マガジンのカバー画像

Good to Great ― KC B team

1,839
小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
運営しているクリエイター

2020年9月の記事一覧

行動抑止について考える

9月25日の日経新聞で、「行政に問われる「執行」の覚悟」というタイトルの記事が掲載されました。この内容は、個人の行動や組織マネジメントを考える上で、シンプルながら示唆的だと感じます。 以下、同記事から一部抜粋してみます。 ~~ 法に違反するある行為に対して摘発、留置、罰金、強制閉鎖などの措置が定められていれば、実行されねばならないのは当然だ。しかし、そうではない例も多い。 例えば、スマートフォンを使用しながら自転車に乗る「ながら運転」だ。道路交通法などはこうした行為を危険

挨拶訪問や会食は不要か?

先日、ある企業の経営者様から、営業活動についてお話を聞く機会がありました。ウィズコロナの環境も踏まえた、今後の時間の使い方に関して、示唆的なお話だと感じました。下記が概要です。 ・コロナ禍で主力事業の売上が昨年度比30%減という厳しい状況が続いている。 ・その状況下で、ある大手メーカー(同社様とは違う都道府県の所在地)に、自社としては初の取引契約が結べたなど、明るい材料も出てきた。 ・同大手メーカーの契約は、ある営業部員の営業活動の賜物。以前から接点のあった同大手メーカーの

「RPAって、実は面倒じゃん」を乗り越えることで「知恵を生む組織力」を高める

今日、遅ればせながらRPAのデモを見ました。心のどこかで「どうせバッチ処理でしょ」くらいに思っていました。ただ、ちゃんとこれでビジネスをしている人は違いますね。デモだけでなく、色々と活用方法やビジネスアイディアを聞く事ができました。その後、あれこれ考えるうちにRPA成功の本質は、再利用できる手続きを発見することにあるように思いました。 RPA導入にまつわるパラドックスRPAは、一時期の盛り上がりから下降トレンドにあると言われます。何をバッチ処理するか、とか、そもそもその作業

未来志向の人事評価をするために

人事評価制度の策定を依頼されることがよくあります。「ウチも大きくなったし、そろそろちゃんとした基準がないと…」という動機が割と多いように思います。ただ、ちゃんとした基準は人事評価制度で作られるわけではありません。働きぶりを評価する基準ですから、事業戦略とセットになります。 また、ありがちなのが「仏作って魂入れず」になることです。制度を作ったけど運用されない、とか、運用しているけど意義を感じない、と言った状況に陥りがちです。制度という仕組み(What)だけでは機能しないのです

そろそろコロナ禍を言い訳にするのはやめよう

コロナと言えば許してもらえる世の中の風潮最近、色々な方と話をしている中で気になる言葉があります。それは何かというと「コロナだから仕方ない」という言葉です。経営者や経営幹部であれば「コロナだから赤字になっても仕方ない」、営業パーソンであれば「コロナだから営業目標が未達でも仕方ない」というものです。 確かに、コロナ禍はこれまで経験のない未曽有の状況であり、ほとんどの企業にとってマイナスの影響があります。そのため赤字になっても銀行も大目に見てくれるかもしれませんし、営業目標が未達

発展する企業の事例から感じたこと

先週、地方に拠点を置く企業様で近年発展し続けている事例を2つ聞く機会がありました。コロナ禍の影響も受けてはいますが、打開の糸口を見出して戦略化し、事業拡張を続けています。 具体的にどのような企業戦略なのかはここでは触れられませんが、両社に共通する点を3つ感じました。 1.業界共通の困りごと・クレームの解決策を提案している どの業界にも、以前から続いている商慣習、各社が共通して対応できていない難点、商品化・サービス化できていないことがあるものです。しかし、当事者もそれがわか

いつの時代でも「正解」に終わりはない

9/19(土)の日経新聞のオピニオン覧に『リバースメンタリング』という言葉が出てきました。通常、メンター制度は目上の人がメンターになるというものですが、その逆になっているというものです。経営幹部に対して、若手社員がメンター役になるわけですね。例えば、ITの知識やリテラシーは若手の方が高い。ならば、教えてもらいましょうということです。もちろん、これはITの知識に限りません。また、教える、教えられるというよりは、ランクを逆転させることでものが言いやすくなって、社内の風通しを良くす

