学べ

サッカー漫画「アオアシ」にハマってます。 「アオアシ」は、プロサッカーのユースチームを舞台とした物語です。 主人公の「青井葦人(あおい あしと)」は、ユースの監督である福田達也にその才能を見込まれ、プロを目指して愛媛から上京します。仲間やライバルの影響を受けながら、精神的にも技術的にも成長していく姿が描かれています。 正解をさっさと伝えるのは、指導者の怠慢 「アオアシ」で面白いのは選手の物語だけではなく、ユースチームの監督・コーチといった指導者の物語も描かれている点です

言葉の背景にある価値観の違い

先日、月に1回のコーチングを受けておりました。自己の客観視を深める目的で、知人にお願いして幅広いテーマで話を聞いていただく機会としているものです。回によっては、コーチングというよりざっくばらんな相談や、コンサルティングに近かったりします。先日の回での一言が、私にとっては大変示唆深いことでした。 最近次のような出来事がありました。 ある企業様を訪問して打ち合わせ、私がある件のご提案をする機会がありました。提案といっても、こちらから働きかけたというよりは、同社様が考えるべき企画

メンバーに継続を促すリーダー

先日、ある会社の社員数人の方にお話を聞く機会がありました。同社様では中小企業ということもあり、社長と社員の距離が近いことが印象的です。 同社様では、社長が頻繁に社員の役割を見直したり、担当業務を変更したりしているそうです。社員の希望、強みや特徴、会社の方針を加味しながら、社長なりの最終判断に基づいてのアクションです。そして、社員に対して、自分の仕事を継続させて取り組んでもらうよう、社長が率先して働きかけているようです。 社員の方からは、次のようなお話を複数人からお聞きしま

自己分析結果で短所を考える

先日、ある管理職Aさんを含めた幹部数人のコーチングをしていました。そのコーチングでは皆さんの希望もあって、いくつかの自己分析ツールで出てきた結果も踏まえながら進めています。 自己分析ツールで割り出す自分の特徴には、明暗があります。その特徴が望ましい発揮の仕方となった時は長所となりますし、望ましくない発揮の仕方になった時は短所になります。 Aさんも、自己分析ツールの結果を手掛かりに、管理職としての自分の行動でさらに伸ばしたい長所、改善したい短所をまとめているわけです。短所に

体重減量活動で感じたこと(続)

先週は、水曜~金曜まで3日間、郵便受けまで歩いた以外、家から全く外に出ませんでした。すべてオンラインでの仕事だったためです。食事もあまりしなかったのですが、歩くことさえほとんどしていないため、身体もよくわからない感覚になっていました。体重が増えたかもと思いながら、一週間ぶりに体重計に乗ってみたところ、700グラム減っていました。 昨年後半から注力し始めた体重減量の取り組みが成果を上げ、4か月間で約12キロ減量できたという話を、昨年12月の投稿で取り上げました。そこからさらに

人にのめり込む社長

先日、ある社長のお話をお聞きする機会がありました。同社長は、「自社で働けてよかったと社員に言ってもらうことを目指す」をモットーにしているそうですが、大変印象的なお話をお聞きしました。 同社様では、社員の入社時に社長が1対1で丸2日間にわたってお話をするそうです。これは、(従業員数1000人などではない、中小に当たる)同社様の規模だからできていることだとも言えますが、なかなか他社ではやっていない取り組みだと思います。その2日間の中では具体的な実務の話はほとんどなく、会社の考え

対面コミュニケーションの意義

前回までの投稿では、ある企業様での動画を活用したコミュニケーション施策をテーマにしました。動画の効果・利点のひとつとして、「テキストに比べて多くの情報が効率よく伝わること」を挙げました。 前々回の投稿では、メラビアンの法則について取り上げましたが、 https://note.com/fujimotomasao/n/n4b731d71f18e 改めてグロービス経営大学院のサイトを参照してみます(以下引用)。 ~~メラビアンの法則とは、1971年にカリフォルニア大学の心理学者

動画を活用したコミュニケーション(2)

前回の投稿では、ある企業様での動画を活用したコミュニケーション施策をテーマにしました。閲覧のハードルが低く、多くの情報が効率よく伝わり、感情でつながりやすく、記憶に残りやすい、といった動画の効果・利点について考えました。今日もその続きです。 https://note.com/fujimotomasao/n/n4b731d71f18e 同企業様では、趣味や今はまっていることなど、何でもいいので一人につき2-3分程度など時間を決めてプレゼンする。そして、プレゼンした社員は次の社

動画を活用したコミュニケーション

先日、ある企業様にて動画を活用したコミュニケーション施策が話題になりました。役員の発案によるもので、社員が動画を活用した自己紹介をしてはどうかというアイデアです。 背景として挙げられるのが、やはりテレワーク化が進むことによるコミュニケーション不足に関する問題認識です。「社員の顔が見えない。」「お互いの様子がわからない。」という声が上がっていて、もっと社員の顔が見えるしかけを作ってはどうかということのようです。 例えば、趣味や今はまっていることなど、何でもいいので一人につき