見出し画像

2020年、LAPRASの組織開発・制度設計でやったこと

LAPRAS Advent Calendar 2020」の11日目として書いています。

こんにちは、LAPRASでHRBPをしている@320kzcdです。今年は本当に色々あったのでHRの視点から見た景色をお話ししたいと思います。

やっぱりコロナは大きかった

コロナが発生した後、ちょうどLAPRASは調達を進めていたのですが、コロナで採用サービスに対する投資の判断が厳しくなった時期でした。当時業績への影響はそれほどなかったのですが、コロナで業績が落ちて採用どころじゃなくなる取引先が増えるかもしれないのですから採用サービスに対して消極的になるのは当然でしょう。

結果的に無事調達ができましたが、外部要因の影響を受けないくらい、事業も社員も余裕を持って自然と高いパフォーマンスを出し続けるチームに早くならなくてはと焦燥感を感じたことを覚えています。


で、LAPRASは大丈夫なのか?

LAPRASの今の状況はこんなかんじです。

画像1

組織サーベイの詳細

プロダクトやビジネス、バックオフィスがチームとして滅茶苦茶頑張ったこともあり、課題はまだまだ残っていますが、組織として戦える形を成してきた様に感じます。(採用成功数がどのくらい伸びているとかは22日目の@r-takahamaがもっと詳しく書いてくれるはず)

2020年9月に調達が決まった後、LAPRASは組織を大きく変えました。もともとは対面コミュニケーションを重要視した同期的な仕事の進め方をしてきましたが、リモートワークを主軸に変え、オフィスを引き払う決断をしています。


理想の組織の再構築

画像2

落ち着いたころを見計らって、オフィスでの働き方に戻るという選択肢もありました。しかし、リモートワークの日常を経験した新しい社会において、より良い組織はどんなものかと模索した結果、リモートを主体とした理想的な組織を再定義しました。


画像3

・関東圏に限らず、あらゆる場所の人材を採用できる。
・最も働きたい場所で仕事ができる。
・家庭の事情や趣味などで働ける時間が不規則でも変わらず成果が出せる。
・入社年次に関わらず、同じ知識を簡単に得ることができる。
・能力開発の機会を提供し、育成型組織にする。
・心理的安全性を揺るぎないものにする。

今は、以上のような組織を目指しています。

ハイコンテクスト/ローコンテクスト


理想の組織を実現するためのカギ

画像4

理想の組織では「心理的安全性」と「ローコンテクスト」によって誰でも安心してパフォーマンスを出せる状況を作り、「成果(ポジティブな影響)に報いる」インセンティブを用意することでインパクトを出しやすくしていきます。


ローコンテクスト

画像5

日本人はローコンテクストコミュニケーションが苦手と言われますが、世界にはローコンテクストを得意とする先駆者たちがいます。

彼らがうまくやっている方法を理解して、最高のやり方からスタートできれば文句はありません。太っ腹なことに世界最大のフルリモート企業「GitLab」がRemote Playbookを公開してくださっていたので、これを和訳し社内資料として導入しました。

また、ただローコンテクストであれば良いわけでもありません。テキストコミュニケーションが主であるからこそ、不要な軋轢が発生するポイントをルール化して、事前にカバーしなくてはなりません。これをコミュニケーションルールとして周知し、絶対に守るという覚悟をもって運用しています。

あとひとつ、LAPRASがローコンテクストに有利だったのは、もともとホラクラシーを導入しており、言語化することとプロセスを遵守することに慣れていたこともありました。


心理的安全性

画像6

ポジティブとネガティブは対等ではありません。チャレンジを促すためには理不尽な脅威を可能な限り排除しなくてはなりません。


画像7

理不尽を排除し、心理的安全性を高めるためには、不文律を作らないこと(no unwritten rules)が重要です。シンプルですが、後出しじゃんけんを許さず、きちんとルールを表明し、その通りにルールを守ることです。

また、一つ大きなポイントとして、世の中ではジョブ型雇用を目指すべきとする言説が流行っていますが、LAPRASではメンバーシップ型雇用・職能資格制度・終身雇用を選択しています。ホラクラシーというアサインが流動的である運営形態がジョブ型にそぐわないことや、能力開発・育成型組織を志向していることが主な理由です。