同族経営の体制

先日、ある同族経営企業様の経営幹部Aさんからお話を聞く機会がありました。経営を支える体制のことについて示唆的なお話でした。 同社様では、親族が社長・副社長を務めています。いわゆる同族経営であり、現社長は3代目となります。創業社長が礎をつくったからこその今があるわけですが、現社長になられてから飛躍的な事業の拡張を続けています。経営上の課題はもちろんありますが、同経営チームの主観的にも、また社外の人が見た客観的にも、経営体制としてうまくいっていると評価されています。 同族経営

このきれいな花に水をあげたいなと思う衝動に素直に従うことが社会を発展させる

昨日は、お付き合いのある経営者さんたちとのオンライン&リアルのハイブリッド意見交換会でした。総勢10名程度です。ある会社の社長さんから事業の取組みについて話題提供をいただき、それをもとに意見交換をしました。 お話いただいたのは、ある物の配送ビジネスです。中小の配送業者さんどうしが協力して、全国に配送網を構築しています。実は、この仕組みがないと届けられない物というのがありまして、このネットワークを構築している経営者のみなさんは、この事業にとても強い使命感を持っています。 …

自己の周囲に反応しているだけの組織は、衰退してしまう

台所で家事をしながらオーディオブックを聞いています。最初は、皿洗うのにテンション上げようと思って音楽を聞いていたのが、もう少し有効に時間を使おうと思って、オーディオブックになりました。 最近、聞いたのは、水野敬也さんの『夢をかなえるゾウ』です。オーディオブックで期間限定の聞き放題になっていました。ガネーシャと言うなぜか関西弁の神様の話にニヤニヤしたり、深くうなずいたりしています。台所に立つわたしの様子を家人も不思議な目で見ています。 「世の中のほとんどの人間はなあ、『反応

事業多角化の観点

先日、ある経営者様から事業の多角化に関するお話をお聞きしました。 同企業様は、もともとガス会社としてガス事業を中心に取り組まれてきました。昨今の電力自由化の流れに沿って積極的に電力事業に取り組み、今では電力事業も有力な収益の柱と言える存在にまで育ってきたそうです。そして、水の販売事業にも取り組まれ、こちらも業容が拡大してきているということです。 その結果、下記のイメージとなっているようです。 ・ガス:夏より冬のほうが需要量が大きい。都市ガスも手掛けるがプロパンガスも手掛け

働きがいの高い企業が行っていること

「働きがいのある会社ランキング」を行っているGreat Place to WorkジャパンのHP上で、「海外の働きがいの高い企業がコロナ禍において従業員に対して行っていること」という記事を発信していて、目に留まりました。 同記事では、上記の題目に対し、3つのテーマに沿って事例付きで説明しています(以下同記事を一部抜粋・加筆)。 ・会社(経営・管理者層)と従業員のつながりを維持・強化する 先が見えない状況であり、かつ、在宅勤務の機会の増加などにより従業員と会社との距離は希薄に

個の時代が早く来た

先週の日経新聞を読んでいたら、「個」の時代の到来を彷彿させる内容の記事が印象的でした。 例えば、先週の社会面で掲載された「Nextストーリー筋トレ2.0」というシリーズの9月9日の記事では「理想の自分マネジメント」「企業トップ「心身を最高の状態」に」という見出しで、企業経営者がパーソナルジムで心身を鍛える様子について書かれていました。以下は一部抜粋です。 ~~東京・赤坂見附の雑居ビルの2階に、小さなパーソナルトレーニングジムがある。8月の週末、そのジムのパソコン画面にライフ

人を育てる投資だけでなく、育つ環境への投資にも目を向ける

9/11(金)の日経新聞朝刊1面に「投資、設備から人材へ」という記事出ていました。 内容としては、人材への投資というより、スキル教育にお金を使うという印象があります。これは、今までもある程度してきているのではないでしょうか。もうちょっと深掘りして捉える必要がありそうですね さわれる有形資産・さわれない無形資産かつて成長期にあった日本は、モノづくりが中心でした。設備を使ってモノをつくることが価値の源泉です。ところがビジネスがモノではなくコトに変わってきています。有形から無形