画像8

RMS Message 48号より引用

この表のとおり、心理的安全性の先行指標として「情緒の安定性」「リーダーとの関係性」「支援的な風土」などが影響するとされています。

ここでいうと終身雇用やSpatialChatをもちいたバーチャルオフィスなどによってつながりを作ることは、理不尽な解雇や孤独感からくる情緒の不安定性を取り除き、「安定した地盤」と「チームに受け入れられる安心」を与えます。

ワンチームプロジェクトとは、経営・事業責任者・メンバーの目線を揃え、同じ目標のために互いが支援しあうプロジェクトで「リーダーとの関係性」や自らの仕事がフォーカスとズレていないという安心を構築しています。

Uniposはシンプルに、承認や感謝を伝えることでコミュニティの一員である安心感や支援的な風土を促進します。(投稿率97%, もらった率100%, 利用率100% いずれも2020年11月実績)


成果に報いる人事制度

画像9

LAPRASでいう「成果」とは、ポジティブな影響を意味します。売り上げを上げるなどはわかりやすいですが、売り上げに直接繋がらなくても仮説検証をしたことで会社が前進するようなチャレンジは意義があるのでこれは「成果」です。もちろん誰かがやらねばならない「定常業務をちゃんとやる。」ということも成果です。

人事制度は特に納得感が重要です。自分がやった仕事の価値をわからない人に評価されるほど納得できないことはないでしょう。意義やインパクトを正しく見極めてくれるレビュアから360度で評価されることが重要だと考えています。


画像10

また、人間にはバイアスがあります。直近の仕事ぶりで評価を決めてしまったり、なんとなく印象で評価してしまうこともあります。

そこでLAPRASではあらゆる仕事をProjectとして管理し、やった仕事をすべて可視化しています。これによって、目立つ仕事をした人だけではなく、着実な仕事を積み重ねてきた人や期初の活躍もしっかり評価されます。

戦略カーネルという重点目標が設定されていることで、自律的に動くうえで何が重要なのかが簡単にわかるようにもなっています。戦略カーネルに貢献しそうなProjectを自律的に積み重ねていけば評価されるので、評価を自分がコントロールできるイメージを持てるはずです。


採用・オンボーディング・育成・働く環境

画像11

少数精鋭の方針やオンボーディングを充実させることで早く活躍できるようにするという方針は変わりありません。

等級制度を職能資格制度にしたことによって、各Gradeに発揮能力が定義されています。今後の人事施策の中では発揮能力の開発を会社側がトレーニングとして提供できるようにしていきます。

働く環境としては、リモートワークを支援するための制度を充実させていきます。もともと働く時間は自由度が高かったので、子育て世代も柔軟に働ける環境ができていると思います。


直近の課題

画像12

徐々に組織が整ってきたとはいえ、まだまだ課題は多く残っています。

特に目先では2021年1月からまた新入社員が入ってくるので、安心して馴染んでもらえるように交流の機会を充実させていかなくてはならないと考えています。さらに、リモートワークのなかでは直接仕事でかかわっていない人のケアが難しいことは事実です。だからこそ、お互いがケアできるような仕組みをしっかりと整えていかなくてはならないと考えています。


まとめ

冒頭に説明したとおり、LAPRASはようやく戦える舞台が整ってきました。

LAPRASのメンバーは「すべての人に最善の選択肢をマッチングする」というミッションを本気で目指していますし、それを実現できる組織にしていくために努力を積み重ねていきます。

やりたいことに対して、人はまだまだ足りていません。

画像13

最近になってまた、積極的に採用を再開しました。

ちょっとだけでも興味をお持ちいただけたなら、まずはオンラインカジュアルにお話しできればうれしいです。

Wantedlyの「話を聞きに行く」からご連絡いただければ幸いです。

https://www.wantedly.com/projects/114747


資料


だいぶ長くなりましたが、ご覧いただきましてありがとうございます!

Photo by NeONBRAND on Unsplash

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?